U-23アジアカップ予選に臨む日本の予想布陣は? J若手の精鋭たちと大学&高校サッカー界屈指のタレントが挑む

U-23アジアカップ予選に臨む日本の予想布陣は? J若手の精鋭たちと大学&高校サッカー界屈指のタレントが挑む

U-22日本代表の予想布陣。スタメンにはJリーグの若手精鋭と学生サッカー界屈指のタレントたちが名を連ねる。



 A代表と東京五輪世代の活動を除くと、アンダーカテゴリーの代表にとっては約2年ぶりの国際試合となる。

 来年6月にウズベキスタンで予定されているU-23アジアカップの出場権を懸け、U-22日本代表が予選に挑む。そのメンバーが19日に発表され、MF郷家友太(神戸)や松岡大起(鳥栖)など23名が選出された。
 
 福島県のJヴィレッジスタジアムで開催される今大会は3チームの総当たり方式で実施される。出場権を掴むためには、1位もしくは2位に入った上で全11グループのうち上位4チームに入らなければならない。

 日本は26日にカンボジア、28日に香港と対戦。Jリーグや天皇杯と並行して活動を行なうため、限られた準備期間の中で予選突破を目指す。

 今回の本大会出場は大きな意味を持つ。アンダーカテゴリーの日本代表は昨年の3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で海外遠征を実施できていないからだ。

 最後に海外勢と公式戦で戦ったのは2019年11月上旬。U-18日本代表がU-19アジア選手権予選、U-17日本代表がU-17ワールドカップに出場した時まで遡る。今年開催される予定だったU-20ワールドカップとU-17ワールドカップは大会中止となったため、代表活動も国内での合宿とトレーニングマッチが中心となった。3年後のパリ五輪を目指す世代の選手たちは国際舞台の経験値が乏しいだけに、予選を突破して本大会に出場する価値は大きい。

 コロナ禍以前の状況とはまるで異なる中で、迎える今回の予選。幅広い年齢層の選手が名を連ねた点も、今までの代表にはない試みだ。本来、U-23アジア選手権は五輪世代を強化する場として当該の世代で挑んでおり、9月上旬の千葉合宿もU-20世代で活動していた。しかし、冨樫剛一監督は10月上旬の活動からパリ五輪世代ではないU-22年代の選手たちを呼び寄せ、今予選でも引き続き、郷家、MF松井蓮之(法政大)、DF角田涼太朗(横浜)、DF山原怜音(筑波大)の4名を招集。その理由について、冨樫監督はこう話す。

「オーバーエイジという表現が正しいか分かりませんが、彼らを選んだ理由はこの大会に彼らを選ばなければ、次にいつ日本代表に絡めるか分からないからです。彼らに国際大会を経験してもらい、その先のA代表に繋がっていることを感じてもらいたかった。また、アジアのどのようなチームに対しても、日本が強いというのを示すためにもU-22代表の選手が必要だった」

 今までの五輪代表でも一番下の世代は台頭するタイミングの関係で、メンバー争いに加われないケースは少なくない。だからこそ、今回はU-20やU-17世代以降で代表に縁がなかった選手たちに経験を積む場を与えた。五輪の本大会ではオーバーエイジの出場が可能になるだけに、99年と00年生まれの選手たちが参戦する意味は今後の強化を考えても大きなメリットがあるはずだ。
 


 U-20組にオーバーエイジ組の4名が加わった今回のU-22日本代表。今予選ではリーグ戦が週末にあるため、先発メンバーはコンディションを見極めながらの選考になる。ただ、その中でスタメンを考えるのであれば、GKは佐々木雅士(柏)が一番手と予想する。2019年のU-17ワールドカップを経験しており、今回のメンバーでは国際舞台を知る数少ない選手。今季は所属クラブでもセカンドGKとしてプレーしており、J1でも3試合に出場している。正確なキックとセービング力は世代屈指のレベルで、チームを最後尾から支えるだけの実力はあるはずだ。ベンチに控える小畑裕馬(仙台)や杉本光希(立正大)も実力者。特に小畑は2019年のU-19アジア選手権予選を経験しており、アジアの戦いを知っている点も心強い。
 
 最終ラインは4枚で戦う。CBは馬場晴也(東京V)と角田が軸。押し込む時間帯が長くなれば、ビルドアップ能力に自信を持つふたりの特徴がより生きる。逆に空中戦の攻防が増えれば、193cmの佐古真礼(藤枝)や187cmのチェイス・アンリ(尚志)の出番。守備で高さが生きるだけではなく、セットプレーでは攻撃時にも役立つはずだ。

 SBの右は、山原怜音(筑波大)が最右翼になるが、所属クラブでレギュラーを務めている半田陸(山形)も調子を上げている。コンディション次第では先発の座を勝ち取ったとしても不思議ではない。左SBは畑大雅(湘南)に期待が懸かる。プロ2年目の今季は左ウイングバックでプレーを続けており、持ち前のスピードに磨きが掛かって攻撃力が増した。久々の代表招集となる加藤聖(長崎)はチームで貴重なレフティ。GKとSBの間に入れるクロスの質が高く、膠着した状況を打開する切り札として楽しみな存在だ。

 中盤はアンカーの前に2人のインサイドハーフを置く形が予想される。アンカーは櫻井辰徳(神戸)と松井蓮之(法政大)が担う。櫻井は攻撃力に特徴があり、松井はバランス感覚に秀でる。相手や展開に応じて、使い分ける形も考えられそうだ。一方のインサイドハーフは郷家、松岡が先発候補で、藤田譲瑠チマ(徳島)、田中聡(湘南)も力がある。いずれも運動量を持っており、守備の強度も高い。ただ、攻撃力を考えれば、櫻井や鈴木唯人(清水)をトップ下で使っても面白い。
 
 センターフォワードは細谷真大がエース候補となる。今季はJ1で24試合に出場しており、3ゴールをマーク。裏への抜け出しやボールを収めるプレーが特徴で、攻撃の柱としてチームの浮沈を握る。もうひとりのFWである藤尾翔太もコンディションは良い。6月にC大阪から水戸へ期限付き移籍を果たし、15試合で6得点。直近4試合で3ゴールを挙げているのは心強い。
 
 左サイドは鈴木がレギュラーの1番手だ。継続して代表活動に参加しており、所属クラブでも出場機会を掴んでいる。武器である推進力を生かしながら、チャンスメイクの役割を果たしたい。右サイドは佐藤恵允(明治大)が面白い。コロンビアにルーツを持つアタッカーは肉弾戦に強く、個の力で局面を打開できる。ゴール前の競り合いも得意で、得点源としても期待したい。飛び級で選出された中村仁郎(G大阪ユース)と甲田英將(名古屋U-18)は俊敏性と技術力を兼ね備えており、攻撃センスは上の世代でも通用する。フィジカルの弱さは課題だが、切り札として試合の流れを変える役割を担う。

 4-3-3が基本となるが、過去2度の合宿では4-4-2や4-2-3-1も試している。相手の状況や選手のコンディションを見ながら、臨機応変に対応していく選択肢もある。香港とカンボジアに対し、U-22日本代表がどのような戦いを見せるのか。本大会でさらなる経験を積むためにも、23名の選手たちのプレーに注目したい。

文●松尾祐希(フリーライター)

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