フランス遠征に臨むU−19日本代表の三大チェックポイント! チームの骨格を固めるうえで貴重な機会に

フランス遠征に臨むU−19日本代表の三大チェックポイント! チームの骨格を固めるうえで貴重な機会に

U−19代表の予想フォーメーション。



 来年のU−20ワールドカップを目指すU−19日本代表にとって、今回のフランス遠征は選手たちの可能性を広げる意味で得難い経験となるはずだ。

 5月23日、日本サッカー協会(JFA)が第48回モーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に挑むU−19代表のメンバーを発表した。冨樫剛一監督が率いるチームの活動において、注目したい3つのポイントがある。

 1つ目が、U−19世代の選手たちにとって久しぶりの海外遠征となる点だ。U−19世代の選手たちはコロナ禍で国際試合から遠ざかっており、選出された23名のメンバーの中には初めて代表チーム同士の試合に挑む選手も少なくない。海外勢特有のリーチの長さやフィジカルの強さを知らない者からすれば、未知との遭遇になる。

 だが、そうした経験値を高めなければ、世界の強国とは戦えないのも事実。大会初戦で対戦するアルジェリアや2戦目のコモロといったアフリカ勢、3戦目で当たる南米のコロンビアとの一戦では国内で味わえないマッチアップができるだけでなく、自分たちの現在地を知る機会になるはずだ。

 2つ目のポイントは選手たちの試合勘だ。今回のメンバーは現状でのベストに近いが、冨樫監督は選手選考に頭を悩ませたという。

「日常のトレーニング、試合状況、ポジションによって、なかなか試合に絡めていない選手もいるが、選考基準としてはよりゲームに関わることが多いメンバーを選んだ」

 U−19世代はプロの世界に入って間もない選手がほとんど。FW横山歩夢(松本)ほか、今回はU−21代表の活動に参加するMF松木玖生(FC東京)やMF中村仁郎(G大阪)のように出場機会を得られている者はごくわずかだ。今回のメンバーでも国内組でGK陣が3名とも大学生になったのも、他の選手の出場機会を鑑みてのことだった。
 
 U−19世代の選手たちを見ると、大半は出番がなく、試合勘を失ってしまう。高校時代に圧倒的なプレーを見せていた彼らの成長曲線が鈍化してしまう傾向にあるのもそのためだ。

 東京五輪世代が軸となった2017年のU−20ワールドカップに出場したチームで指揮官を務めた内山篤氏も、過去に「基本的には90分間動ける。これを前提として(本大会やU−19アジア選手権に)連れて行かないと難しい」と話していた。9月上旬に行なわれるU−20アジアカップ予選や翌春に行なわれる同大会の本戦(U−20ワールドカップの最終予選)を見据えれば、ひとりでも多くの選手が台頭しなければ、出場権を逃す結果になっても不思議ではない。

 そうした状況を踏まえれば、DF中野伸哉(鳥栖)やDF田中隼人(柏)など主力候補の選手たちにとっても、今回のモーリスレベロトーナメントは重要になる。所属クラブでポジションを掴むきっかけにできれば、冨樫監督も今後は良い意味でメンバー構成に頭を悩ませるだろう。
 

 3つ目のポイントは海外組の存在だ。鳥栖の下部組織から昨夏にオーストリアのFCヴァッカー・インスブルックに移籍したFW二田理央は、U−23チームで結果を残しており、エース候補として注目が集まる。海外組とあって代表活動に参加できる機会は限られていることを考えれば、メンバー入りした点は大きな意味を持つ。

 そして、U−16スペイン代表歴を持つ左SBの橋センダゴルタ仁胡(バルセロナ)、右SBの前田ハドー慈英(ブラックバーン)といった海外にルーツを持つ選手もメンバー入りを果たしている。彼らは早くから欧州でプレーしている選手。他国の代表を選択できる立場にあるが、2020年10月に設置されたドイツ・デュッセルドルフにあるJFAのヨーロッパオフィスに常駐するフットボール本部強化育成部の津村尚樹氏を中心に動向を追いかけて、今回の招集に至った。メンバー入りについて、冨樫監督はこう説明する。

「海外に駐在して、スカウティングして頂いている方が日本サッカー協会にはいます。彼らがしっかりとスカウティングしてくれて、情報を常に共有している。この状況下で私は直接見に行けなかったが、映像をしっかり確認し、本人たちともウェブでミーティングして彼らの意思を確認しました。日本のためにしっかり戦いたいという意思があったので、今回選ばせてもらいました」
 
 ともに母親が日本人で、語学面の心配もない。彼らがU−19代表にどのような刺激を与えるのか。海外にルーツを持つ選手たちのプレーからも目が離せない。

 今回がチーム発足後、3度目の活動となる。9月のU−20アジアカップ予選までに残された時間はそう長くないだけに、今回の遠征はチームの骨格を固めるうえで重要な場になる。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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モーリスレベロトーナメントに挑むU−19日本代表メンバー
※背番号/名前(所属)/生年月日

GK 
23 木村凌也(日本大)2003.06.10
12 波多野崇史(同志社大)2003.07.14
1 佐藤瑠星(筑波大)2003.10.24

DF
16 工藤孝太 (浦和) 2003.08.13 
2 菊地脩太 (清水)2003.08.16
4 中野伸哉(鳥栖)2003.08.17
19 松田隼風(水戸)2003.10.02
3 田中隼人(柏)2003.11.01
13 前田ハドー慈英(ブラックバーン・ローヴァーズFC/ENG)2004.04.02
21 高井幸大(川崎U−18)2004.09.04
14 橋センダゴルタ仁胡(FCバルセロナ/ESP)2005.08.17

MF
6 山根 陸(横浜)2003.08.17
8 中村仁郎(G大阪)2003.08.22
15 升掛友護(柏)2003.08.24
17 佐野航大(岡山) 2003.09.25
18 屋敷優成(大分)2003.10.18
5 宇野禅斗(町田)2003.11.20
7 山崎太新(筑波大)2004.02.27
20 福井太智(鳥栖U−18)2004.07.15
9 北野颯太(C大阪)2004.08.13

FW
10 横山歩夢(松本)2003.03.04
11 二田理央(FCヴァッカー・インスブルック/AUT)2003.04.10
22 熊田直紀(FC東京U−18)2004.08.02
 
 なお、日本戦全試合はCSテレ朝チャンネルにて独占生中継される(※5位以下の順位決定戦を除く)。マッチスケジュールは以下のとおり。

5/31日(火)14:00(日本時間21:00)vs.アルジェリア
6/3日(金)14:00(日本時間21:00)vs.コモロ
6/6日(月)14:00(日本時間21:00)vs.コロンビア
6/8日(水)順位決定戦(9位-10位、11位-12位)
6/9日(木)準決勝
6/10日(金)順位決定戦(5位-6位、7位-8位)
6/12日(日)決勝、3位決定戦
 

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