「タケの加入効果は絶大だ」ユニホーム売上はトップ3、日本語版ツイッターは“公式超え”…久保建英のピッチ外の貢献にソシエダ番記者が驚嘆【現地発】
2023年03月22日 06時48分サッカーダイジェストWeb

先日はサイン会に長蛇の列ができたのが話題となった久保。(C)Mutsu FOTOGRAFIA
レアル・ソシエダの練習場、ズビエタはサン・セバスティアンから20キロほど離れた山岳地帯に位置し、気温も市内より2度低いのが日常的だ。ある冬の朝、入り口を通過すると、凍えるような厳しい寒さの中、日本人カップルがアイドルの入り待ちをしていた。手には青と白のストライプのユニホームを持ち、背中に背番号14とタケ・クボ(久保建英)の文字がプリントされていた。
タケの加入における最も顕著な変化の一つは日本人ファンの数の増加だ。練習場、スタジアムどこに行ってもその姿を目にする。本拠地エスタディオ・アノエタの最前列に陣取り、横断幕を掲げる日本人ファンの一団はすでにお馴染みになっている。
メディア関係者の数も増えている。クラブの広報部門の責任者の1人、ホン・アンデル・ムンドゥアルテによると、毎試合、日本人カメラマンのアクレディテーションの申請を受け、記者に関しても、取材の申し込みはほとんどの試合で5人を下回らないという。
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このレポートを執筆するにあたって、マーケティング部門にも問い合わせたが、広報部門にたらい回しにされるだけだった。背景にあるのは、タケの加入後、一つの商談もまとめることができていないことだ。現在進行中の案件はいくつかあるが、2度目のレンタル移籍となった昨シーズン、コナミとパートナシップ契約を結んだマジョルカとは対照的だ。ムンドゥアルテは現在の活動状況について次のように説明する。
「トヨタはオフィシャルスポンサーの一つだが、協力関係はタケの加入前から始まっていた。他にうちのコーチが日本の子供たちに直接指導を行うワカタケ・プログラムをスタートさせた」
もちろんユニホームの売り上げもタケの加入効果の一つだ。ムンドゥアルテは「タケはすでにトップ3にランクされている。海外からの注文も増えている」と胸を張る。その人気の高さはサン・セバスティアン市内にある2つのショップで、14番のユニホームを購入する子供の数の多さからも一目瞭然だ。
一大ブームが巻き起こっているのは、SNSだ。クラブのソーシャルメディア責任者のベニャト・エスクリバノは、「日本語のツイッターのアカウントが7月18日に作成され、フォロワーは5万4217人に達している。ちなみにオフィシャルであるスペイン語のアカウントのフォロワー数は74万5000人、バスク語は日本語の半分程度だ。象徴的なのは、いいね!やインタラクション、レスポンスなどのエンゲージメントが、スペイン語の公式アカウントよりも日本のアカウントのほうが多いことだ」と声を弾ませる。
具体的には、タケの加入後、スペイン語のTwitterが約4万5000人、インスタグラムが約6万5000人それぞれフォロワーが増加している。Youtubeに目を向けても、エスクリバノによると今シーズン最も視聴された10本の動画のうち5本が、タケのトレーニング中の姿を収めたものかコメントを収録したものだという。
再生回数、チャンネル登録者もそれぞれ245万回から750万回、3万6000人から11万6000人へと加入後3倍以上に増加。さらに特筆すべきは、そのうち46%が日本人で、スペイン人の42%よりも数値が高いことだ。
タケがクラブにもたらした効果は絶大だ。しかも様々な部署で、まだまだ活用できる余地はあり、今後もソシエダで活躍を続けていけば、さらに大きな経済的利益を生み出す原動力になるのは間違いない。
ソシエダの関係者は常日頃から世界のどんなに遠く離れた場所に行っても、必ずトゥスリ・ウルディンのシャツを着たファンがチームを応援していると自負してきた。今後はそこにタケを応援する日本人がいる、というフレーズも付け加える必要があるだろう。
取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
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