【日本代表&U-24代表の6月シリーズMVPは?】激戦模様の2列目で最も外し難い存在。古橋の奮戦も光ったが…

【日本代表&U-24代表の6月シリーズMVPは?】激戦模様の2列目で最も外し難い存在。古橋の奮戦も光ったが…

6月シリーズでは攻撃陣の活躍ばかりが目立つ形となった。写真提供:JFA



 直接対決ではフル代表がU-24を圧倒したが、むしろ6月シリーズで充実ぶりをアピールできたのは東京五輪候補の方だった。

 U-24代表は、フル代表戦の2日後に行なわれたガーナ戦からオーバーエイジ(OA)3人が加わり安定度が一変したので、もし両代表がベストメンバー同士で再戦したら結果は逆になっていたかもしれない。U-24代表がガーナ、ジャマイカとの連戦で、常に主導権を握り攻め続けられたのは、遠藤航がことごとく相手の攻撃の芽を摘み取っていたからだ。もちろんその大前提として、前線の選手たちとの共同作業があるわけだが、相手の起点を潰しに行く判断のけれん味のなさ、圧力、スピードがケタ違いだった。かつてブンデスリーガで日本人としては初めてプレーをした奥寺康彦氏が帰国して日本で復帰した時に、当時古河電工(現ジェフ千葉)のチームメイトだった前田秀樹氏が「あまりの寄せの速さに驚いた」そうだが、そのブンデスリーガでデュエル勝利数がナンバーワンの遠藤は、さすがに別格だった。
 
 U-24代表には国際経験も豊富なOAが加わり、3人とも重責を噛みしめながらしっかりと違いを見せた。一方で最終選考がかかるアタッカー陣は、現時点でスタメン候補と予想される堂安律、久保建英、三笘薫、上田綺世らを中心に活発なアピール合戦を繰り広げた。それぞれが局面では見せ場を作ったわけだが、結局出場時間やチームへの貢献度を考えれば、一貫してピッチ中央の指定席でタクトを振り続け、ジャマイカ戦では見事なゴールも決めた遠藤の活躍が突出していた。
 

 一方フル代表は、ミャンマー戦で最終予選への進出を決めると、タジキスタン、キルギスとの2試合はバックアップ候補を中心に出場機会を与えたので選考が難しかった。2試合から収穫を探るなら、オナイウ阿道、坂元達裕、山根視来らも浮かぶが、やはり森保一監督が現状のベスト布陣を選択した3戦(対ミャンマー、U-24代表、セルビア)を重視した。
 
 最近の鎌田大地は、ピッチ中央で確実にボールを引き出し、ミスなく余裕を持って攻撃にアクセントをつけ、完全にチームに不可欠のピースとして定着している。五輪候補も含めて2列目は激戦模様だが、今では最も外し難い存在になっている。逆にどの試合も対戦相手とは明白な力の差があったので、攻撃陣からしか選び難かったという事情もある。伊東純也のアグレッシブな仕掛けや、攻撃全てのポジションをこなすことになった古橋亨梧の奮戦も光ったが、骨格部分で安定と変化をもたらした鎌田が上回った。

文●加部 究(スポーツライター)

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