プレミア前半戦で最も輝いた超新星! マンC撃破にも貢献したパレスMFギャラガーとは何者か?

プレミア前半戦で最も輝いた超新星! マンC撃破にも貢献したパレスMFギャラガーとは何者か?

チェルシーからレンタル中のクリスタル・パレスで大ブレイク中のコナー・ギャラガー。 (C)Getty Images



■Conor GALLAGHER
コナー・ギャラガー(クリスタル・パレス/イングランド代表)
生年月日/2000年2月6日(21歳)
出身地/エプソム(イングランド)
身長・体重/182センチ・74キロ
主要ポジション/インサイドハーフ、セントラルMF
A代表/1試合・0得点
ユース年代の代表歴/イングランドU-17、U-18、U-19、U-20、U-21
キャリアの転機/クリスタル・パレスへのレンタル移籍

 一瞬の隙を見逃さなかった。マンチェスター・シティのCBエメリック・ラポルトのドリブルがほんの少し大きくなったその瞬間、鋭い出足で懐に飛び込みボールを奪い取ると、ウィルフリード・ザハにスルーパスを送り、開始6分の先制ゴールをアシストした。それは絵に描いたようなハイプレスからのショートカウンターだった。

 そして終了間際の88分だ。エリア内に攻め上がり、折り返しに合わせてノーステップで右足を振り抜き決定的な追加点を奪う。プレミアリーグ10節、敵地で王者シティを撃破するアップセットの勝利をクリスタル・パレスにもたらしたのが、21歳のコナー・ギャラガーだった。

【動画】王者撃破に貢献!ギャラガーがマンC戦で決めた鮮烈弾
 チェルシーのアカデミー出身で、パレスにはレンタルで在籍中だ。今シーズンから指揮を執るパトリック・ヴィエラ監督がどうしても欲しいと獲得を熱望し、移籍がまとまった。ハイプレスとポゼッションをベースとする戦術のモダン化に着手したヴィエラは、そのプロジェクトの要諦として白羽の矢を立てたのだ。

 ブレイクへの下地は、しっかり出来上がっていた。一昨シーズンはチャンピオンシップ(2部)のチャールトンとスウォンジーに半年ずつ在籍して実戦経験を積み、昨シーズンはウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンで1年間プレミアリーグを戦った。迎えた今シーズン、飛躍のために必要な環境と機会を与えてくれたのが、ヴィエラとパレスだった。レンタル移籍が最高の触媒になったのだ。

 4-3-3のインサイドハーフに定着し、2節からスターターとして鮮烈なパフォーマンスを続けている。開幕戦のピッチに立てなかったのは、チェルシーが相手だったからだ。17節までの16試合で6ゴール・3アシストは、どちらもチーム最多タイ。エリア内でファウルを誘った4節トッテナム戦と6節ブライトン戦のPK奪取をカウントすればアシストは5つになる。チームの月間MVPを8〜9月と連続受賞したのも当然の活躍ぶりだ。
 

 攻守の切り替えは迅速で、プレッシングはアグレッシブ。ボールを持てば、正確なパスワークでリズムを作り、ドリブルを仕掛け、ラストパスを送り、シュートを打ち込む。「ベストポジションはボックス・トゥ・ボックス」とみずからを定義しているように、攻守両面で幅広くチームに貢献するモダンなミッドフィルダーだ。

 実家はチェルシーのトレーニングセンターのすぐ近くで、アカデミーには8歳で加入した。順調にカテゴリーを駆け上がり、飛び級でU-18に昇格するとFAユースカップとU-18プレミアリーグの2冠を2年連続で獲得した(17〜18年)。

 1歳年上のメイソン・マウントは切磋琢磨した当時のチームメイトであり親友だ。17年夏にはイングランドU-17代表に選ばれ、U-17ワールドカップ制覇も果たしている。歩んできたのは、輝かしいエリート街道だ。
 
 チェルシーのトップチームには17歳で初招集された。マウリツィオ・サッリが率いた18-19シーズンだ。出場機会はなかったが、アーセナルと対戦したヨーロッパリーグ決勝のベンチに入リ、優勝メダルを手にした。タイトルには間違いなく愛されているようだ。

 もちろん、ただ幸運なだけではない。

「どんなにトロフィーを勝ち取っても満足はできない。負けるのは最悪。絶対に嫌だ。我慢できない。負けた悔しさは次の試合までずっと消えない」

 勝利を望む強い気持ちが、それを手繰り寄せているのだ。そのための努力も惜しまない。称賛を送るのは指揮官のヴィエラだ。『インディペンデント』紙にこう語った。

「コナーとともに戦えるのは大きな喜びだ。才能を無駄にせず、ポテンシャルを余すところなく発揮しようと自分自身と真剣に向き合うその姿勢が素晴らしい。意欲的な生徒であり、勤勉な努力家で、チームにポジティブなエネルギーを生み出している。毎朝、最高の笑顔でやって来て、最高の笑顔で帰っていく。向上心やチャレンジ精神という、選手が持つべき最高のツールを持っている」

 容易に見通せるのは、マウント級のブレイクだ。その親友とともに、いずれチェルシーを背負って立つはずだ。

文●松野敏史
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2021年12月2日号より転載
 

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