クラブの“格”がガタ落ちのバレンシア。ゲデス、C・ソレール、ガヤら主力の今夏売却は不可避か

クラブの“格”がガタ落ちのバレンシア。ゲデス、C・ソレール、ガヤら主力の今夏売却は不可避か

司令塔のC・ソレールにはバルサやナポリへの移籍の噂がある。(C)Getty Images



 ヨーロッパは階級社会だ。フットボールにおいても歴史やホームタウンに準じたクラブごとの“格”というものが存在し、それは容易に覆るものではない。

 そんな中、規模的にも歴史的にもスペインのトップクラブとして君臨し続けてきたバレンシアは、近年その座が完全に揺らいでいる。

 今世紀を迎えた頃、バレンシアは間違いなくスペイン、そしてヨーロッパの強豪の一角を占めていた。アルゼンチン人のエクトル・クーペル監督の下で、1999−2000シーズンから2年連続でチャンピオンズ・リーグの決勝に進出。2001−2002シーズンにはラ・リーガを制覇し、2年後にはラ・リーガとUEFAカップ(現在のヨーロッパリーグ)の2冠を達成した。

 しかし、クラブ内の権力闘争が経営の不安定化を招く中、ディエゴ・シメオネの監督招聘を境に復活を遂げたアトレティコ・マドリーがスペイン第3のクラブに成長。シンガポール人実業家のピーター・リムがバレンシアを買収したのは、そんな両者の立場が逆転しつつあった2014年だった。

 新オーナーは大型補強を約束し、新体制発足をきっかけにV字回復することが期待された。しかし約束が実行されたのは最初の数年だけで、年々、投資額は減少。監督の人選でも迷走を続け、マルセリーノ・ガルシア・トラル、ハビ・グラシア、ホセ・ボルダラスと、近年の監督は軒並み、喧嘩別れのような形でクラブを去っている。
 
 昨シーズンもバレンシアは、ヨーロッパ・カップ戦の出場権を逃した。これで3年連続だ。その巨額損失の補填のために現地では、ゴンサロ・ゲデスとカルロス・ソレールの今夏の売却は必至と伝えられており、2023年6月に契約が満了するふたり、キャプテンのホセ・ルイス・ガヤとウーゴ・ギジャモンにも移籍の噂が絶えない。

 地元バレンシアのスポーツ紙『スーペル・デポルテ』は、「いまやセビージャ、ベティス、レアル・ソシエダ、ビジャレアルといったクラブにも、マネジメント力という点で大きな差をつけられた。今後その差がさらに広がるようなら、回復するのは不可能だ」と警鐘を鳴らす。

 いくらスペイン第3の都市をホームタウンとし、ラ・リーガ優勝6回、コパ・デル・レイ優勝8回という偉大なバックボーンがあっても、低迷が長々と続けば話は別だ。昨シーズン最終節のセルタ戦で、選手たちが試合を行なっている最中、スタジアムの周辺で開催された大規模デモは、ファンの危機感の表われに他ならない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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