使命感、悔しさ、サッカーへの純粋な想い…相模原のキャプテン鎌田次郎の生き様

使命感、悔しさ、サッカーへの純粋な想い…相模原のキャプテン鎌田次郎の生き様

40節・愛媛戦で久々の先発出場を果たした鎌田。的確なコーチングや熟練のディフェンスでチームの勝利に貢献した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)



 来るべき時に備えて、SC相模原の鎌田次郎は準備をしていた。

 今季、柏レイソルから期限付き移籍で加入。キャプテンを任された36歳のベテランDFは主力メンバーのひとりとして奮闘していたが、シーズン途中の監督交代を機に、出場機会を失っていった。

「なかなか試合に出られず、チームに貢献できていないという思いがあった」

 難しい時期を過ごしていた。だが、気持ちは切らさなかった。使命感、悔しさ、サッカーへの純粋な想い。様々な感情があった。

「僕も長くプロでサッカーをやらしてもらっていますけど、監督によって出られる、出られないというのはありますし、そこでくさっていく選手とか、ちゃんとやらない選手は、活躍できなくなっていくのを見てきました」

 反面教師となる対象がいれば、見習うべき先達がいた。

「レイソルでは南雄太(現・大宮)さんとか、仙台時代には梁(勇基/現・鳥栖)さんとか。他にもたくさんいますけど、真面目にやり続ける選手たちを見てきているので。

 そういうものを、自分も後輩たちに示していかなければいけないと思う。キャプテンをやらせてもらっている自分が、さじを投げるとか、不貞腐れた態度やプレーは見せられない」

 たとえば、ゲーム形式のメニューでサブ組に入ったとする。そこで鎌田は何をしてきたか。「チームが次、勝つために、対戦相手のプレーの特長を真似してみよう、とか。それの連続、毎日ですよね」。

 もちろん、試合に絡めず、「なにくそ、っていうプライドもありました」。悔しがるだけでは、状況は変わらない。「やっぱり準備し続けないと、試合には出られない。いつか来るだろうと、準備はしていました」と振り返る。
 
 なによりも、好きなサッカーをいいかげんな気持ちでやりたくなかった。

「サッカーが好きっていうのが、みんな根底にあると思う。それを、ふざけてやっていたら、サッカーを好きではないと思うし、好きがゆえに、ちゃんとやらないといけない。それでお金をもらっているので。自分が楽しむためには、ちゃんとやらないといけない」

 真摯にサッカーと向き合い、チームのために振る舞う鎌田の姿を、高木琢也監督が見ていないわけがない。指揮官はことあるごとに、ベテラン選手たちについて言及してきた。

「ベテランの選手、出られていない選手も、しっかりといろんなことを伝えている。チームのために、よくやってくれている」

「幸い、ベテランの選手が多いから。残留争いを経験していないとしても、今までの流れはよく分かっているし、経験者の力は、他チームよりはあるんじゃないかと」
 

 一方、若手からはどう見られているのか。メンバーから外れても、チームを下支えするベテラン選手たちについて、20歳の松橋優安は次のように語る。

「これがプロサッカー選手のあるべき姿なんだ、と。練習で手を抜くとかないし、たとえ出られなくても、一つひとつのプレーに全力を注いでいる。だからこそ、試合に出させてもらっている自分は、もっとやらないといけないなと思う。

 うかうかしていると、すぐスタメンを取られるっていう気持ちで、やらせてくれるというか。そういう競争をしながら、毎日練習できているのはありがたい。だから、学ぶことばかりです」

 やるべきことを貫いてきた鎌田にチャンスが訪れたのは、11月21日に行なわれたJ2リーグ第40節の愛媛FC戦。背番号24はスターティングメンバーに名を連ねる。ピッチに立つのは、途中出場した10月10日の33節・京都サンガF.C.戦以来。先発は、6月13日の18節・水戸ホーリーホック戦ぶりだ。

 試合は、1点ビハインドで迎えた終了間際に2得点し、2-1の逆転勝利を収める。85分に途中交代するまでの自身のパフォーマンスを「可もなく不可もなくってところだと思います」と自己評価する鎌田は、こう続ける。

「求められるのは声を出す部分だったり、チームをまとめる部分で、それは出せたと思います。久しぶりの試合でしたけど、80分ぐらいできたのはプラスに捉えています」
 
 愛媛戦の勝利で、チームは降格圏を脱出。悲願の残留に向け、貴重な勝点3奪取に貢献した鎌田は、ホーム最終戦となる次節の松本山雅FCを見据え、気合いを入れ直す。

「一戦一戦、臨む気持ちは変わらないと思います。相手が変われば、サッカーの内容も変わりますが、相手のストロングを抑えて、ウィークなところを突いていく作業は変わらない。最高の状態で臨めるように。チームでどれだけまとまれるかが大事だと思います」

 鎌田もフル出場した5月の前回対戦では1-2で敗れている。きっちりとリベンジを果たし、残留へと力強く前進したい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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