エルトン・ジョンの名曲に酔いしれて…決戦を前にシティ指揮官ペップに気負いなし。イングランド史上2度目の快挙なるか【現地発】
2023年06月10日 14時42分サッカーダイジェストWeb

インテルとのCL決勝に臨むシティのグアルディオラ監督。2年前の雪辱を果たしたい。(C)Getty Images
現地時間6月10日にトルコのイスタンブールで行なわれる欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝──。その試合前日会見に出席した英BBC放送のフィル・マクナルティ記者は、会見場から次のように伝えた。
「ペップ・グアルディオラ監督は、実にリラックスしている。いつもの彼なら試合前に厳しい表情を浮かべるが、ファイナルを前に非常に落ち着いている。例えば、グアルディオラに対してこんな質問が飛んだ。『あなたが成功を掴んできた理由は?』。ペップは『答えは選手にある。過去にリオネル・メッシがいて、今はアーリング・ハーランドがいる。冗談を言っているわけではないよ。それが事実だからさ』と、時折笑みを浮かべて答えた。一連のやり取りからも変な力みが感じられなかった」
グアルディオラ監督がほどよくリラックスしているのは、他の方面からも聞こえていた。
例えば、プレミアリーグ最終戦後の対応。プレミアリーグは5月28日に最終節を迎えたが、マンチェスター・シティはその1週間後にFA杯決勝、さらに2週間後にCL決勝という、クラブの運命を決める大事な2試合が控えていた。
どのようにチームを調整していくかに注目が集まっていたが、まずグアルディオラ監督はプレミア最終戦からの2日間を完全にオフとした。そして練習再開後もスローペースの調整を続け、トレーニング再開日の夜にはロックバンド、コールド・プレイのライブに選手たちを向かわせた。FA杯決勝から数えて、3日前の夜のことである。
マンチェスター・Cの本拠地エティハド・スタジアムで行なわれたこのライブは、選手たちの希望参加だったが、ハーランドやケビン・デ・ブライネ、ベルナルド・シウバ、ジャック・グリーリッシュ、イルカイ・ギュンドアンといった主力選手たちが足を運んだ。選手たちは家族同伴で束の間の休息を楽しんだようだ。
そして同じ日の夜、当のグラウディオラもマンチェスター市内で行なわれたエルトン・ジョンのコンサートに向かった。実は、指揮官はエルトン・ジョンの大ファンで、特に現役時代の18~19歳の頃によく聞いていた「Your Song」が大のお気に入りだという。いつか生で聴きたいと夢を膨らませていたそうだが、シーズン中にもかかわらず、娘さんを連れてその夢を実現させたようだ。
グアルディオラは言う。
「マンチェスターの街で今回のようなイベントが行なわれるなら、楽しむ必要がある。エルトン・ジョンは間違いなくレジェンド。そして、選手たちはコールドプレイのコンサートに向かった。もちろん、素晴らしいコンサートだった。(その日の夜)選手たちは自宅で映画を楽しんでも良かったし、才能のあるミュージシャンのコンサートを楽しんでも良かった」
では、オフとコンサートで息抜きをした選手たちのコンディションはどうだったのか。ペップは言葉を続ける。
「選手たちはフィットしているし、精神面も充実しているように見える。彼らにはオフを与えたが、きっと休みの間も2つのファイナルのことを考えていたと思う。彼らは戦う準備ができている」
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マンチェスター・Cは6月3日に行なわれたマンチェスター・ユナイテッドとのFA杯決勝で2-1の勝利を収め、見事2冠を達成した。選手たちはFA杯決勝の翌日から再び2日間のオフが与えられ、6月10日のCLファイナルを迎えることになる。
英紙『サンデー・タイムズ』のジョナサン・ノースクロフト記者は、在任7年目のグアルディオラ体制において、こうした休暇の与え方にこれまでと違いがあると指摘する。
今までグアルディオラ監督は、シーズン中にオフを与える場合は通常1日のみだったという。ところが長いシーズンを戦っていくうえで、休暇の重要性を強く認識するようになった。
特に今季はシーズン中にカタール・ワールドカップを挟んだため、超過密日程で試合を重ねる必要があった。体調面はもちろん、指揮官は選手のメンタルケアも必要と感じ、今シーズンは可能な限り2日連続でオフを与えるようにしていたという。
10日のファイナルに勝てば、マンチェスター・CはプレミアとFA杯、CLの3冠(トレブル)を達成する。実現すれば1998−99シーズンのマンチェスター・Uに次ぎ、イングランドサッカー史上2度目の快挙となる。そしてバルセロナの監督時代に欧州の頂点に2度立ったことのあるグアルディオラ監督としても、マンチェスター・Cで初の欧州制覇となる。
思い出すのは、2年前のCLファイナルだ。チェルシーとの決勝で、グアルディオラ監督はレギュラーMFのロドリを先発から外し、代わりにギュンドアンを守備的MFに抜擢した。普段とは違う人選で臨んだ采配は裏目に出て、歯車が噛み合わずに0-1で敗退を喫した。
試合後、グアルディオラ監督は、英メディアから「普段と同じメンバーでやればいいものを色々と考えすぎ」と酷評された。
あれから2年の歳月が流れ、今年のグアルディオラ監督は、ほどよく肩の力が抜けているように見える。選手も、例年より多めの休暇でコンディションは悪くない。指揮官にもチームにも、今回の決勝に変な気負いが感じられないのはプラス材料だろう。
ファイナルを前にほとんどの英メディアが「シティが絶対本命」と予想するなか、マンチェスター・Cは国内リーグ戦と同じように質の高いパフォーマンスを見せられるか。
監督、選手の姿を見ていると、今回ばかりは英メディアの予想どおりでマンチェスター・Cが本命のように見えるが、果たしてグアルディオラ監督はその手でビッグイヤー(※CL優勝チームに授与されるトロフィー)を掴むことができるか。
取材・文●田嶋コウスケ
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