清水が獲得したのは“試合を決めるサイドバック” 筑波大DF山原怜音が関東大学リーグ開幕戦で鮮烈弾!

清水が獲得したのは“試合を決めるサイドバック” 筑波大DF山原怜音が関東大学リーグ開幕戦で鮮烈弾!

関東大学リーグ開幕戦の順天堂大戦で先制ゴールを挙げた筑波大の山原。来季の清水入団が内定している。写真:安藤隆人



 やはり存在感は際立っていた。

 関東大学サッカーリーグ1部開幕戦・筑波大vs順天堂大の一戦で、3月23日に来季からの清水エスパルス加入内定が発表された筑波大のDF山原怜音が躍動した。

 山原の特徴は左右どちらのサイドでも問題なくスムーズにプレーできる点にある。正確な足下の技術とキックの精度、そして抜群のアジリティーを誇り、カットインからのシュート、縦への仕掛けからのクロスと多彩なプレーの選択肢を持つ高性能サイドアタッカーだ。

 サイドバックとサイドハーフ、どちらも高いレベルでこなす筑波大のキャプテンは、J1内定選手として臨んだ開幕戦で、左サイドバックとしてその持ち味を存分に発揮した。

 19分、山原が左サイドでボールを受けると、相手のサイドハーフとサイドバックがプレスを掛けにきた。その瞬間、2人の背後のスペースが空いているのを確認すると、やや中央寄りにサポートにきたMF加藤匠人に間を通すマイナスのパスを通し、そのままボールの軌道と同じように2人の間に割って入って飛び出した。

「僕のサイドにいる相手CBが自分よりちょっと前にいたので、(振り切った)サイドバックとの間にできたスペースに走り込めばオフサイドにならないと思った」と、トップスピードでドライブしながらラインブレイクを試みると、そこに加藤から正確なリターンパスが届いた。

 トップスピードを落とさずに巧みなファーストタッチで相手CBに向かって行きながら揺さぶりにかかると、「飛び込んでこなかったから、そのままカットインしてシュートを狙った」と、右アウトで中に持ち出してからインフロントでボールを擦り上げるように右足一閃。ボールは鮮やかな弧を描いてゴール左隅に突き刺さった。

 このゴールで勢いに乗ったチームは39分にFW和田育が加点。44分には再び山原が魅せた。鋭い攻守の切り替えから左サイドに展開されたボールに抜け出すと、トップスピードで走りながらも顔を上げて中の状況を確認。必死で戻る順天堂大の守備陣形と、間のスペースに飛び込もうとしていた和田の姿を見逃さず、間髪入れずに右インフロントで擦り上げるキックで高速クロスを中央に送り込む。完全にフリーとなっていたFW和田へドンピシャのクロスだったが、和田のヘッドは枠の外。3点目とはいかなかったが、恐ろしいまでのキックの精度をまたしても見せつけた。

 後半、1点を追加し3-0とするが、ここから順天堂大の反撃を受け、1点差まで迫られた。山原も守備の時間が長くなり、前半のようなテンポの良い攻撃は繰り出せなかったが、キャプテンとして全体に声をかけ、同点ゴールは許さず。チームを開幕戦勝利に導いた。
 

「開幕戦だったので本当に勝利が必要だった。絶対に勝つという意思がみんな強かったので、先制点をとって流れを持ってきたいという思いがありました」

 試合後、キャプテンとしてこの試合に懸ける思いを口にすると、「ボールを出してもう一度動くという得意なプレーがゴールにつながったのはよかった」と自身のプレーを振り返った。

 3月上旬に行われたデンソーカップチャレンジ大会では関東Aの主軸としてプレー。4試合中、決勝を含めた3試合でゴールを挙げ、優勝と大会MVPに選ばれた。ここでも右サイドからカットインを仕掛け、ニアサイドにライナーで突き刺さる豪快なゴールを見せていた。

「左サイドであればカットインから今日決めたように、右足でカーブをかけてファーに流すシュート。右サイドだったらデンチャレで決めたように左足でライナーのシュートと、どちらも苦手を持たないようにトレーニングしてきました。先制点のシーンも、もし相手のCBが寄せてきていたら、シュートフェイントにして右足で逆に切り返してからの左足のシュートも選択肢にあった。今年はより自分がゴールに関わるプレーを多くして、試合を決める選手になることを目指しているので、それが結果につながっていると思います」

 その表情は自信に満ち溢れていた。スコアを直接的に動かすサイドバックとして、この1年でさらに成長し、中学・高校(JFAアカデミー福島U-15、U-18)の6年間を過ごした愛着のある静岡に戻ってプロのキャリアをスタートさせる。進化への明確な青写真を描く山原の躍動は、プロの舞台でも期待できそうだ。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 

関連記事(外部サイト)

×