【U-22日本 2-2 U-22ドイツ|採点&寸評】1G1Aの佐藤恵允がMOM。鈴木彩艶はビッグセーブ連発
2023年03月25日 16時42分サッカーダイジェストWeb

若き日本代表は敵地でドイツと対戦。2-2で引き分けた。(C)Getty Images
[国際親善試合]U-22日本 2-2 U-22ドイツ/3月24日/PSDバンク・アレーナ
2024年のパリ五輪出場を目ざすU-22日本代表が欧州遠征を実施。3月24日にはドイツのフランクフルトで、U-22ドイツ代表と対戦した。
40分に先制を許すも、その3分後にセットプレーのチャンスで佐藤恵允が豪快なヘディングシュートを叩き込む。さらに後半開始早々に相手のミスをついて細谷真大が逆転ゴールを挙げる。だが、その後に失点。2-2で引き分けた。
勝ち切れなかったが、敵地で粘り強い戦いを見せた若き代表戦士たち。そのパフォーマンスを、現地取材したフリーライターの松尾祐希氏が評定する。
▼チーム採点と寸評
「5.5」
ドイツに対し、序盤から劣勢を強いられた。昨年の活動でベースとなった4-3-3ではなく、この日は4-2-3-1を採用。4-1-4-1の相手にハマるようなシステムで勝負に出たが、ことごとくボールを運ばれて何度もピンチを迎えた。
鈴木彩艶の好セーブでなんとか凌いでいたが、40分に内野貴史が与えたPKを難なく決められて失点。しかし、即座に反撃し、43分に左CKから佐藤恵允が頭で決めて同点に追いつく。
後半開始早々には相手のミスを見逃さなかった佐藤がゴール前にラストパス。走り込んできた細谷真大が決め、リードを奪った。
だが、その直後にまたしても失点。試合を振り出しに戻されると、その後はショートカウンターからチャンスを作る場面もあったが、最後まで得点は奪えず。劣勢時の戦い方や個人戦術の部分で課題を残した。
▼選手採点と寸評
GK
12 鈴木彩艶 6.5
ビックセーブ連発。9分には際どいシュートを2連続でストップすると、その後も素早い反応でゴールを死守した。クロス対応でも安定感を見せ、大柄な相手に対しても競り負けずにボールをこぼさない。2失点を喫したものの、そのパフォーマンスは際立っていた。
DF
3 西尾隆矢 5
エアバトルでは立ち向かう姿勢を示すも、相手FWに対して後手を踏む展開に。ビルドアップでは判断が今ひとつで、運べるシーンでチャレンジできない場面も。先制点の場面ではCKからのボールを上手くニアですらしてアシストしたが、90分を通じての出来は低調だった。
DF
5 木村誠二 5.5
身体を張った守備を見せ、地上戦でも空中戦でも奮戦した。しかし、相手のパスワークに翻弄され、振り回されるシーンが散見。繋ぎの面でもチャレンジするような縦パスはあまり見られず、課題が残るパフォーマンスだった。
DF
21 加藤聖 4.5(77分OUT)
何度も相手に背後を取られ、対応が後手に回る。並走した際に身体をぶつけにいくが、フィジカルで競り負ける場面が目立った。球際でも寄せられず、クロスを許して同点弾のきっかけを与えた。攻撃参加も限られ、得意の左足からクロスを入れる場面は数えるほどだった。
DF
22 内野貴史 5(86分OUT)
久々の代表戦でデュエルで戦う姿勢を見せたものの、パワー不足で相手のサイドアタッカーに突破を許す場面が散見。ポジショニングも不安定で数的優位を作られるシーンも少なくなかった。時間の経過とともに余裕が出てきたが、オーバーラップの回数は限定的だった。
MF
6 川﨑颯太 6.5(59分OUT)
先発起用に応え、中盤でボールの回収役を全う。鋭い出足で大柄な相手に立ち向かい、球際でも臆さずに身体をぶつけにいく姿は頼もしい。ビルドアップでも積極的にボールを受け、山本とともにショートカウンターの起点になり、攻守で存在感を発揮した。
MF
