【セルジオ越後】キルギス戦よりEUROを見たほうが面白いよ。ハットのオナイウもアピールできたと勘違いしてはいけない

【セルジオ越後】キルギス戦よりEUROを見たほうが面白いよ。ハットのオナイウもアピールできたと勘違いしてはいけない

キルギス戦に先発したオナイウ。前半のうちにハットトリックを達成した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)



 ワールドカップ・アジア2次予選のキルギス戦で、日本は5−1で勝利したね。大量得点で失点も少ない。2次予選最後のゲームも当たり前の結果だった。

 オナイウはハットトリックを決めたけど、大迫はミャンマー戦で5点を取っていて、南野も毎試合ゴールを奪っているわけで、そもそも2次予選の相手が低レベル過ぎるんだ。そんなゲームで3得点しても、手放しでは褒められないよ。

 1点目のPK獲得につながるまでのシーン、そして2、3点目は、どれも敵陣深くまで攻め込んでクロスを上げ、それにオナイウが合わせた。1点目は相手がハンドして得たPKを自ら決め、2、3点目は放ったシュートがそのままゴール。どの場面を見ても、相手はディフェンスの枚数が揃っているのにマークが緩い。要するに、キルギスはベタ引きしても守り切れない程度のレベルなんだ。

 キルギス戦では、2点目をアシストした川辺や3点目を演出した小川、セットプレーからゴールを奪った佐々木など、多くの国内組が結果を残した。でも、そりゃあ2次予選の試合に出場すれば、相手が弱いからみんな良く見えるよ。アピールできたと勘違いしてはいけない。
 
 もし、このまま最終予選にすぐ入るんだったら、6月シリーズの活動は有意義になったかもしれないけど、そうじゃないからね。国内組はこれからJリーグの過密日程をこなすなかで調子を落としてしまえば、キルギス戦で結果を残したとしても、もう代表に呼ばれななくなる可能性もあるかもしれない。

 6月シリーズはいろんな選手を試したけど、底上げできたとは思えないね。最終予選に向けて、2次予選で万全な準備をできたとも考えないほうがいいよ。弱小国に大差をつけているのは日本だけじゃない。

 まあ、選手はそれでも一生懸命やっているから非はないよ。毎試合、大差がついているのが必死にプレーしているなによりの証拠だ。何度も指摘しているけど、問題なのはこの予選システムだよ。いつまで力の差の大きい試合を組んでいるのか。

 ちょうど今、ヨーロッパではEUROが行なわれているよね。日本対キルギスよりも、強国同士が真剣勝負でしのぎを削っているゲームを見たほうがよっぽど面白いよ。テレビ局は低レベルなキルギス戦でずいぶん煽った演出をしていたけど、本物のサッカー・ファンはみんな分かっているだろう。お金を払ってでも『WOWOW』を観たほうがいいって。あとは、『ABEMA』でコパ・アメリカでもいいかもしれないね。

 低レベルな2次予選を戦わないといけなかったのは、選手たちが本当に可哀想だったね。だからこそ、せめてキリンチャレンジカップでは良い相手と試合を組んでほしかったな。明らかにベストメンバーじゃないセルビアと対戦するよりかは、例えばJリーグ外国人選手選抜とマッチメイクするとかさ。セルビアに払ったギャラを日本にいる助っ人に与えれば、みんな大喜びして頑張るんじゃないかな。実現可能性はさておき、日本代表の強化のために、そういう知恵も絞ってもらいたいね。

構成●サッカーダイジェスト編集部

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