特大のポテンシャル!ガーナにルーツを持つ189cmの中3FWに、U-15日本代表・廣山監督も期待大!

特大のポテンシャル!ガーナにルーツを持つ189cmの中3FWに、U-15日本代表・廣山監督も期待大!

U-15代表候補合宿で鹿島ユースから2得点を挙げた磯崎。写真:松尾祐希



 早い段階から注目され、その後も成長を遂げてステップアップしたタレントは少なくない。15歳でJリーグデビューを果たした久保建英(マジョルカ)もそのひとりで、中学時代から大人に近いメンタリティを持って成長を続けていった。一方で期待に応えられず、ひっそりと消えていく選手も少なくない。とりわけ子どもと大人の狭間にいる中学校3年生は多感な時期を過ごしており、心も身体もまだまだ未成熟。大成するか否かは本人の自覚に加え、周囲の大人がどう関わっていくかも重要になってくる。
 
 現時点でどんなキャリアを歩んでいくかは分からない。しかし、持っているポテンシャルは一級品。中3の時点で189cmのサイズを持っているとなれば、期待せずにはいられない。大宮アルディージャU15の磯崎麻玖がU-15日本代表候補合宿で示した可能性は無限大だった。

 9月26日から福島県のJヴィレッジで行なわれた活動に参加すると、28日の鹿島ユースとのトレーニングマッチ(35分×3本)では2ゴール。「途中出場の中で2得点に絡めたので、自分としては良いプレーができたと思う。だけど、守備や攻撃の場面でアクションが少なかったので、まだまだできる場面が昨日の試合ではあった」と、結果に満足しつつも課題を口にしていた。

 その中で迎えた合宿最終日に実施された仙台育英高との練習試合(35分×3本)。2本目から2トップの一角で出場した磯崎はサイズを生かしたボールキープと、推進力を生かした背後への抜け出しで存在感を発揮する。同学年の選手たちと比べれば、サイズは一目瞭然で、大人と子ども。長い手足をうまく使って相手にボールを触れさせず、大きなストライドを生かした裏抜けも簡単には止められない。32分にはMF佐藤龍之介(FC東京U-15むさし)のパスを右サイドで受けて単独で突破。力強いドリブルで相手を置き去りにすると、ゴール前に走り込んだ佐藤にリターンパスを出してゴールをアシストした。

 また、磯崎は大柄な選手によくありがちな足下の技術がないタイプではなく、足裏を使ったパスやヒールパスなどの小技も持ち合わせている。本人は「テクニシャンのタイプではない」と謙遜するが、意外性のあるキックでチャンスメイクの役割もこなして、再三にわたり相手の裏を突いた。

 しかし、攻撃センスを発揮した一方で、課題も見られた。ゴール前の精度や状況判断は改善の余地があり、守備の意識もまだまだ不足している。そして、90分間走り続けるための運動量や189cmのボディに見合うフィジカルも身に付ける必要があり、やるべきことは多い。
 


 ただし、課題を素直に受け止めて、取り組めるのは磯崎の強みでもある。今合宿の冒頭に行なわれたミーティングでは0-1で敗戦した東京五輪・準決勝のスペイン戦を踏まえ、「ゴール前の常識を変える」ための話があった。そこで磯崎も現実を直視。シュート精度を改善するために、自分の考えを再度整理した。
 
「スペインはワンチャンスを決めて勝利し、日本は逆に決められずに負けた。そこは個人としても心に残っている。なので、スペインのアセンシオのようにワンチャンスを決めて、チームを勝たせる選手になりたい」

 今回の活動中も、PA内のシュート精度を高めるためにコーチに教えを乞うた。特に助言を求めたのが相手GKとの1対1。駆け引きをするプレーが苦手だったため、「自分の気持ちを持って四隅に打ち込むことが大事」というアドバイスをもらったという。そうした取り組みが鹿島戦のゴールに繋がったという。

 兄は山梨学院高、弟は昌平の下部組織であるFCラヴィーダでプレーするなど、サッカー一家で育った磯崎。ガーナにルーツを持つストライカーは今後どのようなキャリアを歩んでいくのか。U-15日本代表の廣山望監督も磯崎の成長を楽しみにしている。

「PKを決めたところも含めて、ゴールを奪うプレーは彼の武器。前回合宿でも紅白戦でも得点を取りましたし、ひとつ上のU-16代表候補合宿でもゴールを奪いました。ひとつ上の代表に呼んだ時も含め、いずれの代表活動でも課題が見えた。それは本人にも言っていて、周りのスタッフからも『もっと良くなってほしい』という声が出ていました。ただ、(今回の合宿で)結果を出せた点は自信にしてほしい。今後も結果を出し続けて、自信を深めて自分の力でさらに変わってもらいたいですね」

 周囲の期待に応えるためにも、所属クラブでの取り組み方が重要だ。今回の合宿で得た自信と課題を自身に還元し、努力を継続していけば日本を牽引するストライカーになる可能性は十分にある。大宮で努力を積み重ね、再来年のU-17ワールドカップはもちろん、2028年のロサンゼルス五輪、2030年のワールドカップで得点源として活躍したとしても不思議ではない。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)
 

関連記事(外部サイト)