優勝・残留争いだけじゃない! J1参入PO争いも史上稀に見るハイレベルな戦いだった

優勝・残留争いだけじゃない! J1参入PO争いも史上稀に見るハイレベルな戦いだった

J1参入プレーオフへの出場権を勝ち取るのは…? [写真]=J.LEAGUE

 2019明治安田生命Jリーグも最終盤を迎えた。J1では、上位4チームが熾烈な優勝争いを繰り広げる一方で、残留争いも昨シーズン同様に大混戦となっている。泣いても笑っても、残すところ3試合(すでに第32節を消化した川崎と浦和は2試合)。今年はどんなドラマが待ち受けているのか、日本全国のサッカーファンが注目していることだろう。

 一方、J1に負けず劣らずの熱戦を繰り広げているのがJ2だ。J2は全42節で行われるシーズンのうち40節までを消化。以下は、最新の順位表のトップ10である。

1位 柏(勝点78/得失点差+37)
2位 横浜FC(勝点73/得失点差+23)
3位 大宮(勝点73/得失点差+22)
4位 山形(勝点67/得失点差+19)
4位 水戸(勝点67/得失点差+19)
6位 徳島(勝点67/得失点差+18)
7位 甲府(勝点65/得失点差+20)
8位 京都(勝点65/得失点差+14)
9位 岡山(勝点65/得失点差+4)
10位 新潟(勝点58/得失点差+18)

 J1へ自動昇格するトップ2争いは、1位・柏、2位・横浜FC、3位・大宮の3チームにほぼ絞られた。柏は、16日に行われる第41節で2位以上、さらにJ2優勝を確定する可能性がある。

 三つ巴の自動昇格争いに対し、もつれにもつれているのが、J1参入プレーオフに進出できる6位以内を巡る争いだ。残り2節の時点で、勝ち点「67」で4位タイの山形と水戸から、勝ち点「65」の9位・岡山まで、その差はわずかに2ポイント。まだ6チームに6位以上の可能性が残されている。

 J1参入プレーオフ進出を巡る争いが混沌とするのは、もはやJリーグの風物詩と言えるだろう。だが、これほどまでにハイレベルな争いは過去に存在しなかったのではないだろうか。そこで今回は、現行の22チーム制が採用され、J1昇格をかけたプレーオフ制度も導入された2012年以降の勝ち点を調べてみた。

 以下は、J2第40節終了時点の6位の勝ち点を並べたものである。

2012年 千葉(66)
2013年 徳島(63)
2014年 山形(61)
2015年 千葉(57)
2016年 岡山(64)
2017年 徳島(64)
2018年 福岡(66)
2019年 徳島(67)

 最多勝ち点を記録したのは、今シーズンの徳島で勝ち点「67」。6位としては、過去最高のペースで勝ち点を稼いでいる。なお、6位の最終勝ち点と比較しても、現在の徳島を上回るのは、2012年の大分(勝ち点71)、2017年の千葉(勝ち点68)、2018年の東京V(勝ち点71)の3チームしか存在しない。

 徳島だけでなく、勝ち点「67」で並ぶ山形と水戸も残り2試合で連勝を飾れば、6位の最多勝ち点記録は「73」に更新される。“J2史上最強の6位”が誕生する可能性があり、それだけ今シーズンの参入プレーオフ争いはレベルが高いということが言えるだろう。

 また、首位と6位の勝ち点差についても調べてみると、今シーズンの混戦模様がよく分かる。J2第40節終了時点での、首位と6位の勝ち点差は以下のとおり。

2012年 16(1位 甲府82/6位 千葉66)
2013年 20(1位 G大阪83/6位 徳島63)
2014年 34(1位 湘南95/6位 山形61)
2015年 23(1位 大宮80/6位 千葉57)
2016年 17(1位 札幌81/6位 岡山64)
2017年 17(1位 湘南81/6位 徳島64)
2018年 7(1位 松本73/6位 福岡66)
2019年 11(1位 柏78/6位 徳島67)

 今年は、2012年以降では2番目に勝ち点差の少ないシーズンとなっている。勝ち点差が唯一、一桁台を記録した昨年ほどではないが、レベルが高く、なおかつ、込み入った戦いが繰り広げられていることが分かるだろう。

 では、世界のリーグと比べたとき、今シーズンのJ1参入プレーオフ争いはどう位置づけられるのか。22チームの総当たり戦で順位を決定し、3位から6位までのプレーオフによってトップリーグ昇格の残り1枠を決定――J2とほぼ同じ条件で戦うリーガ・エスパニョーラ2部を例にとり、検証してみた。(リーガ・エスパニョーラ2部の昇格プレーオフには、1部との入れ替え戦は存在しない)

 以下は、リーガ・エスパニョーラ2部の第40節終了時点の6位の勝ち点、そして首位との勝ち点差を並べたものである。上記と同じく2012年以降を対象とした。

2011−12 コルドバ(67)/勝ち点差18
2012−13 ポンフェラディーナ(64)/勝ち点差14
2013−14 コルドバ(59)/勝ち点差8
2014−15 サラゴサ(60)/勝ち点差24
2015−16 サラゴア(61)/勝ち点差10
2016−17 バジャドリード(60)/勝ち点差24
2017−18 カディス(63)/勝ち点差12
2018−19 カディス(64)/勝ち点差17

 最も多くの勝ち点を稼いだ6位は、2011−12シーズンのコルドバで勝ち点「67」。現在の徳島と同じ勝ち点だった。ただ過去8シーズンで“徳島超え”を達成したチームは存在しない。

 また、首位と6位との勝ち点差を比較してみると、現在のJ2における勝ち点差「11」を下回ったシーズンは2012年以降で2度だけ。2013−14シーズンの勝ち点差「8」と、2015−16シーズンの勝ち点差「10」だった。

 つまり、今シーズンのJ2は極めて異例な状況というわけではないものの、欧州でもなかなか巡り会えないほどレベルの高い争いになっているということだ。

 トップ6入りをかけた戦いは、11月24日の最終節まで繰り広げられることだろう。果たして、6位以内に滑り込むのはどのチームなのか。J1昇格へ望みをつなぐバトルは最後まで目が離せない。

(記事/Footmedia)

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