【U-21日本代表|通信簿】“最もA代表に近い男”は鈴木唯人!藤田はリーダーとして存在感、アンリは大会を通じて急成長

【U-21日本代表|通信簿】“最もA代表に近い男”は鈴木唯人!藤田はリーダーとして存在感、アンリは大会を通じて急成長

ウズベキスタンで開催されたU-23アジアカップで、大岩ジャパンは3位で大会を終えた。2022 Asian Football Confederation (AFC)



 ウズベキスタンで開催されたU-23アジアカップで、U-21日本代表は3位で大会を終えた。目標に掲げていた優勝は果たせなかったものの、今回の成績で、パリ五輪の最終予選を兼ねる2年後のU-23アジアカップにおいて「ポット1」を確定させたのは大きな価値がある。

 大岩剛監督就任後で最も長い活動となった今大会で、選手たちはどんなプレーを見せたのか。5段階評価(S→A→B→C→D)で23名のメンバー、監督、チームを査定する。

【日本の戦績】
▼グループステージ
第1節:〇2―1 UAE戦
(得点者/鈴木唯人、細谷真大)
第2節:△0−0 サウジアラビア戦
(得点者/なし)
第3節:〇3−0 タジキスタン戦
(得点者/松木玖生、佐藤恵允、中島大嘉)

▼ノックアウトステージ
準々決勝:〇3−0 韓国戦
(得点者/鈴木唯人A、細谷真大)
準決勝:●0−2 ウズベキスタン戦
(得点者/なし)
3位決定戦:〇3−0 オーストラリア戦
(得点者/佐藤恵允、オウンゴール、藤尾翔太)

――◆――◆――
 
■GK
1 小久保玲央ブライアン [評価]B
1試合(先発1)出場・0失点
唯一の出場機会となったグループステージ(GS)のタジキスタン戦で能力の高さを示す。守備機会は多くなかったが、集中力を切らさないで無失点に抑えてみせた。ピッチ外でも重要な役割を果たし、ムードメーカーとしてチームを盛り立てる。

12 鈴木彩艶 [評価]A
5試合(先発5)出場・3失点
得意のハイボール処理はもちろん、ミドルシュートや1対1の場面でも動じずに対応した。GSのUAE戦では相手のシュートを片手で外に弾き出すなど、力負けしないパワーは目を見張った。パントキックやスローも安定しており、世代屈指のGKであることを改めて証明した。

23 佐々木雅士 [評価]D
0試合・0失点
今大会は登録メンバーで唯一出場機会がなかったが、鈴木彩や小久保と切磋琢磨しながら、GK陣の練習を盛り立てる。チームにポジティブな空気を作り出す原動力となり、ピッチ外での存在感は絶大だった。
 

■DF
2 半田 陸 [評価]B
5試合(先発3)出場・0得点
粘り強い守備でチームを支える。攻撃面でもオーバーラップを仕掛けるだけではなく、時に内側にポジションを取って積極的にチャンスに関与。山形で培ってきたサッカーIQを見せ、新たな可能性を示したのは好印象だ。

3 馬場晴也 [評価]B
4試合(先発4)出場・0得点
GS3戦目から出場機会を掴み、得意のインターセプトで相手の攻撃を寸断。藤田不在の際はキャプテンを任されるなど、リーダーとしての貢献度も高かった。背後を取られた際の対応が改善できれば、より頼れる存在になるはずだ。

4 鈴木海音 [評価]B
2試合(先発2)出場・0得点
初戦から2試合連続で先発出場の機会を掴み、最終ラインの軸として振る舞う。チーム最年少チェイスのサポートに入りつつ、最終ラインを引っ張った。コンディション不良でフル稼働できなかった点が心残り。

5 木村誠二 [評価]C
2試合(先発2)出場・0得点
持ち前の空中戦で強さを見せるなど、対人プレーで強みを見せる。今大会中に大岩監督から指導を受け、フィードの質も改善された。だが、組み立ての部分でイージーなミスが目立つなど、足もとの技術に不安を残した。

15 畑 大雅 [評価]C
2試合(先発1)出場・0失点
自身の価値を証明すべく、並々ならぬ想いで大会に入ったSBは良さを出し切れず。スピードで相手を振り切るシーンもあったが、周りとの呼吸が合わないシーンが目立った。序列を覆すまでには至らず、悔いが残る結果に。

16 内野貴史 [評価]B
5試合(先発4)出場・0得点
ポリバレントな能力を示し、両SBだけではなく右サイドハーフでもプレー。大岩監督から重宝され、一戦毎に逞しさが増した。とりわけ、攻撃面では成長の跡を残し、正確なクロスや縦パスで2アシストを記録。
 
17 加藤 聖 [評価]B
5試合(先発4)出場・0得点
目に見える結果は残せなかったが、得意の左足でチャンスを演出。守備でも粘り強い対応を見せてはいた一方で、相手に振り切られるシーンも散見。守備時のポジションニングを含め、今後に課題を残した。

22 チェイス・アンリ [評価]A
4試合(先発4)出場・0得点
今大会中に最も成長した選手のひとりだ。初戦では失点に絡むミスもあったが、恐れずにトライ。空中戦では相手を跳ね返し、縦パスやフィードでも時に唸るようなボールを蹴り込んだ。レギュラー争いに食い込む力があることを証明した。
 

■MF
6 松岡大起 [評価]B
6試合(先発4)出場・0得点
大岩ジャパンに初参戦し、アンカーやダブルボランチの一角でプレー。豊富な運動量でピンチの芽を潰した一方で、攻撃面では不満を残す。ビルドアップ時にボールを引き出せず、初めてとなるアジアの戦いで苦戦を強いられた。

