【森保ジャパン最新序列/3月シリーズ】“守田株”は急上昇。稲垣、古橋らもアピール
2021年04月01日 06時00分サッカーダイジェストWeb

3月シリーズでの最新序列。様々なテストが行なわれた。
韓国との国際親善試合を3-0で制すと、カタール・ワールドカップ・アジア2次予選のモンゴル戦には14-0で勝利。新型コロナウイルスの感染予防策を徹底して戦った3月シリーズを森保ジャパンは2連勝で終えた。
森保一監督は招集した23人(メンバー発表後に負傷した坂元達裕、原川力[ともにC大阪]に代え、脇坂泰斗[川崎]、稲垣祥[名古屋]を追加招集)のうちGKのふたりを除く21人を起用。各選手がアピールしたなか、3月シリーズのメンバーの序列はどのように変化したのか考察してみる。
【GK】
◎権田修一(清水)
△西川周作(浦和)
△前川黛也(神戸)★
◎=レギュラー候補 〇=有力 △=バックアッパー
★=A代表初招集
2試合に先発した権田は、韓国戦で歴代最長となる8試合連続無失点記録を樹立。モンゴル戦でもクリーンシートを達成し、正守護神の座を確固たるものにしている。一方、約3年4か月ぶりのA代表復帰で森保ジャパンには初参加の西川、初招集の前川も、足もとの技術を売りにしているだけに、チームスタイルに合っている。今合宿でも精力的にトレーニングを重ねた。
さらに今後は海外組で常連となっていたが、3月シリーズは不在だった川島永嗣(ストラスブール/フランス)、シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)らも含めるはず。そのなかで争いが行なわれそうだ。
【CB】
◎吉田麻也(サンプドリア/イタリア)
◎冨安健洋(ボローニャ/イタリア)
△畠中槙之輔(横浜)
△中谷進之介(名古屋)★
◎=レギュラー候補 〇=有力 △=バックアッパー
★=A代表初招集
冨安と吉田のコンビは安定感抜群で、高いフィード能力を含めて、まさにチームの軸であった。彼らの壁は相当に高いと言えるだろう。今シリーズではモンゴル戦で中谷がA代表デビューを果たし、畠中もモンゴル戦の後半途中から出場。ただし、ともにレギュラー取りへ大きなアピールとはいかなかっただけに、Jリーグでさらなる成長を果たせるかが鍵になる。一方で今回、不参加だった植田直通(ニーム/フランス)らも有力な候補になるだろう。
【SB】
〇佐々木翔(広島)
〇松原 健(横浜)
〇山根視来(川崎)★
〇小川諒也(FC東京)★
◎=レギュラー候補 〇=有力 △=バックアッパー
★=A代表初招集
より評価を高めたのは右SBを争った山根と松原だ。山根は所属する川崎でのプレー同様に巧みなポジション取りと攻撃参加で、韓国戦でゴールを奪う鮮烈なデビュー。対人の強さも示した。モンゴル戦に先発した松原は、こちらもクラブ同様に“偽のSB”として中に絞り、ハーフスペースを活用。一列前の伊東をよくサポートし、ゴールに絡むなど、興味深い存在となった。
対して左SBは森保監督が信頼する佐々木が手堅い守備と攻撃参加を見せ、代表デビューの小川は積極的にオーバーラップ。ただ、右SBに比べればインパクトはやや薄かった印象だ。
SBは元々、3月シリーズこそ不在だったが、左の長友佑都、右の酒井宏樹(ともにマルセイユ/フランス)というレギュラーコンビがおり、室屋成(ハノーファー/ドイツ)ら他の候補者も名を連ねる。ここに今回の4人がどう加わっていくか、楽しみなポイントである。
【ボランチ】
◎遠藤 航(シュツットガルト/ドイツ)
◎守田英正(サンタ・クララ/ポルトガル)
〇稲垣 祥(名古屋)★
△川辺 駿(広島)★
◎=レギュラー候補 〇=有力 △=バックアッパー
★=A代表初招集
最も株を上げたのは、今冬に川崎からポルトガルのサンタ・クララへ移籍した守田だ。2試合ともに遠藤と中盤の強度を引き上げ、モンゴル戦では代表初ゴールをマーク。一躍、レギュラー候補に名乗りをあげた。もっとも、期待通りの高いパフォーマンスを示した遠藤が今後も軸となれば、3月シリーズは“お休み”だった柴崎岳(レガネス/スペイン)、橋本拳人(ロストフ/ロシア)、U-24代表の板倉滉(フローニンヘン/オランダ)、田中碧(川崎)、中山雄太(ズウォーレ/オランダ※左SBでも起用)らを含めたレギュラー争いは非常に熾烈だ。指揮官にとっては嬉しい悩みと言えるだろう。
さらに29歳でA代表デビューを果たした稲垣はモンゴル戦で2ゴールを奪う活躍。確かな守備力を備えた選手だけに、名古屋での好調ぶりを持続できれば、引き続きの招集も十分にあるだろう。一方で韓国戦の試合終盤にこちらもデビューを果たした川辺はさらなるアピールが必要か。
【サイドハーフ】
◎伊東純也(ヘンク/ベルギー)
◎南野拓実(リバプール/イングランド)
〇古橋亨梧(神戸)
△脇坂泰斗(川崎)★
◎=レギュラー候補 〇=有力 △=バックアッパー
★=A代表初招集
3月シリーズでは南野を左サイドハーフ、鎌田をセカンドトップに置く形を採用。南野は中央に寄りながら鎌田と“ダブル司令塔”のような形で攻撃を牽引。右サイドでは伊東が持ち前のスピードで推進力をもたらし、守備でも貢献。ふたりが序列の最上位に立つ。
モンゴル戦に途中出場(韓国戦も途中出場)して2ゴールを上げた古橋は、ジョーカーのような立ち位置で、評価を高めている印象。追加招集の脇坂も代表デビューを果たした。
ちなみに中盤2列目は、セカンドトップを含めて人材は豊富。3月シリーズではU-24代表に回った久保建英(ヘタフェ/スペイン)、堂安律(ビーレフェルト/ドイツ※不参加に)、三好康児(ロイヤル・アントワープ/ベルギー)、三笘薫(川崎)らを含めて、アピール合戦は続きそうだ。
【セカンドトップ】
◎鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)
〇江坂 任(柏)★
◎=レギュラー候補 〇=有力 △=バックアッパー
★=A代表初招集
南野が務めることの多かったセカンドトップで、序列を一気に押し上げているのが鎌田である。先発した韓国戦、モンゴル戦でともにゴールをあげ、今後もチームの軸を担いそうだ。韓国戦で代表デビューし、“らしさ”を発揮した江坂は柏でのアピール次第か。
ちなみに森保監督は、モンゴル戦の後半には2列目を厚くする、4-3-3(4-1-4-1)をテスト。南野と鎌田を中盤の中央で並べたが、前述したようにタレントは豊富なだけに、これから様々な組み合わせが試されそうだ。
【CF】
◎大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)
△浅野拓磨(パルチザン/セルビア)
◎=レギュラー候補 〇=有力 △=バックアッパー
ブレーメンでは苦戦を強いられている大迫は、改めて日本代表では不動のCFであることを証明。逆に解消は難しいが、“大迫依存症”は続く課題となっている。スピードに長けた浅野はどちらかといえばウイング向きで、大迫の負担をより軽減できる人材を探す必要がある。
鈴木武蔵(ベールスホット/ベルギー)らを引き続きテストすることになるだろう。
文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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