【森保Jポジション別査定】ボランチの勢力図は確実に変化! 欧州での定位置奪取が最低条件になりつつあるエリアは?

【森保Jポジション別査定】ボランチの勢力図は確実に変化! 欧州での定位置奪取が最低条件になりつつあるエリアは?

3月シリーズを戦った森保ジャパンの面々。写真は、左上から時計回りに、南野、大迫、冨安、守田、鎌田、吉田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)



 森保ジャパン3月の通信簿というテーマだが、フル代表の状況把握には当然同時期に2試合をこなしたU-24代表の内容も踏まえて考察する必要がある。久しぶりに国内組が加わり日本サッカーの着実な底上げを証明したが、反面やはり欧州クラブでコンスタントに出場している選手との差異は明白で、やはり吉田麻也が語っていたように「一人でも多くの選手が欧州の高いレベルで日常戦えるようにする」ことが、代表強化の要諦となることに変わりはなさそうだ。

【動画】大量14発! モンゴル戦ハイライト

【FW=B】
 フル代表では大迫勇也が2戦連続でスタメン出場し、計166分間プレーした。コンパクトな陣形を保ちハイテンポでアタッキングエリアを攻略していくスタイルを志向する以上、依然として大迫のポストワークを前提とする最適解以上の選択肢は見つかっていない。

 ただしリードした展開では、堅守を基盤に浅野拓磨、古橋享梧らを活用してカウンターを狙うオプションが見込める。今回は一緒にプレーしていないが浅野と鎌田大地との相性は良好で、2列目には伊東純也、久保建英、三笘薫ら単独でも運べるタレントも増えており、今後は速いカウンターが威力を発揮していく可能性が高い。

 大迫と同タイプの近似値を求めるなら、対峙するCBのサイズや圧力の関係もあり国内で成長を望むのは難しい。裏表の関係にあるCBで吉田や冨安健洋が活路を開いたように、例えば杉本健勇などのように本来条件を備えたFWは早めの海外移籍を促すなど、現場が意識を共有する積極策も検討していくべきかもしれない。

【攻撃的MF=A】
 言うまでもなく日本代表の最激戦区。現状で右から伊東、鎌田、南野拓実の並びが最有力なのは確認出来たが、U-24では久保がアルゼンチンの警戒網にもまるで怯まず存在感を示したので、五輪以降は再度森保監督も嬉しい悲鳴を挙げることになりそうだ。

 このポジションは今回の森保采配が示したように欧州でのレギュラー奪取が最低条件になりつつある。三笘はもちろん古橋や江坂任も国内では際立った充実ぶりを見せているが、改めてJからスタメン奪取は望めないレベルになっている。
 
【ボランチ=A'】
 遅咲きながら遠藤航が急成長を遂げ、一段階レベルを引き上げた。今回コンビを組んだ守田英正は、川崎のアンカーとして昨年の独走優勝を支え、ポルトガル移籍でさらに自信を深めた印象だ。年々キックの精度は目を見張るほど高まっており、今回は後方からの展開力とともにミドルシュートも含めた攻撃参加もアピールした。

 だがこのポジションでは、もともと総合的な資質の高い田中碧がそれを凌駕する勢いを見せており、板倉滉もセンターバック(CB)以上の適性を見せた。柴崎岳が指定席を占める構図は、確実に変化しつつある。

【DF=B】
 吉田、冨安がコンビを組むCBの充実が、今回の連戦の安定を支えたのは間違いない。またU-24では2試合のスタメンを入れ替えるほどCBの底上げは進んでいる。逆に懸案は両サイドバック(SB)、とりわけ深刻なのは長友佑都が長く君臨してきた左だ。だが幸いボローニャでは冨安が左右両方のSBも務めており、今回は小川諒也の起用で、改めて左サイドにレフティを置く効果が証明された。サイズも備えた小川は、今まで招集されないのが不思議な存在だったが、ようやく価値を証明できた。右は酒井宏樹が総合力で抜けているが、室屋成、山根視来、それに菅原由勢が続いており、現状でアジア予選レベルなら心配のない状況は担保されている。

【GK=B'】
 U-24で大迫敬介と谷晃生が、ビルドアップへの貢献も含めて良好なアピールをしたのに対し、3選手を招集したフル代表では権田修一が2試合ともゴールマウスに立ち続けた。今回はシュミット・ダニエルが不参加だったわけだが、結局森保監督は明らかに格下のモンゴル戦でも別のカードを切れなかった。ただし下の世代が突き上げる状況は悪くないので、今後は指揮官がどのタイミングでどんな決断を下すのかが注目される。

取材・文●加部 究(スポーツライター)
 

関連記事(外部サイト)

×