勝ち進むたびに逞しさ増す大岩ジャパン。決勝進出を懸け、開催国ウズベク撃破のカギを握るのは?【U-21代表】

勝ち進むたびに逞しさ増す大岩ジャパン。決勝進出を懸け、開催国ウズベク撃破のカギを握るのは?【U-21代表】

準々決勝で韓国に完勝し、ベスト4に駒を進めた大岩ジャパン。大会を通じて逞しくなり、一体感もさらに高まってきている。(C)2022 Asian Football Confederation (AFC)



 3−0で快勝した韓国との準々決勝から3日。 U-23アジアカップを戦っているU-21日本代表が決勝進出を懸け、現地時間6月15日に開催国のウズベキスタンと対戦する。

 今大会のU-21日本はUAE、サウジアラビアといった強豪国が揃うグループを2位で突破。ライバルの韓国も退けるなど、一戦毎に成長を遂げてきた。しかも、相手は2歳年上のU-23世代のチームばかり。ひとつとして簡単な試合はなかったし、サウジアラビアとの2戦目とタジキスタンとの3戦目は、ともに後半に退場者を出しながらも、前者は引き分け、後者は勝利を手にしている。難しいシチュエーションでも勝点を得た経験値は何ものにも代えがたい財産だ。

 チームとしても、大会を通じて逞しくなり、一体感もさらに高まってきている。ピッチに立っている選手だけではなく、ベンチから盛り立てる声が随所で聞かれ、スタッフを含めた全員の力で戦っている印象が強い。

 大岩剛監督も「立場がどうであれ、目の前の試合に向かっていく。選手が理解したうえで立ち振る舞ってくれているので、良いグループになってきた感触はある」と、チームの成長に目を細めている。

 手応えを得て向かうセミファイナル。対戦するウズベキスタンを率いるのはティムル・カパーゼ監督で、現役時代はボランチなどで活躍した同国のレジェンドだ。2011年にはワールドカップのアジア3次予選で日本代表とも対戦しており、同国の代表として国際Aマッチに119試合に出場した経歴を持つ。

 レジェンドが率いるチームには個性豊かな選手が揃っており、レフティで10番を背負うジャスルベク・ジャロリドディノフを軸にパワフルな攻撃を仕掛けてくる。両サイドにもスピードに長けた選手が配置され、フィジカルも強い。いわゆるヨーロッパ型のチームで、今大会で対戦した韓国や中東勢とはまた違う特徴を持つチームであるのは間違いないだろう。
 
 その一方で、開催国のアドバンテージを発揮できない点は日本にとって追い風となる。当初、スタジアムには大勢のサポーターが駆け付けると見られていたが、イラクとの準々決勝でウズベキスタンのサポーターが試合序盤に暴動を起こした影響で、準決勝は日本人サポーターのみ入場できることになったからだ。

 問題となったイラク戦は3万人を超える観衆を集めたが、12分にVARの介入でウズベキスタンのGKが退場処分を受けてPKの判定が下されてしまう。すると、一部のサポーターが暴徒化。投石などがあり、カメラマンが負傷する一幕があった。

 事態を重くみたAFC(アジア・サッカー連盟)が準決勝でウズベキスタンのサポーターの入場を禁止に。もちろん経験値を考えれば、アウェーの雰囲気を味わうべきだったかもしれない。だが、不安要素が取り払われたのはプラスの材料と見えるべきだろう。
 

 そうした状況下で行なわれる一戦において、日本は決勝進出を懸けた大一番に向け、14日に試合前最後のトレーニングを行なった。練習後の時点では試合当日に観客が入れるか決まっていないなど不確定要素が多かったが、状況に動じる様子は一切見られない。藤田譲瑠チマ(横浜)も「自分たちのやるべきことに集中してやれればいい」と相手に左右されず戦うことを誓っていた。

 そのウズベキスタン戦でポイントになりそうなのが、守備陣の出来だ。今大会はここまでの4試合でわずかに1失点。安定した守りを見せているのは心強い。藤田も自信を深めており、守備にポイントを置く。

「自分たちはここまで失点数が少ないことが武器。その要因はみんなが身体を張って守備ができる点や、前線からみんなが走ってプレスをかけられていることだと思う。守備から入るわけではないけど、攻撃はすごく良いモノを持った選手がたくさんいるので、まずは守備でみんながサボらずに戦いたい」
 
 前線と中盤が一体となってプレスを掛けつつ、自陣ゴール前ではチェイス・アンリ(シュツットガルト)&馬場晴也(東京V)のCBコンビと守護神・鈴木彩艶(浦和)を軸に粘り強く守れるか。攻撃陣も好調を維持しているだけに、守備の出来が勝敗を左右するはずだ。

 対戦するウズベキスタンは、日本と同じくパリ五輪を目指すU-21代表で参戦しているチームでもあり、2年後の予選を見据えても、ここで叩いておきたい。選手たちもその重要性を理解しており、「オリンピックをかけて戦う相手になるので、まずはここでしっかりと勝ち、自分たちが嫌な相手として印象付けたい」と藤田も言い切る。

 2016年度大会以来の優勝を目ざす若き日本代表がどのような戦いを見せるのか。日本時間の16日1時にキックオフを迎える大一番から目が離せない。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

[試合情報]
AFC U23アジアカップ2022
準決勝
日本代表 vs ウズベキスタン代表
2022年6月16日(木)1時キックオフ
DAZN独占配信

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