「攻撃を牽引している点は高く評価できる」ヘタフェ戦では沈黙も、久保建英の開幕1か月をソシエダ番記者は称賛!「残念なのが…」【現地発】

「攻撃を牽引している点は高く評価できる」ヘタフェ戦では沈黙も、久保建英の開幕1か月をソシエダ番記者は称賛!「残念なのが…」【現地発】

ヘタフェ戦では古巣の厳しいマークに苦しんだ久保。(C)Getty Images



 ジョン・トシャックは、レアル・ソシエダの歴史において最も重要な監督の1人だ。1980年代前半にラ・リーガ連覇を果たし黄金時代を経たチームの新たな牽引役となった手腕だけでなく、カリスマ性に溢れる特異なキャラクターでも注目を集めた。

 そんな彼の個性を際立たせていたのが、英語のことわざや慣用句をそのままスペイン語に置き換えて使ってしまう癖だ。20年間スペインに滞在した後も、スペイン語がまるで上達しなかったことも背景にあったが、外国人特有のストレートな言い回しは、トシャックらしさを強調させていた。実際、レアル・マドリー時代に自らの発言の撤回を求められた時に発した「(サンティアゴ)ベルナベウの上空を豚が飛ぶよりあり得ない」という言葉は、監督解任の直接の引き金になったほどだ。

 ソシエダの監督時代に、ファンの間でお馴染みになった言葉の一つが、ヨーロッパカップ戦との比較において、ラ・リーガを毎日の朝食の「パンとバター」に喩えたものだ。平日に大一番を戦った後にルーティーンワークに戻る難しさを表現した言葉だが、オールド・トラッフォードで天国を味わった3日後にヘタフェで地獄に突き落とされたソシエダは今回図らずもそれを証明してしまった。

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 なかでももはや呪いと言っても過言でないのがコリセウム・アルフォンソ・ペレスでの相性の悪さだ。マンチェスター・ユナイテッド戦で全精力を使い果たした後の試合でパフォーマンスが上がらず、黒星を喫するのはまだ想定内だとしても、不甲斐ない内容に終始する中、開始50分で2ゴールをプレゼントし、おまけに鳴り物入りで加入したばかりのウマル・サディクが今シーズン絶望となる大怪我をしてしまうのだから始末に負えない。

 このスタジアムで普段と同じパフォーマンスを発揮できない理由を探すのは、徒労感に襲われるだけだ。タチが悪いのは選手たちたち自身もそれをどう解釈し、正当化すればいいか分かっていない様子であることで、こうして毎回訪問するたびに同じ石につまずくことになってしまうのである。

 低調な出来に終わったのは、タケ・クボ(久保建英)も同様だ。ダビド・シルバ不在時の代役を託す構想を持っているイマノル・アルグアシル監督は、メディアプンタ(トップ下)でスタメンに起用。アレクサンダー・セルロトとサディクの2トップ下で構える4-4-2のダイヤモンドの頂点で、タケにとって能力を存分に発揮できるポジションだが、相手の攻撃を無効化することを十八番にするチームを攻略するのは簡単ではなかった。

 ドリブルを仕掛けてもスペースに入り込むことができずに攻撃を停滞させ、逆に素早く展開しようとすると、繰り出されたパスは正確性に欠けた。後半開始と同時にアルグアシル監督がプランAに戻しシルバと交代させられるまで、インパクトを残すことはできなかった。トシャックの言葉を借りれば、ヘタフェで食べたパンは硬く、バターは苦かった。

 このヘタフェ戦を終えて、シーズンが開幕してから1か月が経過したわけだが、ここまでのタケのプレーを振り返れば、中心選手として攻撃を牽引している点は高く評価できる。
 
 スビエタ(練習場)でも技術、インテリジェンス、犠牲心、ハードワーク、そして何よりも攻撃のほぼすべてのポジションを高次元でこなす万能性を称賛する声が相次いでおり、まだまだ伸びしろを残している点も加味すると、ソシエダは改めて良い補強をしたと言える。

 残念なのは、ホットラインを形成する前にアレクサンデル・イサクが移籍してしまったことで、そして今回、その後釜として獲得したサディクが長期欠場を余儀なくされる結果となった。

 新たな代役の獲得に動こうにも25人の選手登録枠に空きがなく、少なくとも冬の移籍市場がオープンするまでは現有戦力で戦っていくしかない。

 ソシエダは5節を終えて、勝点7の11位。得失点差はマイナス2で、昨シーズンからの課題である得点力不足解消のメドは立たないままだ。トシャックのよく口にした言葉の一つに、シーズンは毎年9月の第一・第二日曜日にかけて開かれ、ボート競技のオリンピックと呼ばれる「コンチャ・レガッタ」が終わった後に本格化するというのもがある。タケもチームもこれかが本番だ。

文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸


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