選手権得点王の安斎ら早大1年生が台頭! ア式蹴球部創部100周年へ、彼らが持つ特別な想いとは?

選手権得点王の安斎ら早大1年生が台頭! ア式蹴球部創部100周年へ、彼らが持つ特別な想いとは?

早大の1年生アタッカー安斎。昨冬の高校選手権で得点王を獲得したヒーローが早くも大学サッカーで台頭している。写真:安藤隆人



 今、早稲田大の1年生が熱い。

「1年だからという感覚は持たないようにしています。試合に出させてもらっている以上、責任は大きいと思います」

 こう語るのは1月の高校選手権で得点王に輝いた安斎颯馬。初スタメンとなった関東大学サッカーリーグ1部・4節の立正大との一戦では、初ゴールをマーク。5節の流通経済大戦でも2試合連続スタメンを飾るなど、右サイドハーフとして存在感を放っている。

 1年生で最初のデビューを飾った左サイドハーフの光田脩人(名古屋グランパスU-18出身)は、鋭いドリブルと中央での関わりで攻撃のアクセントを加えるなど、安斎と共に早稲田大のキーマンとなっている。

 そして7節の国士舘大戦では光田、安斎の両ワイドだけでなく、鹿児島城西出身の長身GKヒル架依廉がゴールマウスに立ち、3人の1年生がスタメンに名を連ねた。試合はオープニングシュートを安斎が放ち、攻撃のスイッチを入れると、すかさず光田がドリブル突破から決定的なシーンを作り出した。ヒルも相手との1対1を冷静に制し、ピンチを防ぐなど、前半からルーキートリオが躍動。

 後半に入ってからも立ち上がり早々の相手のミドルをヒルが横っ飛びで弾くと、光田と安斎も交代するまで果敢な仕掛けを見せて、サイド攻撃を活性化させ続けた。試合は84分に1人退場者を出し、エースストライカー・加藤拓己のオーバーヘッドでのゴールがオフサイドで取り消されるなど、難しい展開となったが、スコアレスドローの勝点1を手にした。
 

「学年どうこうではなく、ピッチに立っている選手は競争の中でチャンスを掴んだ選手たち。安斎、光田など1年生や初めて出場するような選手たちが着実に練習の中で機運を自分たちで高めてくれたからこそ、怪我人などが出てきた中でしっかりと頭角を表わしてくれたと思います」

 チームを率いる外池大亮監督がこう語ったように、戦力として彼らが名乗りを挙げてきたことで、チーム内での新たなエネルギーが生み出されていることを強調した。その一方で今年の1年生にはモチベーションをより高めるような、運命的とも言える巡り合わせがあったことも、外池監督は明かしてくれた。

「彼らが4年生になった時に、早稲田大学ア式蹴球部が創部100周年を迎えるんです。我々ア式サッカー部の重要な年に向けて、ちょうど学生主体で様々な取り組みも行おうとしているのもあり、1年生は特別な思いを持っているんです」

 100周年に向けての機運を高めるためには、『メモリアル世代』となった1年生が部全体を活性化させていかないと、2024年に大きな花を添えることはできない。その自覚が彼らの中に芽吹いていた。デビュー戦をクリーンシートで飾ったGKヒルはこう語った。

「練習から常に主体性を持ってやらないといけないと思っています。プラスの刺激というエネルギーをチームにもたらすには、1年生がどんどん上に食い込んでいくことだと思っているので、1年生だからではなく、チームに貢献するという強い思いを持って取り組まないといけないと思っています。100周年に向けて、僕らが盛り上げていかないといけないという使命感はあります」

 もちろん1年生だけではない。清水エスパルス入りが内定している加藤ら4年生、大宮アルディージャ入りが内定しているCB鈴木俊也、プロ注目のMF西堂久俊ら3年生、そしてボランチとしてメキメキと力をつけてきた植村洋斗ら2年生が個性を発揮しつつ、組織の中で役割を全うしているからこそ、今の早稲田大のサッカーがある。彼らも100周年へ向けた重要な主役たちであることに変わりはない。
 
 そうした前提があるからこそ、1年生の前向きなエネルギーが生まれるし、「僕らが1年生を支えることを考えているけど、それ以上に頼もしい存在ですね」と加藤が語ったように、頼もしいキャラクターが1年生に揃っていることも間違いない。

 今の早稲田大には未来に向けた相乗効果が、1つのエネルギーとして膨らんでいこうとしている。そして、それはメモリアルに向けての花道として、全学年の手によって力強く描かれていく。1年生が最高の仕上げの担い手となって。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 

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