“怪物”平山相太が現役時代に凄いと思った3人の選手。「どんだけ自分はニセモノなんだ」と痛感した本当の怪物とは?

“怪物”平山相太が現役時代に凄いと思った3人の選手。「どんだけ自分はニセモノなんだ」と痛感した本当の怪物とは?

現在は仙台大の学生として勉学に勤しむ傍らサッカー部のヘッドコーチも務める。(C) YOSHIMOTO KOGYO



 かつて高校サッカー界で「怪物」と騒がれたストライカーはいま、仙台大サッカー部でヘッドコーチを務める。「試合動画の編集もまだこの春に始めたばかり」という平山相太は、現役の大学生という肩書も持ちながら、「将来的にはプロサッカークラブで監督をしたい」という目標に向かって邁進する。

 そんな平山が育てたいFW像は「なぜか、そこにいる」という得点の匂いを嗅ぎ分けられる選手だそうだ。本人が持つ才能だけに頼らず、しっかりと良いポジションを取って、自身の特徴を発揮してゴールを奪えるストライカーだ。

 では、平山が本当に凄いと思うFWとはいったいどんな選手たちなのか。本人に直接聞いてみた。

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 一番はブラジルのロナウドですね。小学校、中学校といつもロナウドの真似をして練習したりとか。ずっと憧れていたんですが、高校に入ったくらいに自分には無理かなと気づいた(笑)。彼は誰も持っていないものを持っていますよね。プレーを見ても、その凄さは今でも感じますよ。

 ロナウドにはフェノメーノ(怪物)という異名があって、自分も高校生当時によく「怪物」という見出しと一緒に名前が出ていましたが、どんだけ自分はニセモノなんだって思っていました(笑)。『あれこそが本当の怪物なんだな』って、ずっと思ってましたよ。

 日本人で挙げるとすると、国見の先輩でもある大久保嘉人さんですね。高校ではかぶってないのですが、アテネ・オリンピックで一緒にプレーして、プロでも対戦しましたね。ゴールに向かう姿勢や貪欲さも凄いし、やはり『なぜか、そこにいる』という感じのFWで、点を取ることにかけては一目置くような存在でした。

 やはり、自分が育てていきたいFW像に当てはまる選手だし、身体能力とかも凄いんですが、それだけではあそこまでのゴール数(※J1最多得点となる通算190ゴール)には届かないと思うので、ポジショニングだったりタイミングの合わせ方だったり。そういう面では一番凄いと思いますね。

 もうひとり挙げるとすれば、高原直泰さん(現沖縄SV)ですね。何度か対戦もしたことがあるんですが、オーバーエイジで参加したアテネ・オリンピックの時が印象的で、フィジカルが凄いし、普通のトレーニングでも周りの選手との動きが全然違いましたね。その時、たぶんドイツでやっていた頃だと思うんですが、なんか全体のレベルの5個上くらいの感じでした。もう全然違いすぎて異次元でしたね。

 他のFWとの違いは何かと言われたら、ダッシュというかアジリティというか、前後左右の動きの切り返しが速くて、バランスも良いから重心がぶれない。ボールを持ってからの動きもそうなんですが、どの方向へ切り返しても速いし、ぶれないんです。逆に、ぶれていないから速く動けるとも言えるんでしょうね。それが衝撃で、今でも覚えています。

 高原さんみたいな選手も育ててみたいけど、無理かな……(笑)。ただ、高原さんも動き出しの速さは見習うべきところがありましたし、やっぱり点を取れる場所っていうのを知っていて、そこはジュビロ時代から中山ゴンさんらと一緒にやって鍛えられた部分はあると思いますし、FWが見習うべきところはたくさんありますね。
 

 今シーズンのJリーグもすでに終盤戦に入り、川崎の連覇も見えつつあるが、いま個人的に気になる選手を3人挙げてもらった。母校・国見高の先輩に、大学の教え子、そして現役時代の盟友の名が挙がった。

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 やっぱりセレッソ大阪の大久保嘉人ですね。200ゴールいってほしいという応援したい気持ちもありますし、高校の先輩なので。ぜひ、達成してほしいなと思っています。

 それから、横浜FCの松尾佑介。仙台大学で一昨年、自分がトップチームのアシスタントコーチをしている時に見ていて、実際プロに行けるかいけないか、という感じの選手だったんですが、今ではJ1でも活躍できるくらいのレベルになってきた。大学時代を知っているからやっぱり応援していますね。

 松尾は守備も上手くなりましたし、ハードワークができるようになったなかで、スピードに乗ったドリブルもあり、シュート感覚もいい。左サイドからの左右両足で良いシュートが打てるので、ハマったら絶対に決まるなという形を持っているのが良いですね。

 もうひとりは名古屋グランパスの米本拓司ですね。ずっと一緒にやっていたというのもあるんですが、前十字靭帯断裂を3回やって復帰して、それで今も活躍していますからね。いつも会うと、「怪我するなよ」って声を掛けているんですが、そんなの気にせずガンガン行っているから、頼もしいなと思って見ています。

自分も現役時代はケガに悩まされたので、その苦しさ、辛さというのは知っています。彼もケガのリスクはあるけど、自分のプレーを全力で出そうとしている姿には心を打たれますね。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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平山氏が今後出演予定のYouTubeチャンネル「虎の語」では、言葉をテーマとした動画を続々公開中。アスリートや名将、タレントや文化人などさまざまな分野で勝負してきた「虎」たちが人生の道標となる言葉、「虎ノ語」を伝承する。

 

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