圧巻の一撃に満面の笑み。それでも斉藤光毅は飽き足らず。滲み出るサッカーへの“飢え”【U−21代表】

圧巻の一撃に満面の笑み。それでも斉藤光毅は飽き足らず。滲み出るサッカーへの“飢え”【U−21代表】

カタール戦でチームを勢いづかせる先制点を決めた斉藤。“10番”に相応しい活躍ぶりだった。写真:松尾祐希



【ドバイカップ】U−21日本代表 2−0 U−23カタール代表/3月26日/アル・マクトゥーム・スタジアム

 誰よりもゴールに飢えている。FWだったら、いつだって誰だってそうだろう。決まった瞬間、凛々しい表情が一気に変わり、最高の笑顔がピッチに弾けた。ベルギーに渡ってから約1年2か月。日本代表で久しぶりに味わうゴールの喜びは格別だった。

 ドバイカップの第2戦、U−23カタール代表を相手に、U−21日本代表は2−0の勝利。チームを勢いづかせる先制点を挙げたのが、10番を背負う斉藤光毅(ロンメル)だ。

 斉藤が日の丸を背負って海外勢との試合でゴールを決めたのは、2018年10月25日に行なわれたU-19アジア選手権予選のグループステージ第3戦・イラク戦以来となる。3年半ぶりの一撃に本人も「素直にゴールを決められて嬉しい」と言いつつ、あまりの興奮ぶりに試合後は「(得点シーンを)あんまり覚えていない(笑)」と笑ってみせた。斉藤の先制弾のあと、途中出場の山本理仁(東京V)が追加点をゲットし、日本は完勝した。

 カタール戦の斉藤は、前半からゴールの予感を漂わせていた。開始早々に斜め45度の位置から右足でシュート。27分に細谷真大(柏)のラストパスをファーサイドで受け、フリーの状態から左足で合わせる。ポストに阻まれてしまうが、積極的にゴールを狙う姿勢が見て取れた。
 
 後半になっても勢いは止まらない。左サイドでボールを受けると、ドリブルや最終ラインの背後への抜け出しでゴールに迫った。そして、53分。ついに歓喜の時が訪れる。

 半田陸(山形)のスローインを起点に細谷が右サイドを抜け出し、グラウンダーのクロスを入れる。ゴール前でスタンバイしていた斉藤にとり、想像以上にボールが後ろに来たため、ダイレクトでシュートを打てない状況だったが、身体をうまく使ってボールをコントロールする。

「落ち着いてゴールできたのは成長の証」(斉藤)。キックフェイントを入れて右足で対峙する相手の股を抜くシュートを突き刺す。喜びを噛み締めた斉藤の表情は晴れやかで、最高の笑顔で仲間の祝福を受けた。

 一方で斉藤はどこか物足りなさそうで、「もっとできるぞ」という欲に満ち溢れていたようにも見える。76分にお役御免となったが、ピッチを去る際の姿からもサッカーに対する“飢え”が伺えた。
 

 その想いは試合直後の言葉からも見て取れる。

「フルで試合に出たかったし、できるだけ長くプレーしたかった。交代した時は自分自身、もっとやりたい気持ちもあったけど、他の選手が出たほうがいいという判断だったので(仕方がない)。自分に最後まで任せてもらえるように頑張ります」

 海を渡ってから、斉藤は怪我の連続だった。2020−21年シーズンの後半戦にロンメルに加入したとはいえ、9試合で無得点。欧州の2部リーグ特有の激しさに適応できなかった点も含め、不本意な成績に終わった。

「慣れるまでに時間がかかったし、自分のプレーが出せない」とは斉藤の言葉。もがき苦しんだ1年目のシーズンを終え、ようやく2年目に入って自分の個性を出し始めた。もちろん、安定して試合に絡めるようになったからこそ。ただ、それ以上に「慣れてきたことで、伸び伸びプレーしながらサッカーを楽しめるようになってきた」。
 
 楽しさが増せば、向上心はさらに高まる。だからこそ、もっとプレーをしたいという想いが今は強い。そうした好循環が今の斉藤を支えている。カタール戦でゴールを挙げても満足感が一切ないし、途中交代となった自分に悔しさを感じるのもそのためだ。

 今大会では、U−23クロアチア代表(1−0)との初戦に続き、2試合連続で先発出場。クロアチア戦はフル出場した。中2日の連戦で、普通に考えれば29日の順位決定戦(対サウジアラビア)はベンチスタートだったとしてもおかしくない。

 だが、斉藤は最初からピッチに立つつもりでいるだろう。プレーに飢えている男はさらなるレベルアップを果たすべく、もっとサッカーを楽しむためにピッチに立つ。

取材・文・写真●松尾祐希(フリーライター)

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