新国立で初のJFL開催へ! クリアソン新宿が“国内屈指の大バコ”でホームゲームを行なう意義「やるからには黒字にする」

新国立で初のJFL開催へ! クリアソン新宿が“国内屈指の大バコ”でホームゲームを行なう意義「やるからには黒字にする」

クリアソン新宿の丸山代表。クラブ創設以来の地道な積み重ね、国立競技場での試合開催がついに実現する。



 今季、JFLに昇格したばかりのクリアソン新宿(以下、クリアソン)が大勝負に打って出る。

 クリアソンは10月9日、第24節のホームゲームを国立競技場で開催。相手は三浦泰年監督、三浦知良を擁する鈴鹿ポイントゲッターズだ。

 JFLのクラブが国立競技場で試合を開催するのは史上2回目となり、改修後は初めて。クリアソンの丸山和大代表はこう語った。

「新宿をホームタウンとするクラブとして、地域の方々に足を運んでもらいやすいスタジアムで試合を開催することの意義は大きい。また、大きな視点では国立競技場を価値あるレガシーにしていくために、いかに有効活用できるかというテーマもあります。地元のクラブとしてその一端を担い、社会に貢献する使い方ができるようになっていきたい」
 
 クリアソンは関東リーグ1部に属していた昨年2月の段階で、異例とも言えるJリーグ百年構想クラブの認定を受けている。来季のJ3ライセンスは施設面が未充足として不交付になったが、依然として将来性の高さを評価されるクラブのひとつだ。

「いくら我々が国立を使わせてほしいと希望しても、東京都サッカー協会をはじめ、JSC(日本スポーツ振興センター)や新宿区、商工会議所などの関係団体の協力なくして実現しませんでした。まだ足りないところだらけのクラブではありますが、創設以来の地道な積み重ね、信頼関係の構築により、たくさんの方々が『一緒にやろう!』と機運を高めてくださったおかげです」

 とはいえ、収容人数6万8000人。先の東京五輪でメイン会場となった国内屈指の大バコである。Jリーグでもこの規模に見合うクラブはほんの一部に限られる。

 てっきり赤字覚悟でクラブの知名度アップ、プロモーションに重きを置いたものかと捉えていたが、そうではなかった。9月末の時点で前売りチケットの販売数は1万3000枚を突破。1階席を埋め尽くす目標の2万人に向けて、日々数字を上積みしている。

「パートナー企業からの協賛金や入場料収入の見込みで、すでに損益分岐点は超えています。小学生以下の無料ゾーンを設けた以外、招待券はほぼ出してないですね。やるからには黒字にするつもりで取り組み、サッカーの価値を感じてもらえるようにするのがコンセプトですので」
 

 クリアソンは東京都リーグ1部、関東リーグ2部、関東リーグ1部とカテゴリーを上げるごとにクラブをスケールアップさせ、「プレーヤーとしての能力に加え、高い社会性を持つ選手が仲間に加わってくれています。彼らと、ビジネスとサッカーの両立を目指す既存メンバーの融合がパワーになる」(丸山代表)という考え方に基づき、チームづくりを進めてきた。

 今季は上田康太、大﨑淳矢といったJリーグで豊富な実績を持つ選手を獲得。東京ヴェルディやレノファ山口FCで活躍した澤井直人も期待の大きい新戦力のひとりだ。ピッチではチームの主力として、ピッチ外ではクラブ事業部の一員として、新宿の街を奔走する忙しい毎日を過ごしている。

「企業や商店などを回り、地域の方々との関係性を築いていくのが仕事。いまは10月9日の国立の宣伝がメインですね。実際に自分が行動することで、ひとつの試合を成り立たせるためにどれだけの人が関わり、準備を積み重ねているのか見えてきたことは山ほどあります。きれいごとを抜きにして、試合会場で挨拶にいった人たちの顔が見えると本当にパワーをもらえるんです」
 
 対人関係において壁をつくらない澤井は、ピッチ内外で人と人とをつなぐ能力が卓越している。クリアソンでは持ち前のパーソナリティがフルに活用されるに違いない。

「ヴェルディ時代にお世話になったヤスさん(三浦泰年)、憧れのカズさん(三浦知良)と対戦できるのは楽しみ。何より、僕自身が国立でプレーするのは初めてなので、ワクワクしていますよ。ひとりでも多くの人に来場してもらい、スタジアムがたくさんの笑顔で溢れるお祭りのような一日にしたいです」

 初の全国リーグ参入は甘くなく、目下、クリアソンは15位と苦戦中。JFLは15位と16位が地域リーグに自動降格となる(ただし、上位からJ3昇格を達成するチームが出て降格枠が減る可能性あり)。エポックメイキングな出来事である国立開催は、シーズン終盤に向けて勢いをつけるためにも勝利を掴みたい一戦。苦境から立ち上がり、新たな未来を切り開こうとするクリアソンは一見の価値ありだ。

取材・文●海江田哲朗(フリーライター)

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