柴崎のバックパスが試合をぶち壊したというよりも…。サウジ戦の敗因は監督の采配にあるだろう【編集長コラム】

柴崎のバックパスが試合をぶち壊したというよりも…。サウジ戦の敗因は監督の采配にあるだろう【編集長コラム】

結果的にチームを勝利に導けなかった森保監督。この窮地を乗り越えることはできるのか。写真:JFA



[カタール・ワールドカップ・アジア最終予選]日本 0-1 サウジアラビア/10月7日/キングアブドゥラー スポーツシティスタジアム

 ワールドカップ最終予選で開幕2連勝のサウジアラビアからすれば、ここで日本を叩けばワールドカップ出場が現実的に見えてくるというシチュエーションでの試合。しかも、大観衆を味方につけてのホーム、当然ながらアグレッシブに攻めてくることが予想できた。

 9月の中国戦で活躍した久保を怪我で招集できず、伊東を出場停止で、堂安を負傷離脱で欠く日本は、こうしたキーマン不在で完全アウェーのサウジアラビア戦に臨んだ。オマーン戦の黒星も引きずってネガティブな印象を拭えない状態での一戦だったが、前半は悪くないゲーム内容だった。

 サウジアラビアにボールを握られる時間帯はあったものの、7分の柴崎のミドル、24分の南野のヘッド、29分の大迫のシュートとチャンスは作れた。締めるところはしっかりと締めて(ひとつ大きなピンチはあったが)、時折の鋭い攻撃で相手にプレッシャーをかける。細かいミスがあったとはいえ、そのあたりのイレギュラーは当たり前なのがサッカーというスポーツ。なにより結果的にゴールを与えなかったという点で、前半戦の日本はそれなりに良い戦いをした。
 

 しかし、後半は柴崎に嫌なミスが何回も見受けられた。危険な位置でのボールロストが増え、それが劣勢を招く一因になっているように映った。おそらく、失点する前から「なぜ柴崎を代えないんだ」とそう思った視聴者は少なくなかったはずだ。

 柴崎のところでボールを奪われると、きついのは守備陣だった。メンタル的にも体力的にも彼らが追い込まれてしまうような状況で、なぜ交代のカードを切らなかったか。後半に入って異変が出始めていた柴崎をそれでも引っ張った結果が、あの失点という見方はできるだろう。

 個人的には、失点につながった柴崎のバックパスが試合をぶち壊したというよりも、森保監督が試合の流れを掴んでいなかったと捉えていて、要するに敗因は監督の采配にあるだろうと考えている。

 疲労が濃くなる後半にどんなゲームマネジメントをするか、そこがサウジアラビア戦のポイントで、森保監督は結果を残せなかった。内容以上に結果が求められるシチュエーションで、黒星を突きつけられた現実をどう受け止めるか。

 オマーン戦然り、このサウジアラビア戦でも競り合ったゲームをモノにできない。今回のワールドカップ予選、3試合を終えて1勝2敗。これが今の実力で、日本は決して強くない。

 「予選敗退」の4文字がちらつき始めた状況で、どう選手の気持ちを切り替え、チームのモチベーションを高められるかが監督の仕事だが、今の日本代表にどこまでの希望が持てるだろうか。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)

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