「日本はちょっとソフト」。オランダ育ちのMF三角乃英がU-16合宿に初参加。指揮官は「予測と技術、戦術眼もある」と評価

「日本はちょっとソフト」。オランダ育ちのMF三角乃英がU-16合宿に初参加。指揮官は「予測と技術、戦術眼もある」と評価

オランダ育ちの三角がU-16日本代表候補合宿に初参加した。写真:松尾祐希



 近年、日本にルーツを持つ選手が幼少期から海外を拠点にプレーするケースが増えつつある。日本サッカー協会もそうした選手の発掘に力を入れており、6月に行なわれたモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)ではU-19日本代表に香港とイングランドで育った前田ハドー慈英(ブラックバーン)、スペイン育ちの橋センダゴルタ仁胡(バルセロナ)を招集した。

 U-19世代以外でも発掘を進めており、7月11日から14日まで千葉県内で実施されたU-16日本代表候補合宿にも、ひとりの選手が活動に参加した。ユトレヒトU-16に籍を置く16歳のMF三角乃英(ミスミ・ノエ)だ。

 オランダ人の父と日本人の母を持つ三角はオランダのアムステルダムで生まれ育ち、14歳の時にスカウトを受けてユトレヒトに入団。今年の4月にはU-16オランダ代表に選出されるなど、国内外で高い評価を受けていた。正確なキックでゲームを作るプレーメーカータイプのボランチで、守備能力も高い。

 夏の休暇を利用して母方の実家に帰省していたタイミングで招集を受け、今合宿に参加。だが、日本でのプレーは初めて。サッカーのスタイルが違うのはもちろん、チームメイトで知っている選手はいないし、日本特有の高温多湿な環境にも慣れていない。

 三角自身も「オランダはフィジカルの強さが必要だけど、日本はちょっとソフト。(気候は)暑いし、ボールもちょっと違うし、やる場所も違うので難しさがある」と戸惑いがあった。また、普段はオランダ語や英語でコミュニケーションを取っているため、完璧に日本語をマスターしているとは言い難い。「日本語はあまりできないので、コミュニケーションは難しい」と言葉の壁もあった。
 
 実際にトレーニングでは良さを出せず、「中村憲剛ロールモデルコーチが、4対2で『ノエはボールを回すのは上手いけど取れないね』と話していた」と森山佳郎監督も言うほどだった。

 だが、14日に行なわれた日体大柏とのトレーニングマッチ(2−3)では見違えるようなプレーを披露。「試合ではボールが取れていたし、圧倒的なところもあって、一歩目の迫力があった」(森山監督)と持ち味を存分に発揮してアピールに成功した。

 相手を見たうえでポジションを取り、パスコースを消しながらボールを奪い切る。攻撃面では得意のキックでボールを散らしながら、高い位置にも顔を出して存在感を示した。

 慣れないところもあったが、三角も手応えを掴んだ様子。「面白かった。オランダでやっているサッカーとは違うスタイルを経験できて良かったです」と一夏の経験に最後は笑顔が溢れた。

 関係者の話では「今後、どちらの代表を選択するかはまだ分からない」とのことだが、森山監督は「ノエはポジショニングも良いし、予測と技術もあって戦術眼もある」と三角に期待を寄せている。今後は日本を離れ、オランダで再び研鑽を積む。目標はバルセロナのペドリ。憧れの若き名手を目ざし、さらなる成長を遂げられれば、そう遠くない時期に日の丸を背負う三角乃英が再び見られるはずだ。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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