7 山本理仁 [評価]A
6試合(先発5)出場・0得点
中盤の底でゲームを組み立てるだけではなく、チャンスメイクの役割も担う。高い位置にポジションを取り、得意の左足のパスで相手の急所を突いた。守備でも身体を張った守りでユニホームを汚し、攻守でチームに欠かせない存在に。

8 藤田譲瑠チマ [評価]S
6試合(先発5)出場・0得点
チームリーダーとして積極的に仲間に声を掛け、ベンチスタートだった3位決定戦前のアップでは、自らの判断でスタメン組の練習に加わってチームメイトを鼓舞。プレー面でも存在感を示し、ボールを刈りながら鋭いパスを前方に付けたのも好印象だ。

10 斉藤光毅 [評価]C
5試合(先発4)出場・0得点
シーズン終了後の合流でコンディションが整わず、身体のキレも今ひとつ。大会を追うごとに状態を上げたが、大会を通じてゴールとアシストは0。ドリブルで仕掛けるシーンも少なく、期待を裏切る結果に。

13 佐藤恵允 [評価]B
4試合(先発2)出場・2得点
今大会唯一の大学生は尻上がりに調子を上げ、パワフルな突破で局面を打開。3位決定戦では角度のない位置から強烈なシュートをねじ込む。また、サイドハーフと最前線に対応できる汎用性も示した。

14 山田楓喜 [評価]C
3試合(先発2)出場・0得点
自慢の左足で強烈なミドルシュートを放ち、セットプレーではキッカーも託される。だが、相手に阻まれるシーンが散見し、決定的な仕事はできず。仕掛けのバリエーションも不足し、なかなかプレーに絡めない時間帯も。
 
19 松木玖生 [評価]B
4試合(先発2)出場・1得点
出場時間は限られたものの、身体の強さと推進力はアジアの戦いでも通用した。ゴールへの貪欲さも相変わらずで、タジキスタン戦ではゴールを記録。一方で“違い”を作り出す場面が少なく、独力で局面を打開するシーンは限られた。

20 三戸舜介 [評価]C
4試合(先発2)出場・0得点
タジキスタン戦で不要なファウルから一発退場に。2試合出場停止となり、疲労が溜まる中盤戦以降に稼働できなかったのは痛恨だった。プレー面では好機を作ったが、決定力不足に泣く。
 

■FW
9 藤尾翔太 [評価]B
5試合(先発3)出場・1得点
サウジアラビア戦でレッドカードを受けたのは反省点だが、フィジカルの強さを生かしたプレーでチームに貢献。人員不足となった右サイドハーフでも起用され、ウイングストライカーとして新境地を切り開く。

11 細谷真大 [評価]A
5試合(先発4)出場・2得点
献身的な守備と泥臭くゴールを狙う姿勢を貫き、チームのために最後まで走り続ける。飛び出しのタイミングが良く、ファーストタッチの精度も良好。韓国戦ではこぼれ球からネットを揺らし、点取り屋の仕事を果たす。

18 鈴木唯人 [評価]S
5試合(先発4)出場・3得点
技術力とパワーを兼ね備えるアタッカーの存在感は圧倒的。囲まれてもボールを奪われず、数的不利でも相手を蹴散らす強さもあった。韓国戦で奪った2ゴールは圧巻。最もA代表に近い男と呼ぶに相応しい出来だった。

21 中島大嘉 [評価]C
6試合(先発1)出場・1得点
陽気なキャラでチームを盛り上げた一方で、ストライカーとしては物足りない結果に。気持ちがプレーとリンクせず、最後まで空回り。1ゴールを奪ったが、初先発となった3位決定戦では不発に終わり、試合後は涙に暮れた。

■監督
大岩 剛 [評価〕A
周到なチームマネジメントでチームを3位に導く。目標としていた優勝は果たせなかったが、コロナ禍の影響で限られたメンバーで選手のポテンシャルを最大限に引き出す。パリ五輪の最終予選を兼ねる2年後のU-23アジアカップの第1ポットも獲得し、今後に向けて弾みがつく結果に導く。

■チーム [評価]A
準々決勝の韓国戦では3−0の快勝を収めたのは、チームとして成長の証。大岩監督から求められるタフさを体現しながら大会を通じて安定したパフォーマンスを見せた。戦術理解度も深まり、チームとしての一体感が生まれたのも今後につながる。

――◆――◆――
 
 新型コロナウイルス感染の影響で起用できないメンバーが複数いたなかで、疲労を抱えながら好プレーを見せた選手も多い。とりわけ、素晴らしかったのは鈴木唯人だ。UAEとの初戦では「高校時代にも記憶がない」という強烈なFKをねじ込み、準々決勝の韓国戦では2得点を奪い、細谷真大の得点にも関与。推進力はもちろん、ゴール前での冷静さが光り、クオリティが落ちる試合はほぼ見られなかった。今大会のMVPに推す。

 アジアの舞台でたしかな成長の跡を示したが、視線は次の目標に向いている。「自分はA代表になっても遜色なくできるレベルになりたい」と言い切るアタッカーが、今後のどのような成長を見せるのか注目したい。

 そのほかにも一戦毎に逞しくなったチェイス・アンリや、キャプテンとしてチームを牽引した藤田譲瑠チマ、守護神として好セーブを連発した鈴木彩艶も印象に残るプレーを見せた。今大会で評価を高めた選手たちのさらなる成長に期待したい。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

【関連動画】U-21鈴木唯人、韓国戦で圧巻2発! 鮮烈FK弾&鮮やか反転ショット!
 

関連記事(外部サイト)