森保監督解任なら…後任候補はこの3人|スムーズな移行を考えれば、戦術の引き出しも多い大分指揮官か【記者の視点】

森保監督解任なら…後任候補はこの3人|スムーズな移行を考えれば、戦術の引き出しも多い大分指揮官か【記者の視点】

唐沢記者が挙げた後任候補3人。左から片野坂監督、長谷川監督、反町技術委員長。写真:田中研治、徳原隆元、金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)



 カタール・ワールドカップのアジア最終予選で、日本は3試合を終えて1勝2敗。厳しい状況にあるなかで、次節のホーム・オーストラリア戦で敗れるようなことがあれば、チームを率いる森保一監督の進退問題も本格化しそうな情勢だ。では、後任候補を挙げるとすれば誰になるのか。東京新聞の唐沢裕亮記者に、日本人監督路線を継承する前提で、3人をリストアップしてもらった。

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●片野坂知宏(現・大分トリニータ監督)

 ドラスチックな変化よりもスムーズな移行を考えるなら、片野坂監督が候補に挙がる。森保監督と同じく、広島のコーチとしてペトロヴィッチ監督に仕え、マイボールを大切にして後方からつなぐサッカーを志向する。

 広島を率いていた森保監督にもコーチとして師事した他、ガンバ大阪では当時の西野朗監督や長谷川健太監督を支えてタイトル獲得にも貢献した。いろいろなタイプの実績ある日本人監督の下で働いた経験があり、戦術の引き出しも多い。

 監督としても、J3に降格した大分を率いて1季目にリーグ優勝し、J2に復帰。さらに2季でJ1に昇格させた手腕は光る。戦力が限られる大分でしか監督経験がないが、ビッグネームぞろいの代表をどうまとめ上げられるかは楽しみでもある。

 試合中の印象は森保監督が「静」ならば、片野坂監督は「動」だ。テクニカルエリアから大きなアクションと声で選手に指示を与える。また、試合後会見などで質問に丁寧に答える姿からは誠実な人柄もうかがえ、選手たちとも厚い信頼関係が築けるはずだ。

●長谷川健太(現FC東京監督)

 結果のためには手段を選ばず思い切った策を講じ、相手によってシステムや戦い方を大胆に変える柔軟性がある。何より、ここ一番で博打が打てる「勝負師」でもある。

 G大阪監督時代の2014年には日本人で初めてJリーグ国内3冠を達成するなど実績は十分。今の代表のサッカーとの親和性は未知数だが、現状からの変化や、チームに刺激を与えるという意味ではアリだろう。

 選手との対話を大事にする熱血漢で、FC東京に復帰した長友佑都も「男気の固まり。厳しさの中にすごく温かさがある」と心酔するなどモチベーターとしての力もある。TV解説者の経験があり、サッカーを言葉で伝える「言語化能力」に加えて、ユーモアも持ち合わせる。

 日本協会の田嶋幸三会長は筑波大の先輩で、反町康治技術委員長も清水東高の先輩に当たる。それぞれ気心知れた間柄だけに声も掛けやすいのでは。
 
●反町康治(現・技術委員長)

 ワールドカップのロシア大会前に技術委員長から緊急登板した西野前監督と同じパターン。本来なら監督とともにチーム不振の責任を取る立場でもあるが、急場をしのぐためには選択肢に入る。

 何より最近では一番近くで森保監督を見てきた人でもある。チームの何を残し、何を変えていくべきかを最も分かっているはずだ。日本協会内の「人事異動」で済むため、動かしやすさもある。

 また国内外のサッカーに広く目を向ける分析家でありつつ、監督としては「固定観念に捉われないこと」をモットーとする。湘南監督時代にトップチームに引き上げた遠藤航は今や日本代表にとって不可欠な存在に成長。北京五輪代表を率いて、ともに戦った吉田麻也と長友は代表の軸となっている。もちろん彼らに限らず、選手たちの状況も十分把握している点も強みとなる。

取材・文●唐沢裕亮(東京新聞)

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