来日中のヴェンゲル氏「日本で講演会をして、インタビューを受けて、ラグビーを見に行きたい」

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 24日、名古屋グランパスやアーセナルを率いたアーセン・ヴェンゲル氏が講演会を前に報道陣の取材に応えた。名古屋グランパス時代のファンの印象、日本への思い、アーセナルでの日々、そして今後の活動について、ユーモアを交えながら丁寧に答えた。

――今シーズン、プレミアリーグとチャンピオンズリーグでどのチームが優勝すると思いますか?
ヴェンゲル (プレミアリーグは)今のところ、昨年の勢いを維持しているリヴァプールが1分けなので、このまま勝っていくのではないのかと思います。ただ、欧州(CL)では10年ほど前から、絶対に負けない、絶対に勝つであろう最強チームというのはなくなっています。当時のバルセロナやレアル・マドリードのような強豪チームが絶対に勝つというような流れは今の欧州にはありません。

――20年ほど前に名古屋グランパスを率いていましたが、当時のファンの印象は? また、現在の日本の印象は?
ヴェンゲル 名古屋に来たのは1995年のことでした。その3年ほど前にJリーグが立ち上がって、サッカー熱がとても盛り上がっている時代に日本に来ることができました。そして日本を発見したという経験が今も私の中に残っています。皆さんに「サッカーについて知りたい」という勢いを感じる時代でしたし、ガツガツしているような、何にでも目がキラキラしてしまうような、サッカーにとても貪欲な人たちに囲まれた時代でした。そんなファンの皆さんにお伝えしたいのは、日本のサッカーはこの20年でとても進化したということです。ただ、20年前からある弱点も残念ながらまだ克服されていないと思います。ワールドカップではその弱点が空中に漂っていて、得点されると、どうしてもパニックになってしまう。(ロシアW杯の)ベルギー戦などがいい例ではないでしょうか。

――アーセナルで長く指揮を執り、若い選手を獲得し、起用し、新しいスタジアムも建設しました。常に将来を見据えていた印象ですが、サッカーの将来がどうなっていくかについて、考えを聞かせてください。
ヴェンゲル アーセナルには確かに長く、22年間もいました。それは私の顔の老け具合を見ればわかるんじゃないかと思います(笑)。心と頭のすべてをアーセナルに捧げた22年間でした。サッカーの展開や流れというのは今も昔も変わっていません。問題が出てきたら解決する、というのがサッカーの流れです。ディフェンスがオフェンスの妨害をする。オフェンスはそれを突破するために問題解決をする。最近はディフェンス力というのが向上しましたし、GKに至っては、ゲームの展開を読んで指示ができるような、チームで一番のプレーヤーではなくてはいけない。そういった進化についていけるようなアスリートが出てきていますし、日本のチームもトップレベルになってきているのではないかと思います。そして、監督には若いプレーヤーをいかに引き上げていくかという職務がありますし、技術を身につけるためのパーフェクトさというのが求められています。選手たちの身体能力は向上しました。残されているのは、メンタルです。かなり若い年代、育成の段階からメンタルを鍛えていく必要がある。プレッシャーのなかで、それに耐えて勝ち抜いていくメンタルの強さというのが求められているのではないでしょうか。

――まずは70歳のお誕生日、おめでとうございます。
ヴェンゲル サンキュー・ベリーマッチ!(笑)

――今、メンタルという言葉が出ましたが、たとえばアーセナルを率いていたときに、スランプに陥ったり、問題を抱えていた選手に対してどんなアプローチをしていたのでしょうか?
ヴェンゲル まず、あなたはストレスに強いですか? (日本語で)「まあまあ?」(笑) ええと……ストレスにどれだけ耐えられるかというのは、個々の力量によって違います。ただ、ピッチ外……たとえばプライベートで何かのストレスにさらされていると、サッカーでのプレッシャーに打ち勝つための容量が減ってきてしまう。最近のモダンフットボールというのは、モチベーションを常に高く保っているなかで、緊張感のないリラックスした状態で挑まなければいけない。フットボールでは当然、体を動かすわけですから、リラックスしつつも、今その瞬間に必要な筋力だけを発揮することができるようになるのが一番いい。つまりシンプルに言うと、頭でこうしようと思ったことが、すぐに身体に伝わる。それがトップアスリートの能力です。残念ながら私の体は、私の頭が司令を出しても、もう言うことを聞いてくれませんが(笑)。

――日本サッカー協会からアドバイザー契約を打診したという報道がありましたが、それは事実ですか?
ヴェンゲル ノー。

――では、これから日本で指導者になる可能性はありますか?
ヴェンゲル これから私がどのような活動をするのかというのは確定していません。ただ、日本のことがとても好きなので、ずっといたいとは思います。

――吉本興業とマネジメント契約をするに至った経緯は?
ヴェンゲル それは私が語るよりも、吉本興業のほうからお話ししたほうがいいんじゃないかと思います。

――今後、日本でどういった活動をしていく予定ですか?
ヴェンゲル 今日の講演会に、インタビューに……あとはラグビーを見に行くことですね(笑)。

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