“勝利しか許されない”オーストラリア戦。森保ジャパンの三大必見ポイント【W杯最終予選】

“勝利しか許されない”オーストラリア戦。森保ジャパンの三大必見ポイント【W杯最終予選】

予選3試合を終えて1勝2敗の日本。ホームでのオーストラリア戦は是が非でも勝利を掴みたい。(C)JFA



2022カタール・ワールドカップ
アジア最終予選 第4節 日本代表×オーストラリア代表
10月12日(火)/19:10/埼玉スタジアム2002

 来年の本大会に向け、自動突破の条件となる予選グループの上位2枠に入ることを考えれば、ホームのオーストラリア戦は負けられないというより、勝利しか許されない。しかし、体格的な特長などが大きく違うとはいえ、オーストラリアもサウジアラビアと共通するのはボールを動かしながら位置的優位を取りに来ることは変わらない。

 技術面や強度、攻守の切り替えなどで完全に上回れない相手の場合、結局はそこで劣勢になると守備で後手を踏み、攻撃でも無理が生じてしまうというのは今後、相手のレベルが上がるほど強まっていくだろう。そういう意味でW杯の常連国であるオーストラリアは格好の試金石でもあるが、とにかく勝たないことには始まらない状況であるのも事実だ。

 多くの報道で、森保一監督の進退がかかる試合とも見られるオーストラリア戦に臨むにあたり、指揮官に求めたいのは変える決断を留まらないこと。それはシステム変更であったり、選手起用であったり、選手の中だけで解決できない領域のところだ。もちろんロジカルな理由なく何かを変えないといけないということではなく、オーストラリアに勝利するためのロジカルな理由ありきの話だ。
 
 本来4-2-3-1の中で相手との噛み合わせに応じたメカニズムを共有して、それこそ森保監督が就任時から掲げる“臨機応変”な戦い方をしていけるなら問題ないが、それができていない実情がある。そうであるなら対戦相手にハメやすい形や幅広く対応しやすいシステムに変更するのは有効だろう。

 例えば森保監督の代名詞でもあった3-4-2-1はよりピッチを幅広くカバーでき、必要なら5バック気味にして凌ぐこともできる。4バックでも3人のボランチを中盤に並べる4-3-3なら、ビルドアップで3枚で回すことが多い相手のバックラインに前線からプレッシャーをかけ、なおかつジャクソン・アーヴァイン、アルディン・フルスティッチ 、トーマス・ロギッチという中盤の三枚に対応しやすい。

 実際にハリルジャパンのベストゲームとして語り継がれる2017年のオーストラリア戦も山口蛍、長谷部誠、井手口陽介の3人で相手の中盤を封じ、そこから素早い攻撃につなげた。グラハム・アーノルド監督が率いる現在のオーストラリアも、当時アンジェ・ポステコグルーが率いたチームの基本スタイルを継承しており、抑えどころ、突きどころに共通するところがある点で参考になる。

【PHOTO】必勝のオーストラリア戦に向けて練習を実施した日本代表!
 

 打倒オーストラリアのポイントを3つに絞ると「グラウンダーのつなぎを狙う」「センターバックを外したクロス」「変化のあるセットプレー」が挙げられる。

「グラウンダーのつなぎを狙う」は、やはりポステコグルー時代を1つの転機にオーストラリアは高さや強さに頼らず、しっかりとボールをつないで攻めるスタイルにモデルチェンジしており、それが強みになっているが、逆に言うと多少流れが悪くてもそこにこだわってしまう傾向が見られる。

 立ち位置の取り方はいくつもあるが、ある程度、前からハメに行ってもあまりロングボールに逃げないので、高い位置で引っ掛けてショートカウンターを狙えるシーンがある。キープ力のあるトップ下のロギッチにボールが収まってしまうと、その場で奪うのは難しいが、その前のつなぎをうまくカットできれば、大迫勇也のポストプレーやサイドの選手が前向きにボールを持つシーンをうまく作れるだろう。ただ、そこからの切り替えはサウジアラビア以上に早いので、ファーストパスは迷いなく判断していく必要がある。

「センターバックを外したクロス」は、198センチのハリー・サウターと万能型のトレント・セインズバリーが主力を担うセンターバックの対人能力を逆利用してゴールを狙いたい。二人の守備範囲にクロスを上げると大迫やオナイウ阿道を持ってしても、競り勝つのは難しい。しかし、ちょうど彼らの守備を外したファーサイドに上げれば、左右のサイドバックがあまり中央のクロス対応を得意とするタイプではないので、ワイドなポイントからシュートを狙うシーンを作り出せるはずだ。

 もちろんサイドを深く抉ることができれば、マイナスのグラウンダークロスをセンターバックの手前に出して、そこに中盤の選手が走りこむ形から決定的なシュートチャンスを生み出すことは可能だろう。大事なのはそうした形に持っていく起点を作っていくことで、ショートカウンターが有効にはなるが、ビルドアップからも相手の守りが堅い中央を少し外したところに主な起点を見出していきたい。
 
「変化のあるセットプレー」というのは、やはりオーストラリアが高さに自信を持っているので、CKなどでシンプルにボールを上げてもかなり分が悪い。逆にショートコーナーはもちろんのこと、ペナルティエリアから少し外れたところから折り返して、誰かが飛び込んで合わせるなど、ちょっとした変化に対して守備のズレが生じやすい。

 その意味では吉田麻也や冨安健洋などターゲットになれる選手を外寄りに配置して、シンプルに上げる場合も、長身のサウターやロギッチとのまともなエアバトルにならないところでワンクッション入れて、落としたボールに飛び込んで合わせるような形でフィニッシュに行ければ、貴重なゴールを取れる可能性は高い。

 ここまでの3試合で1点しか取れていないだけに、どんな形でも先制点が欲しいが、オーストラリアも基本は勝点3を取りに来るはず。圧倒的にボールを握るような展開は望めないなかで、良い守備から効果的な攻撃につなげていくマインドは大事にしていきたい。

取材・文●河治良幸
 
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