「いつになったら歳取るんだろう」STVV岡崎慎司のマインドはサッカー小僧のまま。カタールW杯にも「滑り込みたい」

「いつになったら歳取るんだろう」STVV岡崎慎司のマインドはサッカー小僧のまま。カタールW杯にも「滑り込みたい」

STVVでスタメン出場を続ける岡崎。「ラスト1枠を手繰り寄せられるかどうか」とカタールW杯もあきらめていない。写真:元川悦子



 現地時間10月2日の21時という深い時間帯に行なわれたベルギー1部の第10節、シント=トロイデン(STVV)対オイペン。プレーオフ進出や欧州リーグ参戦を目ざしているSTVVとしては、今季開幕から下位に低迷している相手を本拠地スタイエンで叩いて、8位以内確保の布石を打ちたかった。

 先発2トップに入った岡崎慎司は、コンビを組むジャンニ・ブルーノと激しくポジションを入れ替えながらスペースへの侵入を試みる。10分には左CKに反応し、ファーサイドで右足を合わせに行くチャンスを迎えたが、得点には至らなかった。

 8月19日にSTVVに加入し、翌20日のオーステンデ戦で新天地デビューを飾ってから6試合連続でスタメン出場中も、まだ1ゴールにとどまっている岡崎。生粋の点取り屋は、得点への飽くなき渇望を序盤から前面に押し出し続けたのだ。

 相手守備陣への果敢なプレッシングなど、持ち前のハードワークも健在。その運動量とプレー範囲は、とても36歳とは思えない。前から守備に行ける選手を欧州の指揮官は重用する傾向が強いが、ベルント・ホラーバッハ監督もそういった岡崎の献身性を高く評価したからこそ、開幕後の契約に踏み切ったのだろう。

 そのアグレッシブさが結果につながれば良かったが、この日のSTVVは決め手を欠く。後半には橋岡大樹が2つの決定機を逃し、逆にカウンターから失点してしまう。岡崎自身のシュート場面もほとんどなく、結局、試合は0-1で終了。手痛い敗戦を喫し、順位も11位に下げることになった。

「今日は僕らが上に行くためにも勝たないといけないゲームだった。正直、残念でした」

 試合後のミックスゾーンにやってきた岡崎は神妙な面持ちでこう切り出したが、とにかく前向きだった。

「自分自身にボールも来なかったですね。もちろん、そういう試合もあるし、それもサッカー。自分も合わせていかないといけない。個の部分も必要になってくるって意味では楽しい。それができるようになったら、僕はさらに価値を示せる。挑戦してもっとクオリティを出せるようにしたいですね」
 
 岡崎にとってベルギーは、ドイツ、イングランド、スペインに続く欧州4か国目のリーグ。欧州5大リーグよりレベルが下がると見られがちだが、独特の難しさがあるという。

「ベルギーは今まで行ってたリーグと異なっていて、特徴がハッキリしないというか。組織でやってる時もあるし、個の能力が強いかと思ったら、そうじゃない時もある。そのバラバラ感が難しさでもあるんで。

 でも逆に、個人の評価を得られるリーグだと思うんですよね。ここで何ができるかをトップリーグが見て引き抜いていく。だから今まで結果を出してきた選手をすごくリスペクトできるなと感じます」
 

 加入から約1か月半、岡崎はSTVVのサッカーに適応しつつある状況だ。ホラーバッハ監督がドイツ人ということもあり、自身にとっての欧州最初のクラブ、シュツットガルト時代を思い出すことも少なくないようだ。

「スペインでの3年間はクオリティのところをすごく求められたし、ビルドアップの練習をメチャクチャやっていた。でも今のチームはものすごくシンプルなサッカーを目ざしてるし、ドイツ時代を思い出して懐かしい(笑)。

 サッカーは環境によって変わるし、そこは本当に面白くて刺激的。(香川)真司と同じチームになったことも純粋に楽しい。『いつになったら歳取るんだろう』って思うし、違うチームに来るたびに若手に戻った気持ちでやれてますね」と、彼のマインドはサッカー小僧の頃と全く変わっていない様子だ。

 筋金入りのチャレンジャーはもちろん日本代表入りも目ざし続けている。

 昨年のインタビューでも「欧州から日本に戻る時は代表をあきらめる時。自分はまだ帰れない」と話していたが、今もなお欧州にこだわるのは、1か月半後に迫ったカタール・ワールドカップに参戦したい気持ちが非常に強いからだ。

「(11月1日のメンバー発表まで)あと5試合なんで、そこに全てを賭けるつもり。ラスト1枠を手繰り寄せられるかどうかは自分次第だと思うんで、取りに行きたいですね。

 代表もチームも同じで、自分のやるべきことはゴール。答えはシンプルです。決定的なところで点を取って、それで滑り込みたい。『経験枠』とかじゃなくて、純粋に『戦力』として見てもらえるように、『一発、こいつやってくれる』という信頼を得られるようにしたい。まあ何が起きるか分からないと思います」と、岡崎は限りなく低いかもしれない可能性に挑んでいく構えだ。
 
 こういったギラギラ感と闘争心は見ていて非常に頼もしい。今の日本の若手に少し足りない部分でもある。オイペン戦で共闘した橋岡大樹、怪我で負傷中の林大地らも日々刺激を受けているに違いない。そうやって周囲に影響を与えつつ、自らも成長するというのが岡崎のスタイルなのだ。

 ここから彼が本当にゴールを量産できるか否か、どのように高みに上り詰めていくのか……。今後の一挙手一投足が興味深いところだ。

「僕はどのチームへ行っても、点を取るまでに時間はかかってるんです。2年連続で二桁を取ったマインツの時もそうだった。なので、このシンプルで速いサッカーにフィットしていくことが重要。まだまだ1点じゃ物足りないんで頑張ります」

 次節は10月7日、首位に立つアントワープ戦。そこで今季2点目を奪って一気にギアを上げれば、サプライズを起こせるかもしれない。今こそ岡崎慎司の経験値と意地を示してほしいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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