【日本代表】長友、大迫、酒井らベテラン勢を簡単には外せない。彼らがいまだ不動の地位にある理由

【日本代表】長友、大迫、酒井らベテラン勢を簡単には外せない。彼らがいまだ不動の地位にある理由

17日からの代表合宿でも存在感を見せる長友(左)、大迫(中央)、酒井(右)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)



 1月27日と2月1日の2022年カタールワールドカップ(W杯)アジア最終予選の中国・サウジアラビア2連戦(埼玉)に向け、17日からスタートした国内組代表合宿が佳境を迎えつつある。
 
「(代表の)グループLINEで『ある程度、ガッチリやるから』と事前にフィジカルコーチのマツ(松本良一)さんから来ていたので、(初日から)やるんだろうなと思っていました」と稲垣祥(名古屋)が明かしたように、初日からフィジカルに始まり、ボール回し、シュート練習、ハーフコートの11対11というフルメニューを1時間半にわたって消化。2、3日目も対人プレーや実戦形式の内容が続き、一気に負荷を上げているのがよく分かる。

 森保一監督が「吉田麻也(サンプドリア)、三笘(薫/ユニオン・サン=ジロワーズ)、室屋(成/ハノーファー)、古橋(亨梧/セルティック)、谷(晃生=湘南)は難しい」と語った通り、今回はケガで招集困難な選手が非常に多い。とりわけ、吉田の離脱というのはピッチ内外で大きなダメージだ。キャプテンの良き相談役となっていた川島永嗣(ストラスブール)もコロナ陽性が発覚。陰性にならなければ最終予選に参戦できないだけに、これまでチームをけん引してきた長友佑都(FC東京)、大迫勇也(神戸)、酒井宏樹(浦和)らベテラン勢にはより一層のリーダーシップや存在感が求められるのだ。

 とはいえ、昨年は最終予選の大苦戦によって、30代主力組への風当たりが非常に強かった。長友や大迫関しては「中山雄太(ズウォーレ)をスタメンで抜擢すべき」「古橋や前田大然(セルティック)や若手にチャンスを与える方がいい」といった声が高まり、逆境にさらされた。酒井宏樹も東京五輪からの疲労蓄積とケガで山根視来(川崎)の追い上げを許しており、3人揃って絶対安泰と言い切れない部分がある。11月開幕のカタールW杯本大会まで彼らはスタメンで居続けられるのか。それはひとつの注目点と言っていい。

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 今回の合宿での長友の存在感はやはり絶大だ。初日からトレーニングパートナーとして参加した17歳のチェイス・アンリ(尚志高)に対して「アンリ、アンリ」と大声をかけて鼓舞し、場を和ませるなど、明るく前向きな雰囲気を率先して作り出している。これだけの声掛けができる選手は、今の日本代表を見回しても彼だけである。
 
「佑都には世界トップ・トップの経験値があるし、代表としても世界基準を見せられる選手。彼のプレーで見てほしいのは、ボールを奪いに行く守備ができていること。引いて守るのでは高いレベルの舞台では勝って行けない。いろんな批判を受けているようだが、パフォーマンスで批判を受けるようなデータは全く出ていない。実力、キャラクターを含め、ポジティブな空気を出してくれる」と森保監督も”長友批判”を一蹴。今後もまだまだ使い続ける腹積もりのようだ。

 大迫に関しても、シュート練習などで見せるフィニッシュの精度の高さ、ゲーム形式で敵を背負ってタメを作る動きは、周囲とは一線を画す秀逸さがある。浦和レッズで1トップを務めることのある江坂任も「サコ君や綺世(上田=鹿島)のようなプレーはできない」とコメントするほど、頭ひとつ抜けている。2018年ロシアW杯まで大迫と代表FW陣を担ってきた岡崎慎司(カルタヘナ)でさえも「森保さんはFWってポジションじゃなくて、大迫という人間をその位置に据えてきたんだと思う」と発言した通り、指揮官の絶対的信頼は揺らぐことはなさそうだ。

 となれば、カタールW杯までは当然、軸に据え続けるはず。酒井宏樹にしても、山根が「ただ足が速いだけじゃなくて、ダイナミックさという部分は日本人ではなかなか見たことはない。それだけのパワフルさがあるので『これはすごいな』と。大変だなと思いました」とリスペクトを口にするほど、現時点ではJリーグ基準を超えるところにいる。やはり、今のところ3人の地位は不動と言っていいだろう。

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 ただ、彼らが30代半ばに差し掛かり、伸びしろ的には少なくなってきているのも事実。日本がカタールW杯で悲願のベスト8入りを現実的な目標として狙うのなら、彼らを凌ぐ若手が出てこなければいけないのも確かだ。長友、大迫、酒井宏樹の3人にも可能な限り飛躍してもらい、その彼らを追い上げる中山や古橋、上田、山根らがグイグイ伸びてくれば、日本代表全体の総合力や選手層も向上する。指揮官も「序列はあるが、絶対ではない」と話していただけに、3人に頼らないチームというものをラスト1年で明確な形にしていく必要がある。
 
 次の中国・サウジ2連戦がそういった先々を占う試金石になるのは間違いない。ベテラントリオが主力に君臨し続けるのか、それとも他選手がその地位を奪い取るのか……。近未来を見据える意味でも、1月シリーズは見逃せない。

 もちろん、その動向以前に日本はホーム2連勝で勝点6を確保することが必要不可欠だ。万が一、取りこぼすようなことがあれば、グループ2位に浮上して2021年を折り返した意味がなくなる。追走中のオーストラリアや中国に隙を与えない盤石な戦いを見せることにまずは集中してほしい。

 昨年9月のオマーン戦(埼玉)、10月のサウジアラビア戦(ジェッダ)の二の舞を繰り返すことだけは絶対に許されない。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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