南野拓実のトップ下&三笘薫の左ウイング。スタートから試しても良かったのでは?

南野拓実のトップ下&三笘薫の左ウイング。スタートから試しても良かったのでは?

後半途中に三笘が途中出場。左ウイングの三笘、トップ下の南野は見応えがあった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)



[キリンカップ]日本 0-3 チュニジア/6月14日/パナソニックスタジアム吹田 

 0−3で完敗したキリンカップのチュニジア戦、前半はかなり退屈だった。

 日本はボールを保持していたものの、チュニジアの統制されたディフェンスを前に突破口を見いだせず、相手の守備ブロックの周りを各駅停車のパス回しで旋回するばかり。しかも相手に狙われたアンカーの遠藤航があたふたしてしまい、自陣からパスワークで崩しにかかるのは厳しい現実を露呈した。

 チームとして拙攻でも、孤軍奮闘していたのが右ウイングの伊東純也だった。何度も右サイドを打開し、35分にはクロスから鎌田大地の絶好機を演出。組織的な攻撃ができない森保ジャパンは、やはりウイングの単独突破頼みだと改めて感じた。

 となると左ウイングの1番手に推したいのは、南野拓実ではなく三笘薫だろう。チュニジア戦でも60分に途中出場してから、自慢のドリブルで左サイドを独力で打開していた。
 
 もっとも、南野の能力を否定しているのではなく、左ウイングが適性ではないだけであって、三笘投入後にトップ下に移ってから躍動。バイタルエリアで縦パスを引き出した10番は攻撃の潤滑油となり、まるで全盛期の香川真司のようだった。

 南野をトップ下に移してからは、田中碧と遠藤のダブルボランチにシフト。もちろん田中は4−3−3のインサイドハーフでも、ビルドアップ時に気を利かせて中盤の底に落ちてボランチ気味に振舞うシーンもあった。ただ、ハッキリと4−2−3−1に並びが変わってからのほうが、パスの出し手が田中、受け手が南野という関係性が分かりやすくなったので、前半と比べれば攻撃の質が改善。前半はアンカーとして遠藤に舵取り役も任せるのは心許なかったが、この問題点は田中が隣にいれば解消された。

 55分に先制点を許し、60分に三笘投入後の時間帯は攻撃に勢いがあった。それだけに71分にトップ下の南野が途中交代したのは残念で、76分と後半アディショナルタイムの失点でかなり後味の悪いゲームとなった。

 三笘が左サイド、南野がトップ下、遠藤と田中がダブルボランチに並んだ4−2−3−1システムが、11分間しか見られなかったのは悔やまれる。スタートから試しても良かったかもしれない。

 彼らに限らず選手たちは6月シリーズの4連戦で新たな可能性をピッチ上に散りばめていたと思うが、それを指揮官は拾いきれただろうか。相手のレベルが低かったパラグアイ戦とガーナ戦はさておき、ブラジル戦とチュニジア戦ではアジア最終予選と同じシステム、怪我などの事情を除けば似たような先発メンバーでスタートして、限界を示しただけだろう。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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