【プレミア初挑戦の選手たちB】 挫折を経験して急成長…タンギ・エンドンベレ/トッテナム

【プレミア初挑戦の選手たちB】 挫折を経験して急成長…タンギ・エンドンベレ/トッテナム

クラブ史上最高額の移籍金でトッテナムに加入したエンドンベレ [写真]=NurPhoto via Getty Images

 全5回にわたってお送りする“プレミア初挑戦の選手たち”。第3回に登場するのは、リヨンからトッテナムに加入したフランス代表MFタンギ・エンドンベレ。数々のビッグクラブが争奪戦を繰り広げた同選手について、7つのトピックスを紹介する。

■クラブ史上最高額&18カ月ぶりの新戦力

エンドンベレの獲得に際してリヨンに支払われる移籍金は、ボーナスを含めて総額7000万ユーロ(約85億円)だという。これは2017年夏にアヤックスから加入したダビンソン・サンチェスの移籍金4000万ユーロ(約47億円)を上回ってクラブ史上最高額となる。なお、2018年1月にルーカス・モウラが加入して以降、トッテナムは全く補強を行っていなかったため、同クラブにとって実に18カ月ぶりの新戦力獲得となった。

■3年前にはフランス5部でプレー
大きな期待を受けてトッテナム入りを果たしたものの、わずか数年前には選手キャリアの岐路に立たされていた。エンドンベレは2011年からギャンガンの下部組織に所属していたが、2014年に素行不良と体重超過を理由に放出されてしまう。当時の監督は「彼は朝起きるのが苦手で、しかも太りすぎていた」とコメント。選手としての能力に疑いはなかったが、サッカーに対する姿勢に問題があったことを指摘している。その後、複数のクラブのトライアルを受けたものの、体重オーバーが理由で契約には至らず、最終的には当時フランス5部に所属していたアミアンのリザーブチームでのプレーを余儀なくされてしまった。

■挫折を経て急成長

もっとも、こうした挫折を味わったことで心を入れ替えたエンドンベレは飛躍の時を迎える。2016年夏にアミアンのトップチームに昇格すると、1年目からリーグ戦30試合に出場。2得点7アシストをマークするなど、主力選手としてリーグ・アン昇格に貢献した。その活躍を受けて2017年夏にリヨンへレンタル移籍を果たすと、翌シーズンには完全移籍を勝ち取り、ついにビッグクラブ入りを果たした。

■チャンピオンズリーグでブレイク
「エンドンベレ」という名前が世界に知れ渡ったのは、昨季のチャンピオンズリーグだった。グループステージのマンチェスター・C戦で先発すると、相手の強力なプレスを交わしつつ前線へとパスを配給。守備面でもフィジカルを活かしたボール奪取で相手攻撃陣を封じ込め、敵地で金星を挙げる立役者となった。この時の好パフォーマンスがマンチェスター・Cはもちろんのこと、レアル・マドリードなど名門クラブの目に留まり、一躍、移籍市場の注目銘柄となった。

■フランス代表の常連に

エンドンベレの活躍に目を付けたのはクラブチームだけではなかった。マンチェスター・C戦からわずか1カ月後の2018年10月、フランス代表に初招集されたのだ。同月行われたアイスランド代表との親善試合でデビューを果たすと、その後も“レ・ブルー”のメンバーに名を連ねている。フランス代表のディディエ・デシャン監督は同選手について、「パワフルで素早く、テクニックもある。そして縦パスを通す能力が高い」と評価。ロシアW杯を制覇した“世界王者”をさらに高いレベルへと導いてくれる存在として、周囲の期待は大きい。

■ニュー・ポグバ? ニュー・エッシェン?
そのパワフルさやパスセンスから、エンドンベレは同胞の先輩であるポール・ポグバと比較されることがよくある。またリヨンのジャン・ミシェル・オラス会長は、同クラブからチェルシーへと羽ばたいていった元ガーナ代表MFマイケル・エッシェンとプレースタイルが似ているとコメントしている。しかし、本人はこうした比較を好んでいない。「僕は自分自身がなりたいと思う選手になりたい。自分の道を作るためにここに来たんだ。僕は“ニュー・エッシェン”でも“ニュー・ポグバ”でもない。僕はタンギだ」と語るなど、プレミアリーグ初挑戦にあたって強い決意を示している。

■課題は得点力の向上

22歳(1996年12月28日生まれ)にしてプレミアリーグ初挑戦となるエンドンベレ。数少ない弱点と言えるのが得点力だ。昨季のリーグ・アンでは34試合に出場しながら、わずか1ゴール。リヨン時代の恩師ブルーノ・ジェネジオ監督は「彼が偉大な選手になるために唯一改善しなければならないのが、フィニッシュの部分だ。彼にはファイナルサードでの集中力が欠けている」と指摘している。ただし「ゴールを奪う技術に問題はない」とも述べており、マウリシオ・ポチェッティーノ監督のもとで得点力アップを実現できれば、トッテナムのプレミアリーグ制覇、あるいはチャンピオンズリーグ優勝という目標も大きく近づくかもしれない。

(記事/Footmedia)

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