【番記者セレクト】横浜の厳選トピックBEST5|大然が若きアタッカーを激励。「『蒲焼さん』おごったるわ」

【番記者セレクト】横浜の厳選トピックBEST5|大然が若きアタッカーを激励。「『蒲焼さん』おごったるわ」

大然の声掛けに救われたという樺山。山形での武者修行を終え、来季は横浜に復帰。成長した姿を見せたい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)



 今年も残りわずかとなったタイミングで、改めて2021年シーズンを振り返る企画。今回、取り上げるのは横浜F・マリノス。番記者ならではの視点で、思い出深いトピックBEST5をセレクトしてもらった。
取材・文●藤井雅彦(ジャーナリスト)

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【5位】プロ初ゴールの樺山に対して前田がかけた言葉は?

 高卒ルーキーの樺山諒乃介が4月28日のルヴァンカップ・仙台戦でプロ初ゴールを決めた。しかしアンジェ・ポステコグルー監督(当時)は「フィットネスの部分で45分が限界」と課題を指摘し、前半のみで交代を命じる。ロッカールームで肩を落としていた樺山に、のちにリーグ得点王に輝く前田大然が声をかけた。「ようやった。『蒲焼さん』おごったるわ」。先輩ストライカーの粋な計らいで笑顔を取り戻したルーキーは5月19日のルヴァンカップ・清水戦で2得点と大活躍。「大然くんに救われました」と声を弾ませた。
 

【4位】豪快ミドルを突き刺した松原は「今のところ年イチです」

 5月22日の柏戦で松原健が目の覚めるような豪快ミドルを突き刺し、チームに勝点1をもたらした。日頃から居残りシュート練習に精を出してきた成果で、努力は嘘をつかないことを実証してみせた。これで松原は横浜加入後5年連続でリーグ戦での得点を記録したが「今のところ年イチです。2点目を取る力がない」と苦笑い。松原は来季こそ念願のシーズン2得点目を決められるだろうか。

【3位】“日本代表”MF渡辺の変化

 物静かな印象の強い渡辺皓太に少しずつ変化が。興国高から加入した樺山諒乃介や南拓都、平井駿助はいずれも関西出身でコミュニケーション能力が高く、プレシーズンキャンプ中から彼らとともにクールダウンを兼ねてランニングを行なう姿が見られた。また、愛妻や愛息とともに『YouTubeチャンネル』を開設。新たな試みを続ける姿勢が積極的なプレースタイルにも反映され、シーズン終盤はダブルボランチの一角を担うようになった。さらにそこでのパフォーマンスが認められて来年1月に行なわれる日本代表メンバーに選ばれた。2022年は成長著しい年男(1998年生まれ)から目が離せそうにない。
 

【2位】宮市、10年半ぶりの日本生活に戸惑う

 高校卒業前の18歳の時に渡欧して以来、初めて日本でプロ生活を送ることになった宮市亮。夏に加入すると、トレーニングではさすがのスピードとパワーを披露してチーム関係者の視線を釘付けにするなどポテンシャルの高さを垣間見せた。でもピッチ外では意外なところで苦労もあったという。海外のフランクなコミュニケーションに慣れてしまい、日本特有の敬語文化に悪戦苦闘。一時帰国したことはあったが、日本での生活は10年半ぶりで「逆に日本で戸惑っている」と笑った。
 
【1位】松永監督とハッチンソンヘッドヘッドコーチが見事なリリーフ

 普通に考えればアンジェ・ポステコグルー元監督のセルティック電撃移籍が2021年のトピック1位だろう。選手にも少なからず動揺が走り、それはルヴァンカップと天皇杯の連続敗退という事実からも明らかだ。ただしバトンを受け継ぎ暫定的に指揮を執った松永英機監督とジョン・ハッチンソンヘッドコーチが見事にチームを立て直した事実も記さないわけにいかない。

 練習の音頭を取ったのはハッチンソンヘッドコーチで、松永監督はまるで前任者のように静かに腕を組んで練習を見守る。その結果、6月下旬から7月上旬までの3試合を3連勝でしのぎ、最高の形で中断期間を迎えることができた。その後、ケヴィン・マスカット監督の就任が発表されると松永監督は「彼にバトンを渡すのは私自身のミッションであり、チームとしての課題でもある。この流れのまま第3コーナーで引き継ぎたい」と安堵の表情を浮かべ、与えられたタスクを完遂した。

取材・文●藤井雅彦(ジャーナリスト)

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