層の厚さを物語る“招集されなかった”選手たち…注目すべき東京五輪世代の6人

層の厚さを物語る“招集されなかった”選手たち…注目すべき東京五輪世代の6人

[写真]=J.LEAGUE、Getty Images

 森保一監督が国内で初めて指揮を執ることもあり、現時点でのベストに近いメンバーを揃えた感のある今回のU−22日本代表。ただ、同代表に入る資格を有する選手で、この機会には選出されなかった選手の中にも、それに値する可能性を秘めた逸材が数多く存在する。そこで、今回の招集は見送られたものの、「この選手には注目しておきたい」という東京五輪世代のプレーヤーを6人ピックアップ。J1、J2、J3、大学生から1人ずつ、そして高校生からは2人、注目すべき選手たちを紹介しよう。

写真=Jリーグ、ゲッティイメージズ
文=土屋雅史

MF 齊藤未月

生年月日:1999年1月10日(年齢20歳)
身長・体重:166cm・66kg
出身地:神奈川県
所属クラブ:湘南ベルマーレ
ジュニアから湘南ベルマーレで育ってきたボランチは、今シーズンに入って完全に覚醒した感がある。所属クラブでは中盤の位置でボールにも相手にも激しく食らい付き、“湘南スタイル”の代表的な体現者に。加えて5月に参加したU−20ワールドカップでは、10番でキャプテンという重責を担い、世界の舞台でも球際の強さを含めた武器が十分に通用することを自らのプレーで証明してみせた。もともとインターナショナルスクールに通っていたこともあって英語が堪能。前述のU−20ワールドカップでも、主審に堂々とコミュニケーションを取りに行く姿が見られるなど、世界と対峙することに気後れする意識は微塵もない。「人とは違った言動だったり、違ったプレーだったり、違った姿勢を見せるのことが大事かなと思っていて、それが勝利のためなら、周囲から浮くのも全然気にならないです」と言い切れるメンタルも魅力的だ。ちなみに好きな背番号は昔からずっと付けてきた6番とのこと。

DF 古賀太陽

生年月日:1998年10月28日(年齢21歳)
身長・体重:182cm・71kg
出身地:新潟県
所属クラブ:柏レイソル
現在の主戦場は4バックの左サイドバックだが、右サイドバックもセンターバックも対応可能。さらに3バック時にも3つのポジションすべてを高次元でこなせるインテリジェンスも持ち合わせており、登録人数の限られているオリンピックのようなコンペティションでは、そのポリバレントさが頼もしいはずだ。昨年のシーズン途中にアビスパ福岡へ期限付きで移籍し、現在は柏レイソルで再び指導を仰いでいる井原正巳監督の下でポテンシャルが開花。やはり3バックと4バックでそれぞれ複数のポジションを経験したことで、守備の安定感は見違えるように向上。今シーズンは名将ネルシーニョも大きな信頼を寄せており、代表招集以外ではほとんどの試合でスタメンフル出場を果たすなど、J1昇格へひた走る柏レイソルを最終ラインから力強く支えてきた。ここ2大会の五輪ではロンドンで酒井宏樹、リオで中村航輔がメンバーに入ってきただけに、レイソルアカデミー出身者の3大会連続五輪出場はこの男に託されている。

FW 高澤優也

生年月日:1997年2月19日(年齢22歳)
身長・体重:181cm・71kg
出身地:東京都
所属クラブ:ザスパクサツ群馬
34.8パーセントを誇るシュート決定率は、J1、J2、J3の得点ランキング20傑の中でもトップの数字。この春に流通経済大学を卒業したばかり。プロ1年目で15ゴールを積み重ねた得点感覚は、いかにJ3と言っても無視できないレベルにある。特筆すべきはスタメンに定着し、初ゴールを挙げたのが第10節だったということ。以降は16戦15発とほぼ1試合に1ゴールのペースで得点を積み重ねており、負傷離脱してからの群馬の得点力低下が何より存在の大きさを物語っている。ストライカーのタイプとしては万能型。ポストワークをこなしつつ、ヘディングにもこぼれ球への嗅覚にもセンスを発揮するが、一番の魅力は左足のパンチ力。J3第23節のFC東京U−23戦で披露したミドルは圧巻で、良い意味で何をするかわからないレフティという立ち位置は元日本代表の久保竜彦を彷彿とさせる。この半年の成長を考えても、さらなるブレイクが東京五輪に間に合わないとは決して言い切れないのではないだろうか。

