観る者を魅了したU-17日本高校選抜の良質なサッカー。爆発的な攻撃力で『J-VILLAGE CUP U18』を制す

観る者を魅了したU-17日本高校選抜の良質なサッカー。爆発的な攻撃力で『J-VILLAGE CUP U18』を制す

初の試みとなったU-17日本高校選抜。J-VILLAGE CUP U18では4試合全勝で文句なしの優勝を飾った。写真:安藤隆人



 第4回J-VILLAGE CUP U18を制したのは、全4試合すべてで勝利を収めたU-17日本高校選抜だった。この大会、彼らはサッカーの質、結果ともに文句なしの強さを発揮してみせた。

 U-17日本高校選抜は今回、初めての試みとなったチームだった。通常の高校選抜は、選手権の優秀選手が中心となり、来年度から大学生となる高3を最高学年として組まれていた。今年度はこのチームに加えて、その1学年下の新高3を中心としたもう1つの高校選抜を作り、刺激を与えてこの年代の強化を図るという狙いで発足した。

 結果として、U-17日本高校選抜は素晴らしいチームとなった。2月に静岡県内で行なわれた合宿では、駒澤大、拓殖大、桐蔭横浜大の関東大学リーグ1部の3チームと対戦し、爆発的な攻撃力を示していた。
 
 そして今大会でも、強烈なアタッカー陣が大暴れした。初戦の川崎フロンターレU-18戦で4得点と爆発した191センチの長身FW小林俊英(大津)を最前線に置き、トップ下にMF福田秀人(米子北)を配置。右にスピードスターの阪田澪哉(東山)、左にすり抜けるドリブルとアイデア満載のパスを駆使する名願斗哉(履正社)、攻守においてハードワークとリズムメイクができる徳永涼(前橋育英)と真田蓮司(東山)のダブルボランチなど、個性的なタレントが攻撃的サッカーを志向する蒲原晶昭監督の戦術と見事にマッチした。

 川崎U-18に5-2、清水エスパルスユースを2-0で退けると、第3戦U-17日本代表との“代表”対決でもその威力を発揮した。

 この試合の前半は、白井柚希(静岡学園)と徳永のダブルボランチが頭脳的なパスでゲームを操った。またターゲットマンの小林を軸に、左サイドハーフの篠田翼(昌平)と右サイドハーフの田原瑠衣(大津)がサイドに張るだけではなく、積極的に中のスペースに入ってドリブルを仕掛けたり、シンプルにはたいてからペナルティボックス内に侵入していった。

 さらにその動きに連動して、空いたスペースにトップ下の福田が入り込んでラストパスからフィニッシュまで絡むと、左サイドバックの都築駿太(流経大柏)と右サイドバックの豊田怜央(桐光学園)が持ち前の攻撃力を発揮してサイドに厚みをもたらす。

 その重厚な攻撃は、たちまちU-17日本代表を飲み込んだ。15分に田原のシュートのこぼれ球を小林が押し込んで先制点を挙げると、その後も試合を優位に進めた。
 

 後半はこのチームの中心選手が続々と登場。左サイドハーフに名願、右サイドハーフに阪田、ボランチに真田と徳永のコンビが入ると、攻撃の圧力はさらに強まった。とくに徳永、名願、小林のトライアングルは強烈で、相手の出方を見ながら連係するタイミングやパスの強度を変化させ、レベルの高い崩しを披露した。

 51分には左サイドでの崩しから中央に飛び込んだ阪田にラストパスが届くと、阪田が鮮やかな反転シュートを沈めて2点目。その後も決定機を作り出した日本高校選抜が、2-0の完勝劇を飾った。
 
「試合をこなすごとにみんなとのインスピレーションが合うので本当に楽しい。お互いのアイデアを出し合いながら、瞬時に合わせられるのはこのチームの強みだと思います」

 徳永のこの言葉通り、お世辞抜きで日本高校選抜の連係の質はハイレベルで見ていて非常に面白い。勢いそのままに履正社との決勝戦でも小林の4試合連続ゴールなどで2-0の勝利を収め、見事に優勝を飾った。

 今大会でこのチームは解散する。正直、もっと試合を見ていたいと思うほど、個々のアイデアとチーム戦術がマッチし、スピード、強度、テクニックで魅了できるサッカーであった。

 良質なサッカーを披露した彼らは、これからそれぞれの所属チームに戻り、チームの勝利のため、進路を切り開くために新たなシーズンをスタートさせる。試合を通じてたくましさを増していき、彼らの前途は明るいと思わせてくれたU-17日本高校選抜に心から賛辞を贈りつつ、来年度のさらなる飛躍に期待をしたい。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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