【モンゴル戦|戦評】なかなかお目にかかれない大勝劇を飾れたのはなぜ?14ゴールを奪えた理由

日本代表がモンゴル代表に14-0で勝利 最後まで力を抜かなかった日本を評価する声も

記事まとめ

  • ワールドカップ・アジア2次予選で日本代表がモンゴル代表に14-0で勝利した
  • 日本にとってワールドカップ予選での歴代最多得点記録で、10ゴール以上は24年ぶり
  • 日本は最後まで攻め続けたし、モンゴルもラフプレーに走って試合を壊すことはなかった

【モンゴル戦|戦評】なかなかお目にかかれない大勝劇を飾れたのはなぜ?14ゴールを奪えた理由

【モンゴル戦|戦評】なかなかお目にかかれない大勝劇を飾れたのはなぜ?14ゴールを奪えた理由

モンゴルに14−0で大勝した日本。サイドからの攻撃を中心に、中央からも崩した。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)



[カタール・ワールドカップ・アジア2次予選]日本 14-0 モンゴル/3月30日/フクダ電子アリーナ

 モンゴルとの実力差を考えれば、価値は難しいものになるのかもしれない。

 それでも14ゴールを奪っての大勝である。日本にとってワールドカップ予選での歴代最多得点記録で、10ゴール以上を挙げるのは24年ぶり、日本の国際Aマッチでも2番目の記録だという。

 各国の実力差が現われにくくなっている昨今のサッカー界では珍しい得点差。最後まで力を抜かずに攻め続けた日本の姿勢は評価されて然るべきもので、モンゴルも途中から気持ちが切れていたとはいえ、ラフプレーに走って試合を壊すことはなかった。

「ひたむきに謙虚にやる」

 遠藤航の言葉が、森保一監督が説き続けた想いを表現していたのだろう。後半途中からはベンチに下がった吉田麻也に代わってキャプテンマークを巻いたボランチは、「相手どうこうよりは、自分たちのサッカーができるかを意識していました。そこはシンプルにできたと思います。しっかり90分戦えたと思います」と力強く語る。

 指揮官は前日会見でこう語っていた。

「(3-0で勝利した)韓国戦では魂を感じたが、モンゴル戦は違ったな、ではなくて、どの相手とやっても自分たちのやるべきこをやるんだと感じていただき、観て下さる方に『じゃあ自分たちも自分のことを一所懸命やろう』と、活力を感じていただければ良いと思います」

 その言葉を選手たちが胸に刻み、ピッチで体現したと言えるのだろう。
 もっとも想いだけでゴールラッシュを見せられるわけでもない。元々、森保ジャパンは、3-0で快勝した韓国戦のように、中盤の組織だった守備でボールを奪い、ショートカウンターを仕掛ける戦い方は得意としていた。一方、ワールドカップ予選などで引かれた相手を崩し切る力に課題があったように映る。

 モンゴル戦の立ち上がりもスペースがあまりない敵陣で、上手くボールを回すことができずにいた。それでも徐々にテンポアップできたのは、冨安健洋と吉田の両CBが高いフィード能力を生かして、サイドにボールを送って相手の守備網を広げさせ、遠藤と守田の両ボランチもサイドと相手の最終ラインの裏を的確に狙い、ジャブを打ち続けたからこそだ。

「裏に走る選手がいたからこそ、中が空く。サコくんのゴールがそう」と遠藤が振り返ったのは、大迫勇也が23分に挙げたチーム2点目だ。

 サイドからの展開で奪った他の多くの得点と異なり、大迫のゴールは最終ラインの吉田からの鋭い縦パスを大迫が見事なターンで抜け出して決めたもの。

 テンポよくボールを動かし、中と外を上手く使い分ける。柔軟な攻撃が、モンゴル戦では見せられたと言えるのだろう。

 また興味深かったのは、右サイドの連係だ。この日、指揮官は右SBに松原健を起用し、サイドハーフの伊東純也と組み合わせている。松原といえば、所属する横浜がポジショナルプレーを志向しているだけに、“偽のSB”として振る舞える点も魅力で、モンゴル戦でもタッチライン際を駆け上がるのではなく、内に入ってハーフスペースを活用。CBからボールを引き出し、素早く前の伊東を走らせて、チャンスにつなげた。

 互いの特長を生かしたという右サイドの連係は、チームの新たな武器として興味深く、伊東は2ゴール・4アシストのハイパフォーマンスを見せたが、彼の個人能力とともに、松原のサポートがあってこその活躍だったと言えるだろう。
 
 ただ収穫があったゲームを終えて選手たちは、手応えを語りながら、口に出したのは、「最終予選はこんなに簡単にはいかない」(吉田)という想いだ。日本は2次予選の勝ち抜けをほぼ決めたが、最終的な目標は最終予選を突破し、ワールドカップで初のベスト8に入るところにある。

 そのためには2次予選の残り3試合(6月に行なわれる予定。ミャンマー戦、タジキスタン戦、キルギス戦。すべてホーム開催)も無駄にはできないだろう。

 どうチームを強化し、最終予選に臨むのか。今後の大きなポイントになる。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

関連記事(外部サイト)

×