6失点大敗から立ち直るも…開幕5戦未勝利のシャルケ。吉田麻也が指摘した課題は?「ディテイルが欠けている」【現地発】

6失点大敗から立ち直るも…開幕5戦未勝利のシャルケ。吉田麻也が指摘した課題は?「ディテイルが欠けている」【現地発】

今シーズンからシャルケでプレーする吉田。腕章を巻いてプレーするなど指揮官の信頼は厚い。(C)Getty Images



 敵地に駆け付けたシャルケサポーターが、歌声をシュツットガルトのホームスタジアムに響かすと、間髪入れずにシュツットガルトサポーターがシャルケを揶揄するチャントでその歌声を打ち消しにいく。昨シーズン、ブンデスリーガから消えていたやり取りだ。

 相手クラブに対するブーイングやヤジはそれぞれあるものの、シャルケへのヤジはなぜか各クラブ共通。シュツットガルトサポーターからのヤジの響きにどことなくうきうきしたものがあるように感じるのは気のせいだろうか。ブンデスリーガはシャルケの帰還を待っていた。

 昨シーズン2部リーグ優勝で無事一年での1部復帰を飾ったシャルケ。今季は5節終了時でまだ勝利がない。内田篤人が所属していた時代はチャンピオンズリーグの常連だったことを考えると、今の状況は寂しい。とはいえ、クラブの置かれている状況は当時と全く違う。

 昨年には2007年からメインスポンサーを務めていたロシアの半国営大手エネルギー企業『カスプロム』との契約を解除。その背景にロシアのウクライナ進行によるドイツ国内での反露感情の高まりがあったとはいえ、巨額の負債を抱える財政難に苦しんでいたクラブの経営情勢を考慮したら簡単な決断だったはずはない。

 それでも代表取締役のペーター・クネーベルやルーベン・シュレーダーSDは健全経営と明確なコンセプトによる新しいチーム作りを進める覚悟をブラさず、ガスプロムとの契約解除後すぐに地元ゲルゼンキルヒェンに本社を置く大手住宅会社『VIVAWEST』とのスポンサー契約を締結してみせた。スポンサー料こそ半分近くにはなったが、クラブとして方針の確かさを確認しあい、クラブ一丸となって新たな挑戦へ挑む決意を新たにしたはずだ。

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 金銭的に大型補強をすることはできない。マンチェスター・シティからレンタル加入でプレーしていた板倉滉は是が非でもレンタル延長か、完全移籍での獲得を熱望したが、その思いも夢となって潰えた。

 今シーズンの目標は1部残留だ。そのためにもいち早く勝点が欲しいのは誰もが思うところ。この日、CBでスタメンフル出場を果たした吉田麻也も「今日は勝ちたかった」とミックスゾーンで言葉をこぼした。67分、シュツットガルトDFヨシャ・バグノマンが2度目のイエローカードで退場処分となり、20分以上数的有利な状況だっただけに、もったいない試合だったのは言うまでもない。

 監督のフランク・クラマーはそこを認めながらも、戦いぶりには及第点を与えていた。

「インテンシブなパフォーマンスを見せてくれた。個人的なミスもあって不運な形で失点してしまった。起こるべきではないプレーだが、起きてしまった。だがそのあとチームはいい反応を見せてくれたと思う。全体的に規律だったパフォーマンスだった。終盤15分で3つのチャンスを生かすことができたら。もっとできたとは思うが、だが先週のウニオン(ベルリン)戦を考えると自分たちのいい面を見せることはできた。気持ちのある、チームとしてのプレーだった。成功の一部として勝点1を持ち帰る」

 前節のウニオン戦では守備が崩壊し、1-6と完膚なきまでに叩き潰された。その後の試合で、残留争いのライバルとなりそうなシュツットガルトを相手にアウェーで勝点1を手にしたことは最悪な結果ではない。シュレーダーSDは似た様な見解を話した後で、次のように付け加えていた。

「移籍市場は閉まった。いまここにいるメンバーがシャルケ04だ。ここからみんなで成長していくチームだ。その歩みを楽しみにしている。我々にはブンデスリーガのクオリティがある。毎試合後に、『ブンデスリーガでやっていけるか』ということを考えるのはもうやめよう。できる。それが私からの明確なメッセージだ」
 
 両者が口にするように攻守のバランスには向上がみられる。エースFWシモン・テローデがゴールを決めたのもポジティブなニュースだろう。だがそれだけではまだ足りない。攻撃面でチャンスを作り出していくために、吉田は一つ一つのプレーに関するこだわりを求めている。

「もっとディテイルのところだと思う。相手が一人少ない中もっとボールの回し方とかセットプレーの活用の仕方とか、どこにボールを持っていくとか、そういう細かいディテイルのところが欠けていたと思いますね。勝点3を取らなきゃいけない試合でした。試合が、リーグが続く中で、日に日にプレッシャーを感じていくことになる。早く勝点3を取って、降格圏から頭一つ抜けたいなと思います」

 チームは現実的な視点で自分たちの立ち位置を理解したうえで、どの試合でも最大限のものを求めて取り組んでいくことだろう。シャルケらしさを胸に、その先にある勝利のために、どれだけ苦しくても立ち上がり、熱狂的なファンのサポートを受けて、懸命にゴールを目ざして走り出す。勝利の歌がスタジアムに響き渡るその日が待ち遠しい。

取材・文●中野吉之伴

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