【セルジオ越後】川崎もバルサも必然の結果。サッカーの基本は出ていくだけなら弱くなるということ

【セルジオ越後】川崎もバルサも必然の結果。サッカーの基本は出ていくだけなら弱くなるということ

川崎は0-0からのPK戦の末に、昨季王者の蔚山現代に敗れた。多数の主軸の離脱が痛かった。(C) Getty Images



 アジア・チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦が行なわれ、日本勢の3チームはいずれも韓国勢と対戦したが、準々決勝に勝ち上がったのは名古屋グランパス1チームのみ。川崎フロンターレとセレッソ大阪は残念ながら、16強敗退となってしまった。

【動画】家長、シミッチのお膳立てから知念が決定的なヘディングシュート!
 まず勝ち上がった名古屋は、ハットトリックを達成したシュヴィルツォク様様だったね。もちろん、コンビネーションの良さも見えたけど、フィニッシュの決定力には、やはり日本人選手にはないものがある。対戦した大邱FCも警戒していただろうが、初めて目にする相手では対応も難しかったはず。名古屋は大きな武器を手に入れたよ。ただ、これで中東クラブの“リスト”にも入っただろうね。

 蔚山現代にPK戦の末に敗れた川崎と浦項に0-1で負けたセレッソは、韓国の上位陣を相手に、先手先手を取られる試合展開で、自分たちのペースに持ち込めなかった印象だ。特にセレッソはリーグでも低迷している現状が試合に表われていて、解説の播戸もずっと厳しい指摘をしていたね。清武の離脱も大きいし、乾が加わったけど、ポジション的にも今のチーム状況を救うための決め手にはなっていない。ちょっと相手との差を感じたね。

 一方で川崎は三笘と田中の五輪代表ふたりが海外移籍、さらに守備の大黒柱の谷口のほかに、大島や旗手まで負傷離脱してしまった。これだけ主力選手が抜けてしまったら、どんなに強いチームだって、弱体化してしまうよ。蔚山戦に限らず、最近の川崎は以前ほどの得点力がなくなっているし、主力離脱の影響が大きく出てしまっている。ちょっとタイミングの悪い時期に韓国の上位チームと当たってしまったね。

 もちろん、三笘や田中が海外移籍してしまうのは想定できていたこと。チーム内でも最高のパフォーマンスを見せていたふたりが欠けてしまうんだ。本来なら夏に大胆な補強をすべきだったとは思うけど動かなかった。年間予算に縛られているJクラブのことだ。財政上の理由もあったと思うね。

 結局、サッカー界の基本的な仕組みは選手が出ていくだけなら、弱くなるということ。強いチームには選手が集まるし、選手もまた行きたがるんだ。バルセロナがいいたとえだよ。この数年でネイマール、スアレスが抜け、最大のスターであるメッシまで抜けて、CLの開幕戦ではホームでバイエルンに惨敗。必然の結果だね。チーム作りの基本はJリーグだろうと、海外クラブだろうと同じことだよ。
 

 離脱者の話の流れで言わせてもらうと、気になるのが日本代表なんだ。アジア最終予選は不安が増すようなスタートになってしまったけど、やはり先の2試合も様々な事情で離脱者が出てベストメンバーを組めないまま臨まざるを得なかった。これは海外移籍が増えた日本にとって、大きな課題だよ。
 
 移籍が目前に迫っていた冨安や、所属チームの試合から移動が間に合わなかった守田のようなケースで合流できないなんてことは、今後も起きうるだろうね。それとともに、やはり気を付けなければいけないのは、ヨーロッパと日本の長距離移動に伴うコンディションの維持だよ。

 かつての日本代表選手も本当に時差には悩まされてきたけど、時差ぼけは寝不足を引き起こすし、そうなると筋肉系のトラブルが起きやすい。詳しい症状は分からないけど、今回も南野や板倉が初戦のオマーン戦前に離脱し、五輪でもフル稼働してきた酒井、遠藤も疲労によるコンディションの不安が伝えられ、酒井は中国戦を前に離脱している。試合中に負傷してしまった古橋も、序盤戦は絶好調だっただけに今後が心配だ。

 海外組が増えることで、コンディションの問題は常に浮上してくるし、「今回は誰がいない? 誰が使えない?」という状況を毎回想定しなければいけない。そうなると、もはやメンバーを固定して戦うのはあまりにリスクが大きい。

 相手によっては国内組を使うことが代表全体のレベルアップに繋がるだろうし、交代枠が5人あるなら、それをもっと有効に活用する起用法や戦術があってもいいんじゃないか。選手の身体を守るためにも、柔軟に考えていかないとね。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

関連記事(外部サイト)