柏レイソルはなぜ2試合で9ゴールを奪えたのか? 大量得点の布石は負け試合での指揮官の“宣言”

柏レイソルはなぜ2試合で9ゴールを奪えたのか? 大量得点の布石は負け試合での指揮官の“宣言”

攻撃力が上がってきた柏。自慢のアタックを牽引しているのは、細谷(19番)とM・サヴィオ(10番)だ。写真:徳原隆元



 12節の浦和戦から14節のFC東京戦まで3試合連続ノーゴールだった柏レイソルが、15節で札幌に6-1、16節で清水に3-1と快勝。2試合で9ゴールと一気に大量得点を奪えるようになった。

 清水戦で先制点を決めたマテウス・サヴィオに、チームのゴール量産の要因を聞いた。

「これまでもやっていることは間違っていなかったので、継続したらここ2試合で結果につながりました。中盤でボールポゼッションし、ゴールに向かう姿勢を選手たちが持てています。攻撃に重点を置いていますが、良い守備から攻撃に転じる局面が増えてきたからこそ、多くのチャンスを作れている」

 大南拓磨にはDF視点の見解を教えてもらった。

「ラインを高くして、FWから最終スラインの間をコンパクトにして、しっかりセカンドボールを回収することは監督からずっと言われています。これまでは3バックとウイングバックが下がってしまうと間延びしてしまうことが多かった。前からプレスに行っているのに、僕達が下がってしまう、みたいな。そういうところを改善し、裏のケアはGKの(佐々木)雅士に任せて、僕らは前にいく。そこからしっかりハメて良い守備から良い攻撃ができている。距離感が良いからショートカウンターができていると思っています」
 
 ふたりが話した内容は、振り返ると実は、0-1で敗れた13節のG大阪戦でも表現できていた。清々しい表情で会見に登壇したネルシーニョ監督の言葉を思い出す。

「序盤から自分たちのテンポで良い入りができたし、戦術、技術、ともにこちらが準備したものを選手たちがしっかりとピッチで表現してくれた。良い守備から良い攻撃への連動性も見れたし、前半から後半にかけて決定機を相当作れた。

 ただ、このガンバ戦は、やはり決定機を決めきれずに逆に相手の一発に泣かされたゲームでした。もちろん、0-1は望んだ結果ではないですが、試合後にロッカールームで選手たちには『この敗戦は、ゲーム内容の価値を下げるものではない。非常に攻撃的で魅力的なサッカーをできたと思っている』と声をかけました。負けましたが次節につながるよう、またしっかり準備をしていきたい」

 大量得点の布石は、ネルシーニョ監督が選手たちに話した「この敗戦はゲーム内容の価値を下げるものではない」という“宣言”にあったと思う。実際、G大阪戦からフィールドプレーヤーの先発メンバーを固定しているし、試合を重ねるごとに選手間のコンビネーションが良くなっている。

 正直、昨シーズンと今季の3連敗中(8節の川崎戦から10節の鳥栖戦)は、試合ごとにシステムやスタメンを頻繁に変更するネルシーニョ監督の采配に疑問を抱いていた。事実、そういう批判記事を何度も書いたが、厳しい指摘を今では申し訳なく思うほど、現チームは“ブレない智将”の下で戦い方が確立されてきている。
 
 しかもネルシーニョ監督は、細谷真大を筆頭に、森海渡や升掛友護などの若手を積極起用して成長させている。どうやら、クラブに多くのタイトルをもたらした第1次政権時(09年7月~14年)のような勝負勘が蘇ってきた様子で、そんな指揮官を選手たちが信頼しているのは言葉の節々から感じ取れる。

 老いてなお盛んなネルシーニョ監督を先頭に、信じれる道が見えた柏の未来は、結構明るいのではないだろうか。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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