「次世代最強ランキング5~1位」兄ジュードにも匹敵する新星、「まるでC・ロナウド」とスコールズ絶賛のスター候補生、マドリー入団内定の神童がトップ5入り!

「次世代最強ランキング5~1位」兄ジュードにも匹敵する新星、「まるでC・ロナウド」とスコールズ絶賛のスター候補生、マドリー入団内定の神童がトップ5入り!

1~5位にランクインした(上段左から)エンドリッキ、ガビ、(下段左から)ムココ、ガルナチョ、ベリンガム。(C)Getty Images



 カタール・ワールドカップ制覇に多大な貢献を果たしたリオネル・メッシは、今年2月の『ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズ』で最優秀選手賞に輝いたように、いまなお当代屈指のタレントでありつづけている。ただ、その生けるレジェンドもまもなく36歳だ。
 
 いま、待ち望まれるのは「メッシ後の時代」をリードする新星の台頭だろう。そこで『ワールドサッカーダイジェスト』編集部では、その候補たりえる逸材50人のランキング化を試みた(すでに十分な実績を残しているキリアン・エムバペやアーリング・ハーランドなどは選外)。
 
 今回は「次世代最強ランキング」のラスト。5位~1位を紹介しよう。
 
 
5位:ジョブ・ベリンガム
(バーミンガム/イングランドU-18/2005年9月23日生まれ)
 兄ジュードに匹敵するタレントの持ち主だ。アカデミーから所属するバーミンガム(2部)でプロデビューを飾ったのは22年1月8日。FAカップ3回戦のプリマス戦だった。「16歳と107日」でトップチームに初出場。これは兄が持つ「16歳と38日」に次ぐクラブ史上2番目の若さだった。今シーズンもすでに15試合に出場。17歳にして着実に存在感を強めている。
 
 万能性が魅力の兄とは異なり、創造性を売りとする攻撃的MFだ。アカデミーでは経験を積むためにインサイドハーフやセントラルMFもこなしてきたが、その才能を最大限に活かせるのはトップ下だろう。早くもリバプールやニューカッスル、ドルトムントが興味を示していて、そう遠くない未来にステップアップの移籍を果たすに違いない。
 
 ちなみに、ベリンガム兄弟を育てた父親はアマチュアの元サッカー選手。現在は警察の巡査部長として勤務している。
 
4位:アレハンドロ・ガルナチョ
(マンチェスター・U/アルゼンチン代表/2004年7月1日生まれ)
 21-22シーズンにメキメキと頭角を現わした俊英だ。FAユースカップで大会最多の7ゴール(3アシスト)を叩き出し、ユナイテッドU-18を頂点に押し上げる原動力となった。シーズン終盤にはプレミアデビューも果たし、クラブの年間最優秀若手に贈られるジミー・マーフィー賞を受賞している。迎えた今シーズンはトップチームに定期的に帯同し、公式戦29試合で5得点・6アシスト(4月7日時点)と順調だ。
 
 こうした飛躍の背景にあるのが精神面の成長だろう。以前は靴紐を結ばずに練習に参加するなどルーズな部分が見られたが、22年夏のプレシーズンあたりからサッカーと真摯に向き合うようになり、クラブOBのスコールズから「まるで若い頃のクリスティアーノ・ロナウドのようだ」と絶賛された。
 
 生まれ育った故郷のスペインではなく、母方のルーツであるアルゼンチンのA代表で初キャップを刻む日(22年3月に初招集に応じた)もそう遠くないだろう。
 
3位:ユスファ・ムココ
(ドルトムント/ドイツ代表/2004年11月20日生まれ)
 点取り屋のビッグタレント。ボールの芯を的確に捉える左足のシュートに加え、利き足でのキックフェイントから瞬時に振り抜く右足フィニッシュの精度も高い。屈強なCBとの空中戦を制する高さこそないが、ボックス内での位置取りが良く、22年9月のルール・ダービーではヘディングで決勝点を挙げている。いわゆるゴール嗅覚も鋭く、ドイツ代表の先達であるクローゼやゴメスのように“いるべき場所にいる”ストライカーだ。非凡なアジリティーも特筆に値する。
 
 16歳でブンデスリーガ最年少デビューを飾り、プロ3年目の今シーズンは4月7日現在、28試合出場(先発15)で6得点とブレイクの足掛かりを築いている。カタールW杯では出場32か国の最年少出場者として注目を集めた。
 
 神童への期待は膨らむばかりだが、いま迎えているのはひとつの転機。今シーズン末で切れるドルトムントとの契約を延長か、それともメガクラブへのステップアップか。その決断はいかに――。
 

2位:ガビ
(バルセロナ/スペイン代表/2004年8月5日生まれ)
“シャビ・バルサ”で重宝されているのは、球際の激しさや瞬発的なスプリントを何度も繰り返せる機動力だ。とりわけ相手のSBとCBの間のスペースに顔を出すフリーランは、タイミングも切れ味も抜群で、デンベレの突破力を活かすオートマティズムに組み込まれている。
 
 その一方で、密集でボールを捌いて攻撃のリズムを作り、鋭いドリブルで敵守備網を切り崩して前のレシーバーにパスを出すといった技術や視野の広さを感じさせるプレーも随所に見せる。相棒ペドリの存在が目立たなくしている部分もあるが、W杯ではそうしたプレーメーカーとしての持ち味を発揮し、コスタリカ戦では目の覚めるようなゴラッソを叩き込んだ。
 
 なんといってもまだ18歳だ。いまは闘争心や運動量といった面がクローズアップされがちだが、プレースタイルは固まっていない。経験を積み重ねていけば、どのようにも進化できそうだ。それだけのポテンシャルと多機能な魅力がガビにはある。
 
1位:エンドリッキ
(パルメイラス/ブラジルU-20代表/2006年7月21日生まれ)
 これほど有能な若手の出現は、ブラジル・サッカー界でも久しぶりだ。ネイマール二世でもなければ、ロナウジーニョの再来でもない。技術力だけでなくフットボールIQの高さを感じさせる聡明な16歳は、過去に天才と謳われた多くの若手が持ち合わせなかった冷静さ、そして粘り強さを兼ね備えている。その意味でも稀有なヤングタレントだ。
 
「10番」の資質を持ちながら、メッシやC・ロナウドのようにいとも簡単にネットを揺らす有能なゴールゲッターでもあり、適性ポジションをいままさに見極めている段階。創造性と意外性に満ちたその動きは予測不可能で、対峙するDFにとってはかなり厄介だろう。
 
 才能の大きさを何より物語るニュースが飛び込んできたのは22年12月。24年夏からレアル・マドリーに加入することが決定した。移籍金は3500万ユーロ。活躍次第で最大6000万ユーロがパルメイラスに支払われるという。サッカー王国のまさに希望の星、それがエンドリッキだ。
 
●文:リカルド・セティオン(フリーランス)、WSD編集部
●翻訳:利根川晶子
●協力:田嶋コウスケ
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2023年1月19日号より加筆・修正

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