成長著しい東京国際大のエースストライカー! 師岡柊生が大学で手に入れた新たな武器「一気にプレーの引き出しが増えた」

成長著しい東京国際大のエースストライカー! 師岡柊生が大学で手に入れた新たな武器「一気にプレーの引き出しが増えた」

6連勝中の東京国際大の攻撃を牽引する師岡。ずば抜けたアジリティとフィジカルの強さ、足もとの技術を持つ。写真:安藤隆人



 いま、大学サッカーにおいて最も旬な男と言っていいだろう。

 関東大学サッカーリーグ1部で今季、開幕から破竹の6連勝を飾り、首位をひた走る東京国際大のエース師岡柊生(4年)は、躍動感溢れるプレーで注目を浴びている。

 師岡の持ち味は、ずば抜けたアジリティとフィジカルの強さ、足もとの技術を活かしたドリブルと球際の強さにある。スピードで軽やかに相手をかわしたかと思えば、2人のDFに囲まれてもフィジカルで活路を見いだし、強引な突破も繰り出せる。ゴール前のスペースの察知力にも長け、一瞬で相手DFの裏に入り込み、そのあとのシュートとパスの判断も非凡なものを持つ。

 187センチの大型ストライカー佐川洸介との2トップは相性抜群かつ強烈で、得点ランキングでは佐川が1位タイの4ゴール、師岡が3位タイの3ゴールと、2人で7ゴールを叩き出している。加えて師岡はアシストランキングでも1位タイの2本と、まさにチームの快進撃を牽引する攻撃の中枢となっている。
 
 6連勝を決めた第6節の国士舘大戦(〇1−0)では、相手は佐川に1枚、師岡に2枚のDFを当てて、『2トップ封じ』をしてきた。

 かなり厳しいマークがついていたが、それでも師岡は、卓越した強度と精度の高いスプリントで何度かフリーで裏へ抜け出したり、見事なポストプレーで攻撃の組み立てに参加するなど、リズムメーカーとしても存在感を放った。

 1−0で迎えた78分には退場者が1人出て数的不利となったが、師岡は最後まで運動量を落とすことなく、前線からのプレスとプレスバックを献身的に行ない守備面でも貢献し、完封勝利に貢献した。

「マークに来るのは分かっていたので、裏に抜け出すだけではなく、落ちてボールを受けたり、サイドに散らすプレーを意識しました。いままで以上にきつい相手だったので、ここで接戦を勝ち切れたのは大きいと思います」

 こう試合を振り返った師岡は、山梨の日本航空高出身。高校時代はポストプレーと裏抜けが光るストライカーで、高校3年次の選手権では10番を背負ってチームをベスト8に導いた。しかし、プロから声はかからなかった。

 それもそのはずで、頭角を現し始めた2年次に負傷を繰り返し、アピールのチャンスだった選手権予選は怪我で入院。チームの県予選敗退を結果で知ることしかできなかった。高3になってもインターハイの本大会には出場できず、リーグ戦も県リーグと、師岡が注目を集めることはなかった。
 

 また中学時代は、FC多摩ジュニアユースでプレー。当時のチームメイトで同級生には、DF関川郁万(流経大柏高→鹿島)とFW宮崎純真(山梨学院高→甲府)がいた。関川は2年次のインターハイを制覇し、宮崎は3年次のインターハイを制して、ともに高卒プロを勝ち取った。師岡はその影に隠れる形だった。

 それでも最後の選手権は前述した通り、6年ぶり2回目の本大会出場を果たしてベスト8まで進んだが、高卒プロを勝ち取るにはアピールが少し遅かった。

 しかし、いま思うと師岡は東京国際大に進学したのは大正解だった。東京国際大は前田秀樹監督の下でメキメキと力をつけてきた大学で、環境もトップクラス。ここで高校時代に足りなかったフィジカルを強化し、それに見合ったプレーを身につけることができた。
 
 高校時代の師岡はフィジカルが特別弱かったわけではない。ただ、プレーではかなり強引に身体操作を行なっているように見えた。裏に抜け出すよりも足もとでボールを受けたがり、そこで身体を当ててボールをキープするも、バランスを崩してフィニッシュが乱れることも。強さは感じるがいまのようにどっしりとした感じはなかった。

「実は高校時代はほとんど筋トレをしなかったんです。怪我して復帰をして、また怪我してを繰り返していて、その度に筋トレをしようと思ったのですが、身体が重くなって自分の軽快なプレーが消えるのが怖くてできなかったんです。でも大学に進むと、チームで筋トレの量が決められていた。なので、ほかの部員と一緒にそれを忠実にやったら、どんどんコンディションが良くなって、『これは効果あるぞ』と思うようになって自主的にやるようになりました。

 筋トレの勉強をして、身体が重くならないように気をつけながら、キープ力が武器なので上半身よりも下半身の強化は意識してやりました。ウェイトは使わずに自重でやったり、スクワットをやったりしました。週2、3でやるようになったらどんどん身体が大きくなって、かつスピードや俊敏性も消えなかった。一気にプレーの引き出しが増えたと思います」
 
 日本航空高で培われた足もとの技術と収める力に、大学に入ってからさらに向上したフィジカルがマッチしたことで、本人が言うようにプレーの幅は一気に広がった。

「高校時代は裏抜けをあまりしなかったのですが、いまはどんどんできるようになった。足もとと裏抜けの両方をこなせることで、ゴール前でやれることが増えたと思います」
 
 うまさと力強さ、そしてそれを連続して繰り出せる持続性を手に入れた成長著しいストライカー師岡柊生。Jリーグの舞台で活躍する関川、宮崎に肩を並べるべく、師岡は最後にこう決意を語った。

「目標はプロになって活躍すること。手応えは感じています」

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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