7 山本理仁 6(77分OUT)
キャプテンマークを巻き、ミドルゾーンで配給役を担う。立ち上がりは相手の圧に屈したが、前半の中盤以降は川﨑を上手く助けながら、ボールを捌いて攻撃にリズムを生んだ。後半には鈴木唯に鋭いスルーパスを供給するなど、苦しい展開の中で“らしさ”をのぞかせた。
MF
9 山田楓喜 5.5(59分OUT)
序盤は押し込まれ、自陣の深い位置で守備に追われる時間帯が続いた。それでも右サイドを何度も上下動し、裏への抜け出しでボールを呼び込む。しかし、決定的な仕事は果たせず、深い位置からクロスを上げるシーンがもう少し欲しかった。
MF
10 鈴木唯人 6(86分OUT)
フランス移籍後は出場機会に恵まれておらず、試合勘が不安視されたが、持ち前の推進力を発揮。サイズがある相手にもゴリゴリと割って入り、ショートカウンターの起点になるプレーでチャンスを演出。前半終了間際にはCKから正確なキックで同点弾をお膳立てした。
MF
18 佐藤恵允 6.5(77分OUT)MAN OF THE MATCH
屈強なドイツ守備陣をもろともせず、パワフルな突破で相手の脅威に。何度もDFの間に割って入り、決定機を生み出す。CKから同点弾を奪うだけではなく、後半開始早々には相手のミスを見逃さず、細谷のゴールをアシスト。全ゴールに絡む活躍で自身の価値を証明した。
FW
11 細谷真大 6(77分OUT)
動き出しの良さが光った。背後に抜ける動きでスペースを作り、ボールを受ければゴールに向かう。相手DFのパワーに苦戦したが、献身的な動きで1トップとして機能。ゴールも奪い、ストライカーとしての仕事も果たす。守備面での貢献度も高かった。
交代出場
MF
8 藤田譲瑠チマ 5.5(59分IN)
中盤の底でボールを回収しながら、CBから上手くボールを預かってパスを散らす。山本との関係性も良く、リズムを構築した。しかし、チャレンジするようなパスはあまり見られず。守備でも対応が一歩遅れ、バイタルエリアに進入を許す場面も少なくなかった。
MF
20 松村優太 5.5(59分IN)
持ち前のスピードを活かした突破や裏抜けを期待され、右サイドハーフで投入された。しかし、持ち味を発揮できた場面はあまりなく、相手DFに行く手を阻まれる。守備では相手を追い回し、献身的な姿勢を見せた点は好印象だったが……。
DF
15 今野息吹 ―(77分IN)
初招集ながらアグレッシブな姿勢で難敵に挑む。終盤には果敢な攻め上がりも見せた。
MF
16 田中聡 ―(77分IN)
アンカーの位置でプレー。短い時間ながら、相手に身体をぶつけ、デュエルの強さで守備を支えた。
FW
17 木村勇大 ―(77分IN)
左ウイングで起用され、サイドを強引に突破する場面もあったが、決定打を繰り出すまでには至らず。
FW
13 西川潤 ―(77分IN)
相手のパワーに押され、自由にボールは受けられず。技術の高さは感じさせたが。
DF
2 中村拓海 ―(86分IN)
周りと呼吸が合わなかったものの、アイデアに富んだパスで“らしさ”はのぞかせた。
MF
19 平岡太陽 ―(86分IN)
不慣れな左ウイングで何度かボールを受け、積極的に仕掛ける姿勢が光った。
監督
大岩剛 6
攻撃時は4-2-3-1、守備時は4-4-2の陣形でドイツに挑むも、序盤は相手のペースを崩せずに苦戦。それでも徐々に良さを出し、昨年積み上げてきた前線からのハイプレスやショートカウンターで強豪国を苦しめた。昨年から取り組んできたセットプレーからもゴールを奪うなど、課題もあったが、チームとして成長の跡は示す。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
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