【大会プレビュー】未来のスター候補を見つけよう! 有望株並ぶU−20W杯、いよいよ開幕

【大会プレビュー】未来のスター候補を見つけよう! 有望株並ぶU−20W杯、いよいよ開幕

左から文中に登場する順 [写真]=Getty Images

 U−20ワールドカップはFIFA(国際サッカー連盟)が主催する20歳以下の世界一決定戦である。2年に1度開催されるこの大会、今年は欧州のポーランドを舞台に23日から幕を開けることとなる。

 大会は参加24チームを4チームずつ6組に分けてのグループステージから開幕。各組上位2チームの計12チームおよび、3位6チーム中上位4チームがノックアウトステージ(いわゆる決勝トーナメント)へ進む方式だ。過去大会の結果からおおよそ勝ち点「4」がボーダーラインと思っていい。グループ突破を狙うなら、1勝1分1敗の戦績が死守すべきラインということになる。

 もちろん、これは絶対的な指標ではない。たとえば2005年大会では他ならぬ日本が「2分1敗」という奇跡的な戦績で「2位抜け」している。このときは開催国のオランダが戦力的に図抜けていて3連勝。一方、残る3カ国の対戦はすべて引き分けに終わり、「2分1敗」で3チームが並んだ結果、唯一オランダに大敗していなかった日本が得失点差で勝ち抜けることとなった。これはかなりのレアケースではあるが、たとえ第3戦まで勝ち星がなかったとしてもノーチャンスでないことは念頭に置いたほうがいい。特に3位抜けの可能性がある今大会のレギュレーションでは、最後の最後まで逆転突破の余地があり、そこが大会としても一つの面白さとなる。

 こうした年代別大会で「優勝候補」のようなチームを占うのは難しいが、欧州開催のときは欧州勢が強い傾向は間違いなくある。その意味でU−17、U−19とこの世代の欧州王者に輝いているポルトガルは要注目だろう。すでにA代表を経験しているMFジェドソン・フェルナンデス(ベンフィカ)を筆頭に、注目のタレントがズラリと揃うチームだ。プレミアリーグで活躍するDFディオゴ・ダロト(マンチェスター・U)、ルベン・バイナグル(ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ)らを擁するディフェンス陣、「ポルトガルのムバッペ」というベタベタな異名を誇るFWラファエウ・レオン(リール)を擁するオフェンス陣は共に強力。所属するF組はアルゼンチン、南アフリカ、韓国と入る激戦区で、グループステージの段階から好カード目白押しとなる。

 激戦区という意味ではフランスの入ったE組も興味深い。パナマのデリー・バルデス監督(かつて札幌、大宮、鳥栖などでプレーしたレジェンド)が「フランス以外にチャンピオンチームが二つもいる非常にタフな組」と形容したとおりの激戦区。GK王国イタリアで活躍するGKアルバン・ラフォン(フィオレンティーナ)らタレント揃いのフランスを筆頭に、アジア王者のサウジアラビア、アフリカ王者のマリが同居するタフな組だ。マリは2年前のU−17W杯で4強入りしたメンバーがズラリと揃う「黄金世代」で、大会の伏兵的な存在。サウジアラビアも国籍取得の要件が緩和された世代ということで、前線に強力なタレントを揃えたチームであり、侮れない。

 そしてもちろん、日本の入ったB組も忘れてはいけないだろう。日本の初戦の相手でもある南米王者に輝いたエクアドルはU−20南米選手権得点王の剛力系FWカンパーナ(バルセロナSC/エクアドル)、オランダでプレーする攻撃派の左SBディエゴ・パラシオス(ヴィレムII)らA代表経験者も顔をそろえる強力ラインナップ。守備も個の強さと連帯感があり、タフに戦える厄介なチームだ。

 また、メキシコでは昨年のトゥーロン国際大会でMVPに輝き、A代表にも名を連ねるMFディエゴ・ライネス(ベティス)は大会最注目プレーヤーの一人。大柄ではないものの強健さも備え、ボールを持てば驚きに満ちたプレーを提供してくれるため、観ているだけで最高に楽しい。日本が相手といったことも関係なしに、是非観ておいてほしい選手である。

 そして日本と3戦目でぶつかるイタリアは言わずと知れた伝統国。今回はU−21欧州選手権(実質U−23)と日程がバッティングしたこともあってベストメンバーを招集できたわけではないが、FWアンドレア・ピナモンティ(フロジノーネ)、GKアレッサンドロ・プリッツァーリ(ミラン)といった実力派の選手たちもおり、当然ながら侮れるような相手ではない。日本としては、2年前のU−20W杯がそうだったように、できればこの第3戦を「テーブルの下で握手すればOK」という状況にしておきたい。

 未来のスーパースター候補がズラリと揃うU−20W杯。今回は幸いにもJ SPORTSが全試合放送を敢行してくれるので、世界中のタレントが見せる「可能性」を存分に堪能できる。ぜひ「俺のオススメ選手」を見つけてみてほしい。

文=川端暁彦

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