「無観客で失われたものは?」海外記者からの問いに森保監督が本音「もう遅いですけど…」【2021総集編】

「無観客で失われたものは?」海外記者からの問いに森保監督が本音「もう遅いですけど…」【2021総集編】

試合後の会見で無観客開催について言及した森保監督。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)



 ついに年が明け、2022年となった。本稿では、2021年のサッカー界における名場面を『サッカーダイジェストWeb』のヒット記事で振り返る。今回は、コロナ禍で行なわれた昨夏の東京五輪において、開催国のチームを率いる指揮官の偽らざる本心を再掲する。

記事初掲載:2021年7月23日

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 U-24日本代表は7月22日、東京五輪のグループステージ第1節で南アフリカと対戦。自陣に引いてブロックを作る相手の守備網を崩せず、スコアレスのまま終盤に突入したが、久保建英が71分に値千金の決勝弾を叩き込み、1−0で勝利した。

 本来であれば、期待のレフティのゴールに、東京スタジアムの観衆は興奮のるつぼとなったことだろう。だが残念ながら、新型コロナウイルスの影響で、試合は無観客開催に。響き渡ったのは、殊勲者の雄叫びだった。

 試合後、海外の記者から「本来ならば観客がいて4万人近く入る予定だった。無観客によって失われたものはあるか?」と質問を受けた森保一監督は、次のように返答した。

「できれば選手たちには、有観客の中で試合をさせてあげられたらなという思いはあります。東京五輪の初戦がここ東京スタジアムに決まったとき、2019年のラグビー・ワールドカップの開幕戦の盛り上がりをイメージしていた。できればそういうところでプレーしてほしかった。選手にとっても、選手の大切な人たち、ファン・サポーター、五輪を楽しみにしていた人にも、この試合を楽しんでもらえるような状況であれば一番良かったと思います」
 
 まず、そう切り出した指揮官は、「無観客で決まったことは決まったルールで戦うこと、目標ややるべきことでは変わりないので、選手たちには高みを目指してどんな状況でもぶれずに戦ってほしいなというふうに思っています」と語りつつも、無念の思いを吐露した。

「これまでJリーグでは1500試合以上有観客で行ない、コロナの陽性者が出ていないというデータを見せてもらっています。そういうポジティブなデータがあるので、安心安全と判断されるのであれば、有観客でスポーツをする側、見る側、関わる人たちが楽しんでもらえるような環境になればいいなと思っています」

 そして、「個人的な意見」としつつ、最後にこう締めくくっている。

「無観客が決定し、観客入場料はもう見込まれていないと思います。もし有観客が可能であったなら、そういったもの(入場料)をコロナ禍や自然災害で大変な思いをして困難な生活をされている方々にお渡しできるようなことができれば。簡単なことじゃないと思いますけど、何のための五輪かということで、日本国民が喜んでいただければいいなと。もう遅いですけど、そういうことを願っています」

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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