「久保建英がラ・レアルのニュースターとなった」ソシエダ番記者がエスパニョール戦でそう感じた瞬間とは?「特に子供たちの間で…」【現地発】

「久保建英がラ・レアルのニュースターとなった」ソシエダ番記者がエスパニョール戦でそう感じた瞬間とは?「特に子供たちの間で…」【現地発】

エスパニョール戦でも際立ったパフォーマンスを見せた久保。(C)Getty Images



 レアル・ソシエダ対エスパニョール戦、79分のプレーだった。タケクボ(久保建英)は自陣のペナルティエリアの手前でボールを奪うと、ダビド・シルバとのパス交換からドリブルで前線まで一気に駆け上がった。

 そのパスを受けたアレクサンダー・セルロトは疲れ切っていてCKをゲットするのが精一杯。イマノル・アルグアシル監督は交代のタイミングと判断し、第4審判が背番号14の表示されたボードを掲げた。スタジアムの4分の3の観客がスタンディングオベレーションになり、「クボ!クボ!」と即興的に名前を連呼した。シャイなタケは、余韻に浸ることなく小走りでピッチを後にした。

 タケが開幕からわずか1か月で“チュリ・ウルディン”のファンの心を鷲掴みにしたことを示した瞬間だった。クオリティ、プレーレベル、競争力、インテリジェンス、犠牲心、闘争心を兼ね備えたアノエタのニュースターはこれからもいくつもの歓喜をファンに届けることだろう。

 アノエタ(ホームスタジアムの旧称)では試合のたびに、タケの名前と背番号14の入ったユニホームを来たファンの数が増えている。特に子供たちの間で人気はうなぎ上りだ。校庭でサッカーゲームを始める前に恒例の各自がお気に入りの選手を名乗る際に、今最も好まれているのがタケだ。日本人という物珍しさもあるが、もちろん大前提として開幕後の活躍がある。

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 その中でもエスパニョール戦でのパフォーマンスは入団以来、最もコンプリートなものだった。アルグアシル監督は2トップの一角としてスタメンで起用。ポジションは相方のセルロトの左寄りに配した。「いいプレーができたと思う。合格点を付けられる」。タケは試合後に謙遜したが、少なくとも「優」に値する内容だった。

 立ち上がりから輝きを放った。14分、挨拶代わりに相手のクリアボールをダイレクトで叩くも、相手GKアルバロ・フェルナンデスがキャッチ。その続けざま、ホン・パチェコの高精度のロングパスを収めて、右サイドの敵陣深くえぐった後だった。エスパニョールのバックパスに反応し、猛然とプレスを掛けに行くと、アルバロ・フェルナンデスのトラップが甘くなった一瞬の隙を逃さずボールをつつき、走り込んだセルロトが無人のゴールに押し込んだ。

サッカーに仮にテニスのようなアンフォーストエラーがあったとしても、この場面でのアルバロ・フェルナンデスのプレーはそれに該当するとは思えない。正確にボールをコントロールできなかったのは、タケの揺るぎない信念と不屈の闘志がその状況を引き起こしたからだ。

タケは試合後、このシーンをこう述懐している。「同じようなシーンに出くわしたプレシーズンマッチのビルバオ戦ではプレスをかけに行かなかった。その時のことが脳裏をよぎり、仕掛ければ、トラップミスを誘えるかもしれないとピンときた。僕は倒れていたから最初はPKと思って、キッカーを志願する心構えもできていた。でもみんながセンターサークルに向かって戻って行ったから、ゴールだと分かった」

直後にCKから失点を喫したが、タケに責任を問うのは酷だろう。エドゥ・エスポーシトをフリーにさせてしまったことが直接の原因で、責任を背負わなければならないのは、その得点者へのアプローチが遅れたゴール前に構えていた選手たちだ。
 



 タケはこれまで前半から飛ばし過ぎる試合があったが、この日は、ペース配分も上手くいき、後半に入っても短剣のように左サイドを切り裂き続けた。

 キックも冴え、60分には完璧なCKを蹴り、アリツ・エルストンドのヘディングシュートを演出。その後、立て続けに美しく壮大なパスワークによる崩しの主役となってフィニッシュに繋げたが、1度目はセルロト、2度目はシルバがチャンスを決めきれなかった。

 さらに冒頭のプレーの直前に今度は自らやや遠目からシュートを放ったが、コースが甘くアルバロ・フェルナンデスにセーブされた。
 
 タケにとってこのエスパニョール戦は、勝利の立役者となるだけでなく、ファンとの絆や愛情が双方向で築き上げられていることを確認する機会にもなった。

「ファンの拍手が大きな自信を与えてくれた。サッカーにおいてファンは意見する側にいる。彼らはお金を払って、僕たちの試合を見に来てくれている。ファンが幸せであればあるほど、僕たちにとっては良いことだ。特に拍手された場面はとても心地よかった」

“ラ・レアル”のニュースター、タケの言葉だ。

文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸


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