快進撃を続ける新潟医療福祉大のエースストライカー小森飛絢。実力者が揃うJ2千葉でも“ヒーロー”となれるか

快進撃を続ける新潟医療福祉大のエースストライカー小森飛絢。実力者が揃うJ2千葉でも“ヒーロー”となれるか

新潟医療福祉大で10番を背負う小森。鋭いターンやテンポの良い球出しで攻撃を牽引する。写真:安藤隆人



 近年メキメキと力をつけ、北信越の新興勢力から『北信越ナンバーワンのタレント集団』と姿を変えた新潟医療福祉大。4大会連続出場の今年の総理大臣杯でも、初戦で関西福祉大に5−1で圧勝し、2回戦では東海王者の中京大に3-0の完勝。初の準々決勝進出を果たした。

 快進撃を続ける新潟医療福祉大で10番を背負い、エースストライカーとして前線に君臨するのが4年生のFW小森飛絢(ひいろ)だ。

 2トップの一角で出場し、初戦で2ゴールをマーク。中京大戦では2戦連発とはいかなかったが、安定した足もとの技術とアジリティ、そして鋭いターンとテンポの良い球出しを駆使して、攻撃の中枢としてリズムメイクした。
 
 小森のプレースタイルは高校時代からブレていない。富山一高時代もFW、トップ下、サイドまで、アタッカーのポジションであればどのポジションでも、どのシステムでも、持ち味であるキープ力、パスセンス、フィニッシュの精度を発揮することができた。

 積極的に最前線に張り出してポストプレーをしてから、そのまま相手DFの背後のスペースを突く。また下りてボールを呼び込み、ワンタッチパスからリターンを受けたり、ターンをして前を向いてからパスを配って、自らはペナルティボックス内やDFラインのスペースに潜り込んでいく。

 高3の沖縄インターハイでは、鋭いゴール前の嗅覚を惜しげもなく発揮し、7ゴールで得点王に輝き、チームを準優勝に導いた。

 多彩な能力は新潟医療福祉大でさらに磨かれた。かつて桐光学園高を率い、中村俊輔(横浜FC)などを育てた名将・佐熊裕和監督は、小森の動きながらのプレーの質と引き出しの多さに惚れ込み、「どうしても欲しい選手」と関東の大学も動くなか、熱烈なラブコールを送って獲得に至った。
 

 佐熊監督は小森を1年時から起用し、攻撃のマルチタスクを与えて自由にプレーをさせることで、引き出しをさらに増やした。さらに、驚異のスピードアタックとクロスの質を誇る右サイドのオナイウ情滋(4年/J2仙台内定)、前線で屈強なフィジカルでターゲットになれる1学年下のFW田中翔太と組ませ、彼らの強烈な個性を引き出すプレーを要求。それに応える形でキレとプレースピードを磨いた小森は、2年時、3年時と2年連続で北信越大学リーグ得点王に輝くと、今年は全日本大学選抜として日韓戦にも出場し、J2千葉への加入内定も決まった。

「(千葉は)デンソーカップ(3月)が終わってからも熱心に声をかけてくれて、スカウトの方が試合にも足を運んでくれて物凄く熱意を感じました。練習参加はしていませんが、ジェフは歴史のあるクラブですし、伝統もあるビッグクラブ。選手のレベルも高いので、その中で力を発揮したいと思って決めました」

 千葉の前線では、ユース出身の190センチの櫻川ソロモン(21歳)、186センチのブワニカ啓太(19歳)と、歳下のストライカーがレギュラーを張る。ほかにもベテランの川又堅碁やチアゴ・デ・レオンソなど実力者がおり、小森が言うようにFWはかなりの激戦区だ。だが、そこに割って入るだけの実力は十分にある。
 
「僕は中盤に下りてゲームを作れるし、ゲームを作ったあとにゴール前に入っていけるので、どこでボールを受けてもベストな判断ができるように、もっと力を磨いていきたい」

 富山一高でも、新潟医療福祉大でも『ヒーロー』になっている小森は、プロの世界でもその座につける可能性を秘めている。まずはその前に新潟医療福祉大サッカー部の歴史をさらに塗り替える全国ベスト4、さらにその上へチームを導くべく、25日に行なわれる総理大臣杯の準々決勝・びわこ成蹊スポーツ大戦に向けて牙を研ぎ澄ませている。

「僕らの目標はあくまでベスト4以上。今年はそれだけの力を持っていると思います」

 まだまだ躍進は終わらない。ヒーローはチームのために貪欲にゴールを狙いながらも、しなやかかつシャープなプレーで攻撃を紡ぎ出していく。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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