まさかの0-3に呆然と立ちすくんだ日本。ただ一人、戦う姿勢を見せた男がいた【東京五輪】[2021総集編]

まさかの0-3に呆然と立ちすくんだ日本。ただ一人、戦う姿勢を見せた男がいた【東京五輪】[2021総集編]

3点目を奪われた後、すぐに反撃の姿勢を見せたのは冨安(右端)だった。写真:JMPA代表撮影



 今年も残すところあとわずかとなった。本稿では、2021年のサッカー界における名場面を『サッカーダイジェストWeb』のヒット記事で振り返る。今回は、東京五輪の3位決定戦、メキシコに3点目を奪われて呆然とする日本の中で、ひとり諦めない姿勢を見せた選手をフィーチャーした記事を再掲する。

記事初掲載:2021年8月7日

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[東京五輪 3位決定戦]U-24日本1-3U-24メキシコ/8月6日/埼玉スタジアム2002

 58分、アレクシス・ベガの強烈なヘッドがネットに突き刺さる。スコアは0-3。

 U-24日本代表の選手たちは、呆然と立ちすくんだ。この日のメキシコから、当たっていた相手GKギジェルモ・オチョアから、残り32分で3ゴールを奪うのがどれだけ難しいか、ピッチの選手たちが一番良く分かっていただろう。すぐに気持ちを切り替え、プレーを始めようとしない。だた、一人を除いては。

 10人が失望の表情を浮かべて棒立ちになるなか、一人でセンターサークルにボールを運ぼうとしていた選手がいた。CBの冨安健洋だ。これでようやく他の選手も我に返った。記者の目にはそう映った。

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 森保一監督は試合後、「3点目を奪われ、そこで集中力が切れてばらばらになることもあり得るなか、またファイティングポーズを取ってくれて、最後まで粘り強く戦う姿を見せてくれた」と選手たちを称えた。それを呼び込んだのは、冨安の諦めない姿勢だった思う。

 何とか集中力が切れずに持ちこたえた日本は、78分に三笘薫のゴールで1点を返した。決勝トーナメント3戦目で初めて奪った得点でもあった。もはやこの試合においては焼け石に水だったが、最後に意地は見せてくれたと思う。

 試合後、冨安は「僕らが次の世代の日本代表を作っていくことになると思う。ここにいる選手が代表を強くしていかないといけない」と今後を見据えた。この先、吉田麻也の後継者として日本のDFリーダーを担うのはこの22歳だろう。切れかけたチームを戦いの場に戻した姿勢は、それに相応しい振る舞いだったと思う。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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