オーストラリア戦で得た勝点3以上の収穫…中盤の3人は「天晴れ」【コラム】

オーストラリア戦で得た勝点3以上の収穫…中盤の3人は「天晴れ」【コラム】

インサイドハーフの一角で出場した守田。遠藤、田中とともに中盤を支えた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)



[カタール・ワールドカップ・アジア最終予選]日本 2-1 オーストラリア/10月12日/埼玉スタジアム2002

 3試合消化時点ですでに2敗を喫していた日本にとって、オーストラリア戦は、まさに“背水の陣”となった。

 8分に田中碧のゴールで先制した日本は、69分にFKを決められて一時は同点とされたものの、86分に浅野拓磨のシュートからオウンゴールが生まれて土壇場で逆転。苦しみながらも2-1でオーストラリアに勝利を収めた。

 もうあとがない一戦での勝点3は大きな収穫だったが、内容に目を向ければ、4-3-3システムに計算が立ったのは大きい。

 これまでの予選では4-2-3-1にこだわっていた森保一監督が、この重要な一戦でシステム変更に踏み切ったのだ。

 とりわけ素晴らしかったのは中盤の3枚。アンカーの遠藤航、インサイドハーフの守田英正と田中碧だ。
 
 お互いの立ち位置を把握しつつ、絶妙な距離感を保ち続け、攻守に躍動。ボールを奪えば、すかさず前方にボールを送りカウンターを発動させ、守備となれば鋭い寄せでボールホルダーを囲い込んだ。

 サウジアラビア戦で見られた縦一辺倒の攻撃にも変化が生まれ、流動的なパスワークが生まれていた。

 守田はこう語る。

「守備で奪ってから早い攻撃もできたし、無理にいかずに遅攻も選べた。後出しじゃんけんのような相手を見て判断してやめられるのが、全体的にできた。4-3-3で今までになかったシステムでしたけど、やりたいサッカーは表現できたし、観ていてワクワクしてもらえるようなサッカーができたんじゃないかなと」

 それも、ほぼ“ぶっつけ”の状態で合わせたのだから、天晴れだ。サウジアラビア戦後、リカバリーの日を除けば、わずか2日しかない準備期間で、3人は見事にこのシステムを機能させてみせたのだ。
 

 それもこの3人が個人戦術の高さと技術ゆえだろう。

 遠藤は言う。

「お互い3枚でやるのに対しては、距離を近くしてやろうと試合前からずっと話していました。それは結構良かったかなと。誰がどこのポジションを取っても同じようにやれるのは強みだったと思う。3人がお互いのポジションを見ながらポジションを変えるのは、かなり意識しながらやっていました。中盤3枚があれだけ距離感良く動かせると、周りの選手が生きてくると思うし、(南野)拓実も結構中に入ってきて、相手は中盤を掴みづらかったと思う」

 こうした3人の動きがチームを活性化させたのは間違いない。歴戦の左SB長友佑都も同じように実感している。
 
「守田、田中碧が入って中盤でタメができたり、ボールを持てる時間が増えた。そこで時間を作れるので僕自身が高い位置を取れたり、僕が高い位置を取ることによって中に入った南野がフリーになれたり、大迫(勇也)と近い距離感でプレーができた。すごくその部分は良かったと思います」

 そして、なによりこの新オプションを披露したことで、今後対戦する相手が対策を講じづらくなるのは間違いない。これこそが、勝点3以上の収穫と言える理由だ。これまで柔軟性が課題だった森保ジャパンではなおさら、オプションの存在が求められていた。

 もっとも吉田が言うように「まだ首の皮一枚つながっている状況」に変わりはなく、もちろん課題も多い。まだまだ気の抜けない試合は続きそうだ。

文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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