灼熱の地ドーハでの中国戦、ボランチの組み合わせは? 疲労困憊の遠藤航の起用継続は是か非か?

灼熱の地ドーハでの中国戦、ボランチの組み合わせは? 疲労困憊の遠藤航の起用継続は是か非か?

日本代表のボランチ陣。写真は左上から時計回りに、遠藤、柴崎、中山、守田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)



 2日の2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選・オマーン戦(大阪・吹田)での屈辱的敗戦を経て、日本代表は中立地・ドーハへ移動。7日の中国戦に向けて再びギアを入れ直そうとしている。

 最高気温40度超の灼熱の地での適応を急ぐ彼らは、試合直後の深夜便で移動。3日の朝8時に現地入りしたものの、新型コロナウイルスの検査結果が出るまでに想像以上の待機を強いられた。全員の陰性が証明されたのは21時半。20時開始予定だった練習をキャンセルせざるを得なくなり、各自ホテルのジムで調整するにとどまった。

 いきなり出鼻をくじかれた格好だが、異国に赴けばこういうこともあり得る。アクシデントにめげず、貪欲に勝点3を取りに行くしかないだろう。
 
 そんな中、朗報と言えるのは、オマーン戦を回避した冨安健洋(アーセナル)と守田英正(サンタ・クララ)が先乗りし、フィジカルを整えていること。欧州と中東は時差がほとんどなく、試合をしていない分、疲労が蓄積していない状態だ。前回はコンディションの差がダイレクトに出たため、次戦は状態のいい選手を積極的に起用しなければならない。彼らは有力なスタメン候補と言っていい。

 とりわけ、守田の方は手薄になっているボランチ陣に厚みを加える存在だ。板倉滉(シャルケ)が負傷離脱した今、使える本職の人材はオマーン戦に出場した遠藤航(シュツットガルト)と柴崎岳(レガネス)だけ。中山雄太(ズウォーレ)も所属クラブではアンカーを務めているものの、代表では左サイドバック(SB)兼任と位置づけられている。となれば、やはり今回は守田が遠藤か柴崎と組む可能性が高い。

 3・6月の代表シリーズの経験値を踏まえると、守田と遠藤という組み合わせがベターではあるが、とにかく遠藤航の疲れが気になる。「そこは言い訳にできないので、やるしかない」と本人はオマーン戦後にも語っていたが、動きの重さは明らか。7〜8月に中2日ペースで超過密日程の東京五輪6試合を戦い抜き、休むことなくドイツへ戻り、シュツットガルトでキャプテンを務めているのだから、疲労困憊なのは当たり前だ。

「重要な初戦を落とした今、チームの中核である遠藤を外せない」と手堅い起用をモットーとする森保一監督は考えるだろうが、今一度、冷静に状態を見極めるべきだ。

【PHOTO】W杯アジア最終予選オマーン、中国戦に臨む日本代表招集メンバー24人
 柴崎が2020年11月以降、代表活動に参加していなかったため、守田との連係は未知数な部分も多い。そこは懸念される部分だが、2018年ロシアW杯で長谷部誠(フランクフルト)とのコンビネーションを短期間で築き上げた柴崎の適応力と統率力は目を見張るものがある。今回もピッチ上で練習できるのは3日しかないが、お互いに声を掛け合いながら距離感やポジショニングを修正していけるのではないか。
 
 守田の方もオマーン戦の2人の関係性をチェックして、自分なりに問題点を整理したという。

「前に絡んでいくのが少なかったというのと、相手が真ん中を閉めてくる中、90分間、そこまで舵を取る役割は担えていなかったのかなと。守備でもフィルターをかけるような役割が本来の2人ほどできていなかった」というのが彼の見解。だからこそ、自分がピッチに立った時にはチーム全体で同じ絵を描けるようなアクションを起こしていく構えだ。

「自分が入ったら、まず立ち位置の修正という部分で必ず声をかけていきたいと思っている。オマーン戦はボランチの位置が重かったり、横並びになりすぎた部分があったので、相手をかき乱する動きとかタテ関係、斜めのようなポジショニングを取ることが必要になってくるんじゃないかと思います」

 守田がこう強調するように、「遠藤・守田」「柴崎・守田」「遠藤・柴崎」のいずれのコンビで挑んだとしても、敵をかく乱し、攻撃のスイッチを入れられるようなパス出しや展開を見せていく必要がある。中国はオマーンほどではないにせよ、日本の前線アタッカー陣にタイトなマークをつけてくるはず。それをかいくぐらなければ、ゴールを奪うのは難しい。オマーン戦で色濃く感じられた攻撃の停滞感を打破するためにも、今回はフレッシュなボランチコンビで中国に挑み、中盤を制圧して相手にプレッシャーをかけていくことが肝要だ。

 今後も遠藤が代表ボランチの軸であり続けるのは間違いないだろうが、彼がシュツットガルトで重責を担っている部分、心身両面の負担は非常に大きい。10月以降の代表シリーズでつねに理想的な状態でいられる保証はないし、ケガをしないとも限らないのだ。
 
 すでに酒井宏樹(浦和)が代表から離脱し、しばらく休養することが明らかになっているが、超過密日程が続けばどんな選手でも何らかの壁にぶつかる。遠藤にもアクシデントが起きないように、森保監督も今のうちから対策を考えておくべきだ。
 
 仮に今回の中国戦で柴崎・守田の新コンビが機能し、チームも勝利を収められれば、戦い方のバリエーションが広がるし、より柔軟なメンバー起用も可能になる。さらに言えば、オマーン戦前に離脱した板倉、クラブとの話し合いで招集見送りになった東京五輪世代の田中碧(デュッセルドルフ)ら若い世代の融合も進みやすくなるだろう。

 そういった前向きな方向に進むように、まずはボランチ陣の状態と組み合わせ、中国戦に勝てる陣容は何なのかを指揮官に今一度、熟慮してもらうところから始めてほしいものだ。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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