メキシコに“巨大なストレス”を与えた遠藤。デュエル王の貫禄を見せつけた【東京五輪/編集長コラム】

メキシコに“巨大なストレス”を与えた遠藤。デュエル王の貫禄を見せつけた【東京五輪/編集長コラム】

ボランチの遠藤は攻守において抜群の存在感を示した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)



 どこか消化不良だった南アフリカ戦とは打って変わり、メキシコ戦の日本は心を打つパフォーマンスを披露した。6分に堂安のお膳立てから久保が幸先よく先制点を奪うと、続く11分には堂安がPKを沈める。ダブルエースの活躍で2点を先取したあとも浮足立つことなく、前半を2−0で終えた。

 その前半で素晴らしかったのは組織的な守備。メキシコにボールを握られても日本が危なげなく映ったのは、連動したディフェンスが機能していたからだろう。忘れてはならないのが、CF林の献身。このアタッカーがサボらずプレッシャーをかけることで、相手の攻撃がスローダウン。これで味方も守りの的を絞りやすくなった。加えて、自陣深くまで戻って敵を潰すシーンも一度や二度ではなく、改めて存在感を示した。

 一方で林は攻撃の局面で裏のスペースをよく狙っており、それがメキシコのリズムを狂わす一因になっていた。

 また、その林をサポートする形で遠藤とボランチコンビがピンチの芽を首尾よく摘んでいた。特に遠藤は対人の強さとポジショニングの上手さを見せつけ、メキシコに“巨大なストレス”を与えていた。いくら当たられてもびくともしないあたりは、さすがブンデスリーガのデュエル王。「来るなら来いよ」という余裕さえ窺える、堂々たる働きぶりだった。

 
 後半に入っても、日本は集中していた。メキシコに窮屈な試合をさせたのは、各人が集中を切らさず粘り強い守備を実践したからだろう。メキシコの10番・ライネスに仕事らしい仕事をさせなかった中山も勝利の立役者のひとりだったことを、強調しておく。

 メキシコにやや押し込まれながらも大半の時間帯でペースを握っていたのは日本。それが、この日の試合展開だった。そうなった最大の要因は、メキシコの強みである中盤をあまり機能させなかったこと。その点で、遠藤、田中のボランチコンビ、両サイドを封じた酒井、中山の仕事ぶりは称賛に値した。

 終盤に1点を返されて最後は少しドタバタしたが、それでも上々の出来だろう。メキシコを破った日本が真のメダル候補に浮上した試合でもあった。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)

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