MF 松尾佑介

生年月日:1997年7月23日(年齢22歳)
身長・体重:170cm・65kg
出身地:埼玉県
所属クラブ:仙台大学(横浜FC内定)
6月12日に入団内定。6月21日に特別指定選手承認。そして6月29日のJ2第20節・ファジアーノ岡山戦で初めてリーグ戦のベンチに入ると、チームメイトのケガもあって前半18分にピッチへ登場し、いきなり2ゴールに絡む鮮烈なJリーグデビュー。仙台大学に通う普通の大学生は、あっという間にJ1昇格を狙う横浜FCにとって、欠かせない戦力になってしまった。中村俊輔、松井大輔、レアンドロ・ドミンゲスなどビッグネームが居並ぶ中で、今の横浜FCの攻撃を支えているのは両翼のアグレッシブさ。右の中山克広と共に、左の松尾の仕掛ける姿勢がチームに強烈な推進力をもたらしている。ギャップで受けることも、逆サイドからのクロスに飛び込んでゴールを奪うこともできるものの、スピードを生かした縦へのドリブルが何より圧倒的。U−22日本代表には縦へドリブルで行き切る選手が多くないこともあり、キャラクター的にも是非一度試して欲しい選手だ。なお、邦本宜裕(慶南FC)や新井瑞希(東京ヴェルディ)が浦和レッズユース時代の同期に当たる。

FW 若月大和

生年月日:2002年1月18日(年齢17歳)
身長・体重:170cm・68kg
出身地:群馬県
所属クラブ:桐生第一高校(湘南ベルマーレ内定)
現在開催中のU−17ワールドカップでは、グループステージ初戦のオランダ戦で2ゴールを叩き出し、一躍世界の脚光を浴びた17歳の高校生も推薦しておきたい。既に来シーズンからの加入が内定している湘南ベルマーレでは特別指定選手としてJ1、ルヴァンカップと共に1試合ずつ起用されており、夏休みにも1カ月近く練習参加するなど、トップレベルでのプレーも経験済み。初速の速さだけではなく、加速力も備えたスプリントは、前述したU−17ワールドカップでもセネガル代表のセンターバックをぶっちぎるレベル。常にゴールに向かって仕掛けていく姿勢もフォワードらしくて好感が持てる。「小学校の頃はリフティングも100回できなかったし、オランダ戦みたいなバックステップを踏んで、スペースを作ってゴールなんてできなかったのに」と明かすのは昔から彼をよく知る桐生第一のチームメイト。その伸びしろや大舞台での勝負強さがチームと爆発的な化学変化を起こせば、U−22日本代表でもジョーカー的な存在になり得るかもしれない。

FW 高田颯也

生年月日:2001年8月15日(年齢18歳)
身長・体重:180cm・64kg
出身地:埼玉県
所属クラブ:大宮アルディージャU18
まだその名は広く知られていないかもしれないが、今シーズンの高校年代ではおそらくナンバーワンのドリブラー。トップギアが入った時のスピード、スペースを抜け目なく見つけるコース取り、緩急の付け方と切り返しを含めたテクニック、そのすべての融合に2人、3人のディフェンダーは一瞬で無力化されてしまう。ストロングが明確である分、守備への参加回数や強度、コンスタントな集中力の持続など、課題もハッキリしている中、大宮アルディージャU18の丹野友輔監督が長所を消さないような指導を粘り強く続けてきたことで、トップチーム昇格を勝ち獲るまでに成長を遂げた。世代としてはパリ・オリンピックへの出場資格も有しているものの、「今回は難しいかもしれないですけど、日本での開催ですし、早く上に行く分には行きたいという想いはあります」と本人も東京五輪への意欲を口に。一度その綺麗なドリブルの姿勢を見たら、すぐに覚えてしまうような華もあり、今後への期待枠という意味でも、この名前を覚えておいて損はない。

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