「全盛期の動きには戻らない」バルサはなぜ構想外CBとの契約を延長したのか。その背景に迫る【現地発】

「全盛期の動きには戻らない」バルサはなぜ構想外CBとの契約を延長したのか。その背景に迫る【現地発】

今シーズンもほとんど戦力になりきれていないウンティティ。(C)Getty Images



 バルセロナがサミュエル・ウンティティと2026年まで契約を延長した。しかし前回の契約更改時(2018年)のように、あるいは数か月前のペドリやアンス・ファティがそうだったように、セレモニーは開かれなかった。

 今回のオペレーションの最大の目的は、人件費を引き下げることにあった。そのためウンティティは減給を受け入れている。この冬、その点において最も貢献したのがアストン・ビラに移籍したフィリッペ・コウチーニョだが、ウンティティのこの譲歩が、ファイナンシャル・フェアプレーに抵触することなく新加入のフェラン・トーレスを登録するために重要な役割を果たした。

 今回のオペレーションの目的はもう一つあった。給与額を10%カットすることで、戦力構想から外れている選手の受け入れ先を探しやすくすることだ。現にフロントはこの冬の移籍期間中のレンタルでの放出を目指していた。

 しかし、バルサがスーペルコパ参戦のためリヤド(サウジアラビア)に滞在している間に、先手を打つ形でウンティティは代理人を通じて移籍する意思がないことを改めて強調。加えてバルサで成功する自信をアピールした。

【動画】まさかのCL敗退!バルサが粉砕されたバイエルンのハイライト
 バルサ側が問題視しているのが左膝の回復具合だ。クラブ内には過密スケジュールを強いられるバルサにおいて、3試合連続出場するのは困難と考えている者は少なくない。しかも現チームはジェラール・ピケ、エリク・ガルシア、ロナルド・アラウホ、クレマン・ラングレ、オスカル・ミンゲサとCBの人材が豊富でポジション争いが熾烈を極めるうえ、シャビ監督は冬の移籍期間中に1枚加えたい意向を持っている。

 ウンティティの居場所はもはやないのが現状だが、選手に近い関係者は、膝関節が全盛期の動きに戻ることはないことを認めながらも、バルサ側のそうした悲観的な見方に異論を唱えている。

 このウンティティの態度により、最近もベジクタシュ、イングランドのあるクラブが獲得に関心を示したが、具体的なオファーに発展することはなかった。

【PHOTO】「美人すぎる」、「セクシーすぎる」フットボーラーの妻&恋人たち
 出場機会に恵まれなくても、残留意思を曲げないのは彼なりの理由がある。バルサの選手として果たすべき義務は、試合に出ることではなく、いつ起用されてもいいようにコンディションを維持することにあると考えているからだ。実際、シャビ監督は、「不満は全くない。サミュエルはとても前向きに練習に取り組んでくれている」と評価している。

「俺は夢を実現させられてくれるクラブにいる。契約はまだ残っている。蹴りを入れられない限りは、出て行く考えはない」
 
 前回契約を更改する前、移籍報道が飛び交う中、ウンティティはこう残留への強い意思を示していた。その際、給与額がチーム内で2番手グループにランクされるよう待遇改善を求めていたが、バルサはその希望に応え契約を延長。当時のジョセップ・マリア・バルトメウ会長は、「移籍してもらいたくないからね。だから決断した」と語っていた。

 それから3年半余りが経過し、自身を取り巻く環境は大きく変わった。しかし今の左膝の状態では多くは望めないといと考えるクラブが移籍先探しに奔走することになっても、「バルサから移籍しない」というウンティティの姿勢は終始一貫している(バルセロナは1月17日、ウンティティが右足の第五中足骨を骨折したと発表した)。

文●ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。

【PHOTO】C・ロナウド、ネイマール、アグエロ、エジル、ポグバetc…世界的名手たちが誇るスーパーカーを厳選&一挙紹介!

関連記事(外部サイト)

  • 記事にコメントを書いてみませんか?