【岩本輝雄】柴崎への手厳しい評価に違和感。失点につながるバックパスよりも目を向けるべきこと

【岩本輝雄】柴崎への手厳しい評価に違和感。失点につながるバックパスよりも目を向けるべきこと

失点に絡んだ柴崎(7番)。でも、試合の序盤には惜しいミドルもあった。(C)JFA



 最終予選を戦う日本は、3試合を終えて1勝2敗。オマーンとの初戦は0-1で敗れ、続く中国戦は1-0で勝利したけど、昨日のサウジアラビア戦は0-1の敗戦。まだ7試合、残っているとはいえ、かなり厳しい状況だと言える。

 サウジは思った以上に強かった。際立っていたのはスピード。日本の選手がうまく裏を取っても追いつかれてしまう。中盤のプレッシャーも強度が高く、組織立っていた。

 日本は思うようにボールを動かせず、組み立てもスムーズさを欠いていた。なんとかセンターラインを越えても、前線4人の距離感が今ひとつで、連動したアタックをなかなか繰り出せない。

 かなり研究されていたんだろうけど、かつてのアジアの戦いでは、日本は少なからず警戒される存在だった。相手は構えてくるというか。でも、現在はそうしたリスペクトがなくなりつつある。日本だろうが関係ない。ガンガン来る。アジア全体のレベルが高まっているなかで、日本は苦しんでいるようにも感じた。

 いろんなメディアが森保ジャパンを疑問視している。結果を出せていない以上、それも仕方のないことかもしれないけど、今回のサウジ戦に関して、最も違和感を覚えるのが、柴崎への手厳しい評価だ。
 
 実際、71分の失点シーンでは、柴崎のバックパスが吉田に渡らず、相手に奪われ、そのまま突破を許して決められた。痛恨のミスパスーーそんな風な見方もある。

 この場面で、個人的にまず思ったのは、柴崎のパスうんぬんよりも、最終ラインがかなり高いな、ということ。パスを受けようとする吉田には、サウジの選手が詰め寄ろうとしていた。だから、吉田はもう少し深いポジションを取って、なるべくリスクの少ない状況でパスをもらい、逆サイドの冨安に展開すればいいのに、と。

 これはもう想像でしかないけど、柴崎からすれば、あの位置で吉田がもらっても相手のプレスの餌食になるから、そうならないようなスペースに出したのではないか。もちろん、そこの意思疎通は絶対に必要ではあるんだけど。
 

 もっと言えば、柴崎自身がパスを受けた状況も気になる。右サイドでキープした酒井が中央の原口に横パスを入れる。原口はダイレクトで柴崎に落とす。そのパスはやや乱れて、柴崎が追うような恰好になる。なんとかタッチラインを割らずにボールを収めたけど、その間にサウジの選手が素早く寄せてくる。

 僕の中で引っかかったのは、原口はなぜ前を向かなかったのか、だ。最初からバックパスしか選択肢がなかったように見えた。あの場面で前を向くか、向かないかで、攻撃のスピード感はまるで違ってくる。後ろにひとつ下げれば、その分、相手の守備に余裕を与える。ゴールへと向かっていく迫力が、原口の持ち味でもあると思うから、その意味では少し残念ではあった。

 失点に絡んだ柴崎は、たしかにいつもよりボール逸だったり、テンポが遅いなと感じさせるプレーが目立った。それでも、チームのポゼッションで果たす役割は小さくなかったし、序盤には相手GKを慌てさせる見事なミドルシュートもあった。
 
 ゴールチャンスで言えば、24分の南野のヘディングシュートや、その5分後の大迫のGKとの1対1など、日本に決定機がなかったわけではない。特に大迫が確実に仕留めていれば、結果はまた違ったものになったかもしれない。

 好機をモノにしたのがサウジで、できなかったのが日本。痛い敗戦だったけど、日本がどうしようもないほど劣っていたわけではない。わずかな差でもあった。

 とにかく、次のオーストラリア戦だ。この時点で何かが決まったわけではない。意地を見せて、是が非でも勝点3を取ってほしい。

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